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モトヤフ林さんインタビュー

元ヤフーメンバー・インタビューシリーズ第11回

今回のモトヤフインタビュー第11回は、現在コリドー街でお取り寄せダイニング十勝屋を経営され、また北海道食べる通信(2015年6月創刊の食べ物付きの季刊発行の情報誌)の発行人を務めておられる林真由さんにインタビューさせていただきました。
それでは記事をお楽しみください。

事務局
お名前をフルネームで教えてください。

林さん
林真由です。宜しくお願いします。

事務局
お生まれはどちらですか、またどちらにお住まいですか。

林さん
北海道帯広市(十勝地域)で生まれました。現在は東京に住んでおります。

事務局
これまでのプロフィールをご紹介ください。

林さん
大学を出て新卒でヤフーに入社しました。社員番号500番台で営業での新卒一期生でした。
部署としては最初ビジネス開発部に配属され半年在籍し、メルマガの広告販売を中心としたテレアポによる新規開拓営業を行いました。当時の上司は板倉さんでした。

その後セールスプロモーション部に移り主に代理店にバナー広告・テキスト広告を売っていました。上司は武藤さんで、以前インタビューに登場した下川さんも同じ部署でした。
担当代理店はネット専業としては急先鋒として拡大していたオプトなどで、下がることのない右肩上がりの売上に社長賞ももらったことがありました。ただそのネット専業代理店は勢いとは裏腹に、大手広告代理店の企画力や調整力には大きな壁も感じていました。

㈰候補1_ヤフー時代のチーム

事務局
ヤフーの在籍期間はいつ頃ですか?

  林さん
正確には2002年〜2005年です。入社当初の社員数はまだ400人前後だったと思います。

事務局
新卒でヤフーに入ろうと思ったきっかけは何でしたか?

林さん
広告業界を目指していましたが、就職活動では大手代理店の採用を獲得できませんでした。それならば、どんな業界でもよいので「ナンバーワン企業」に入ってみたいと思いました。就職活動のために購入したパソコンで毎日お世話になっていたYahoo!いつものように、ネットで情報を探そうとしていて、たまたま採用募集の情報が目に入り、興味を惹かれて、門をたたくことになりました。

事務局
ヤフーで学んだことはどんなことでしたか?

林さん
最初に配属されたのが、新規開拓の営業でした。テレアポから飛び込み営業まで行い、度胸をつけさせてもらったと思います。また、やさしい先輩ばかりでしたが、多種多様な会社からの転職してきた方ばかりだったので、先輩によって言うことが違う。笑 でも、それがかえって悪くなくて、たくさんの方々から様々な考え方や仕事のテクニックなどを教わることができました。
また、なんと言ってもたくさん飲みに連れて行ってもらい、焼酎のおいしさに目覚めさせてくれました。笑

事務局
辞めたから分かるヤフーの良さというものはありますか?

林さん
辞めて半年くらいは辞めたことを悔やんだのは数回ではありません。そのくらい会社の雰囲気も大好きでした。当時はベンチャー企業の素養もあったと思いますが、その緩さが逆に心地よかったなぁ、と辞めてからわかりました。そして更に今ではどんどん進化して、ダイバーシティを実現させる本当に良い会社になっていますよね。

㈰候補2_ヤフー退職時の写真

事務局
ネクストキャリアを選んだ決め手は何ですか?

林さん
父の末期がんが発覚し、地元に帰ることが多くなりました。生死を分ける手術を翌日に控えていましたが、自分がいてもいなくても結果は変わらないと、翌日の仕事を思い東京に戻る選択をしました。畑のど真ん中にある真っ暗闇の最終便の飛行機で飛び立ってから、羽田空港に着陸する際に広がる夜景を見下ろしながら、「この何百万の光で私を待っている人は一人もいないのではないか」という気持ちに襲われました。大切な家族を置いてまで、私を必要としている仕事なのかな、と。
ちょうどその時に、仕事で壁にぶつかっていたこともあり、「ヤフーという看板で仕事をするのではなく、自分でないとできない仕事」をしたいと猛烈に思い、翌日に上司に辞職を告げました。

㈪退職のきっかけとなったオフィスから見た夜景

それは、振り返ると衝動的な行動だった気もしますが、地元に帰る度に地元の街にシャッターが増えるのを見てさみしく思ったことや、叔父(当時、十勝毎日新聞の社長)が、東京に「十勝」をPRする目的の飲食店を出店したいと話していたことに共感していたことも、退職の後押しをしました。

事務局
現在のお仕事は具体的にどんな内容でしょうか?もし複数ありましたらどちらもお聞かせください。

林さん
コリドー街で十勝屋というお取り寄せレストランを経営しております。こちらは十勝毎日新聞社の新規事業として全て任されて2006年182件の入居希望者の中から勝ち抜いてお店をスタートしました。新聞社が「十勝はおいしい」を発信する目的で、運営していましたが、丸10年経った際に、独立して株式会社グリーンストーリープラスという会社を設立し、私がオーナーとなりました。現在コロナの影響は大きいですが、十勝にとどまらず北海道の地域の食材をPRする目的で、新しい形態を模索中です。

㈫十勝屋写真

そして十勝屋を運営する中でもっとおいしい食材を探したいという動機で始めたのが、「北海道食べる通信」という食べ物付きの季刊発行の情報誌です。こちらは2015年6月に創刊し、現在は約500名の契約購読者数を有しています。北海道の旬の食材を情報誌とともに購読者にお届けしています。
創刊のきっかけは、「東北食べる通信」を知ったことでした。震災をきっかけにスタートしたこのモデルは、食を支えている生産者にスポットライトを当て、その情熱や情報を正しく伝え、食の魅力を再発見してもらうもの。飲食店の多店舗化展開に限界を感じていた際に、「これだ!」と思ったところがありました。また、その際に「十勝食べる通信」ではなく、「北海道食べる通信」にしたのは①損益分岐点 のことと ②自らのワクワク感(まだまだ自分の知らない北海道とそこで作られる素晴らしい食材を知る機会が得られる)を得たいとの思いからでした。

㈬候補1_北海道食べる通信

印刷情報誌の値段は3,980円と高いですが、北海道の食材がセットになっているユニークな情報誌です。またここで紹介している生産者さんたちは今も新たに開拓しています。なお契約購読者約500名のうち、約半数以上は本州在住の方で、ウェブ媒体等を通じて情報誌の存在を知ったことが購読契約のきっかけになっています。サブスク型でありますがビジネスモデルとして、情報誌自体で儲けるというより、派生するビジネスを生むことに大きな可能性があると思っており、生産者にとってのマーケティング役という役割も果たしていると思います。

㈬候補3_北海道食べる通信

事務局
現在の仕事の面白いところや素晴らしいところを教えて下さい。

林さん
なんといっても、おいしいものが食べられることです。笑
いや、まじめな話、おいしいものには理由があるんです。ヤフー時代は、週5回以上飲み歩いていましたので、それこそトレンドのお店を多数食べ歩きもしました。「東京サイコー!」と疑っていませんでしたが、作られた料理ではなく、獲りたて、もぎたて、搾りたて、などの産地で食べるおいしさを知ってしまったら、最高のおいしさに気が付いてしまった。なので、それはもうなんといってもこの仕事のやりがいです。
素材のすばらしさを知り、その背景にはつくる人、獲る人の情熱や努力があり、それを一番初めに体感して、たくさんの人に伝えられる仕事は、最高に面白い仕事だと思っています。

㈭やりがい

事務局
ところで、十勝毎日新聞というのは、林さんの曽祖父が創業された新聞社だと伺っております。この十勝毎日新聞のことやそのグループ会社のことも少しお話しください。

林さん
勝毎(かちまい)の愛称で呼ばれる十勝毎日新聞は、曽祖父の林豊洲が大分から北海道に移り住み、1919年に創立しました。メディア部門では新聞社のほか、ケーブルテレビやFMラジオ、印刷会社などがあり、地域に広く情報を発信しています。また、観光部門では、十勝に来た方々をおもてなしすべく、十勝川温泉第一ホテルや、北海道ホテルなどを運営するほか、400ヘクタールの森林を有するガーデン施設十勝千年の森を運営しています。帯広市内では飲食店運営なども行い、十勝の乳製品などを使ったスイーツを製造、販売する「十勝トテッポ工房」は私も立ち上げにかかわりました。こうして、十勝毎日新聞社グループは創業以来、メディアと観光の両軸で十勝の発展とともに歩んできました。なので、十勝を発信する延長線上に「十勝屋」があったのです。

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事務局
お仕事を支えている北海道の食材に対するこだわりや信念といったものがありますでしょうか。

林さん
私たちが普段何気なく食べているものは、誰かが作っているものです。大手メーカーの大規模製造工場で作られていようとも、原材料をつくる生産者がいます。当たり前のことですが、便利になればなるほど、生産者の存在は遠いものになると思います。顔が見える食材とは言いますが、普段の食生活で、だれが作ったものかわかる食べ物はあるでしょうか?知っているからと言って偉いわけではありませんが、でも、知っているとその食べ物のおいしさは何倍にもなる、ということを私は知っています。なので「買い物は投票」だと、思っています。これは言い換えると「未来に残ってほしい食材に買い物を通じて票を投じること」です。「中国産は嫌だ」と言いながら、安価なものに飛びついていないでしょうか?国産の食材を購入することは、自分たちの未来の食材を選択していることと同じなのです。消費するだけの立場ではなく、買い物を通じて生産者を買い支え、ともに未来を創っていく。それが私たち生活者としての積極的な行為として大きな意味があると考えています。
「北海道食べる通信」を通じて、そんなちょっとした気づきを発信して、食の魅力を知る仲間を増やしていきたいと思っています。

㈬候補2_北海道食べる通信


事務局
今、特に力を入れていることは何ですか?(お仕事面でもプライベートでも)

林さん
「北海道食べる通信」の取材を通じて、持続可能な生産を行う牛肉の生産者に出会いました。そのお肉をどう流通させるべきか考えて、今までにない販売方法として、異業種との業務提携を通じた新たなサブスク企画を検討しています。今は事業開始に向けて進行中の段階で来年くらいのサービスリリースを予定しています。

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事務局
ご家族以外で尊敬している方がおられたら教えて下さい。

林さん
割と影響を受けやすいタイプなので、身近な友人から仕事仲間まで尊敬するところを持っている人がたくさんいます。ちょっと質問の答えとズレているかもしれませんが、私は常に年下のメンターを持つようにしています。この考えも尊敬する先輩から教えてもらったことなのですが、「最近の若い人たちは」と言う年寄りにはなりたくないので(笑)、今後のトレンドを作っていく可能性の高い情報を持っている年下の考え方には常に耳を傾けるようにしています。

事務局
ご趣味は何ですか?

林さん
レシピサイトを見たり、料理をつくることです。おいしい食材と出会うことが多いので、どんな風に食べるかを考えるのが好きです。

事務局
コロナで変わったことはありますか?

林さん
それこそ十勝屋は、大打撃を受けています。復活する未来があるのか、抜ける出口が見えない状況です。また、北海道出張を前のように気軽に行くことができなくなってしまいました。ただ、この状況は私だけに降りかかっていることではなく、全世界に起きていること。このコロナ禍を踏まえて、革新していかなければならないな、と思います。

事務局
イマヤフに伝えたいメッセージをお願いします。

林さん
私が入社した20年前からはものすごいスピードで進化して便利なサービスが身近にたくさんあります。でも、実は「こんなサービスをヤフーがやってくれたらいいのに」と思うことが未だによくあります。20年前に感じた「ヤフーが未来の最先端を知っている」という自信のようなワクワクするような、そんな感覚があったことをこのインタビューを通して改めて思い出しました。そのワクワクをイマヤフの皆さんが最大限に感じて、もっと便利な未来を作ってほしいと思います。

㈯総括

事務局
モトヤフに伝えたいメッセージをお願いします。

林さん
ぜひ、お声かけください!モトヤフの魅力を語り合いたいです。笑

事務局
本日はどうもありがとうございました。

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十勝屋
http://www.tokachiya.com/

北海道食べる通信
https://taberu.me/hokkaido/

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