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モトヤフ下川さんインタビュー

元ヤフーメンバー・インタビューシリーズ 第5回

5人目のモトヤフインタビューは、三菱UFJ銀行でデジタルサービス企画部に所属され、AIを活用した業務改善や顧客満足度向上を推進されている下川さんにインタビューさせていただきました。なお当初リモートインタビューの予定でしたが、お互いの居場所が非常に近く、タイミングよくコロナ対策万全のカフェで対面にてお話を伺うことができました。ぜひインタビュー記事ご覧ください。

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事務局:お名前を教えていただけますか。

下川さん:下川麻衣子(しもかわ まいこ)です。宜しくお願いいたします。

事務局:現在どちらにお住まいですか。

下川さん:横浜市に住んでおります。

事務局:大学をご卒業されてから現在までのプロフィールをご紹介ください。

下川さん:2003年、大学を卒業し、同年ヤフーに新卒入社し、広告本部に配属になりました。2007年に長女出産、2011年に次女出産と二度ほど育児休暇を取得させていただき、2013年4月に2度目の復職をしました。

2014年にはヤフーデータと顧客データを組み合わせたDMPの案件で、社内の「第一回営業事例コンテスト」でMVPを受賞しました。2017年には米国のBuzzFeedとヤフーのジョイントベンチャーであるBuzzFeed Japanの仕事に携わり、そして翌2018年5月に、現在の三菱UFJ銀行に入行しました。現在はデジタルサービス企画部で銀行のDXの中でもAIの分野の仕事をしています。

事務局:ヤフーには2003年4月から2018年4月まで在籍されていたんですね。

下川さん:はい、そして入社日は六本木ヒルズのオフィスの初日でした。

事務局:ヤフーに入ったきっかけは何だったのでしょうか?

下川さん:1998年に父が仕事のためにWindowsのパソコンを購入し、家に初めてのパソコンがきました。そのパソコンを通じて、「なんて便利なものが世の中に出てきたのだろう!」と思っていたところ、大学は期せずして、総合政策学部に入学し、更にパソコンに触れる機会が増え、「パソコンというものは、世の中をものすごく便利に出来るものなのではないか」と考えるようになりました。またその中でも、とりわけ「インターネットには非常に未来があるのではないか」と思ったことがこの業界に踏み入れたきっかけです。

直接的にはヤフオクのユーザーで、ヤフーをよく見ていました。その際に、トップページに出ていた「新卒採用バナー」を見て応募したのがきっかけです。エントリーシートに「インターネットの未来を信じている!」ということをぎっしり書いて応募したことを覚えています。

またヤフーから書類通過の電話があった際に「●●ジャパン」しか聞き取れず「損保ジャパン」からの電話かと思い、「念のためオフィスの場所をうかがえますか?」と聞いたところ、「パラシオタワー」といわれて検索したところヤフーだったという冗談のような本当の話もありました。最終面接は、井上さん、梶川さん、有馬さんでして、とても楽しい雰囲気ではあったものの、質問が鋭く厳しく、帰り道「ああ、これはダメだろうなぁ」と思って帰ったことも懐かしいです。

もともと総合職で働きたいと思っていたこともあり、ヤフーを選びましたが、伝統的な日本企業からも内定が出ていたので、母が泣いて反対しました。父が「本人の好きにすればよい」と後押ししてくれ、結果今に繋がっていますが、あの決断が無ければ今がないわけですから、自分の思いを信じて良かったと思っています。

事務局:では入社されてからのヤフーでのお仕事は具体的にはどんな内容でしたか?

下川さん:最初は広告本部の配属になり、代理店やメディアレップの営業担当になりました。インターネットの黎明期でしたので、「インターネット広告とは」という説明を良くしました。また、直接ヤフーに来る広告掲載の問い合わせを受ける担当もしていたので、良くあちらこちらに営業に行っていました。

4年ほど勤めたあと、1度目の育児休暇を取得し、今度は広告商品をマーケティングする部署に移りました。まだまだ今のような育児と仕事の両立が一般的ではない時代で、時短勤務を取得してみたものの、仕事も育児も中途半端な状態になってしまい一番苦しい時期でした。ここを何とか脱したいと色々もがいた経験は今に生きています。2度目の育児休暇取得中の時に、井上さんから宮坂さんに社長が変わり、復職してみたら、会社の雰囲気もだいぶ変わっていました。

併せてフレックス制や、仕事の持ち帰りなど、フレキシブルに働ける制度が整っており、私にとってはとても働きやすい環境になっていました。2013年4月に復帰したのですが、1度目の復職後の苦い思い出から「自分で出来る準備は整えたうえで、やるだけやってみよう」と、腹を括りました。実際には、今の住まいである、実家の近くに引っ越し、育児の協力を得られる環境を整え、同じ失敗をするまい、と、フルタイムで復帰しました。毎日18:30までには保育園にお迎えに行かねばならず、フレックスフル活用で、5時台に家を出て、始業の2時間前には出社、本部で1番に出社していたと思います。

今思うと、とにかく必死でしたが、人間やる気になればできるもので、毎日が限界ながらも何とかこなしながら1年があっという間に通り過ぎたのを覚えています。とはいえ、2014年3月の商談でふと、「未だに話す力が戻ってないなぁ」と感じたシーンを猛烈に覚えていて・・・(苦笑) 2度目の復職から今までは、比較的順調なのですが、2014年に賞をいただいたことは、過去苦しかった時代から、完全に自信を喪失していた自分にとって、大きなターニングポイントになったと思います。

2016年秋になって「データをフォーカスして営業する」といったミッションで、新しい部門が立ち上がり、ある程度手ごたえを感じていたところ、わずか半年でBuzzFeedの仕事に異動となり、呆気にとられながら内示を聞いて、その足で、若干放心しながら家に帰ったことを覚えています。そもそもタイミング的には既に夕方でしたが(笑 
ただこの仕事は指名されたうえでの任務と知って、必要とされることのありがたさや、過去の状況からよくぞここまで来たものだ、と感慨深かったというのもあります。

事務局:先ほどの全社MVPを取られたエピソードをもう少し詳しくお聞かせください。

下川さん: 当時私はANAの営業担当をしておりましたが、ANAはデータマーケティングにおいて先進的な取り組みをしている企業でした。ANAのデータとヤフーのデータとをかけ合わせ、適切な人にリーチをさせることで、広告効果と効率を上げる、という施策だったのですが、あの規模の大企業が、ヤフーにデータを預けてくれる、という点でも非常にスリリングな取り組みであったと思っています。
ちなみに、プレゼンはCAの制服を模した格好で臨み、それだけでも非常に恥ずかしかったです。当時お仕事をご一緒させていただいたANAの皆さんとは、現在でも良いお付き合いを継続させていただいており、これもご縁があってこその受賞だと思っております。

事務局:バズフィードジャパンでのご経験についてもお話しください。

下川さん:バズフィードジャパンは2015年にバズフィードとヤフーの合弁会社として設立されました。バズフィード日本版としてのサービス開始は2016年です。ニュースとエンターテイメント情報をオンラインメディアで提供するサービス会社で、コンテンツマーケティングを全面に出していました。ヤフーとは違った文化の面白い会社で貴重な経験ができました。とにかく、利益を生み出さなくてはいけないので、良く働きました(笑)いままでヤフーにしかいなかった私は、大きな利益を上げることが出来る大きな企業で働くことに慣れてしまっていた、と感じました。

事務局:先ほども触れておられましたが、改めて子育てもされながらお仕事をされてきたご苦労はありますか。

下川さん: 私自身は、母親が専業主婦で手をかけて育ててもらったこともあり、子供のことは自分自身でしっかりやりたいと思っていました。ただ、このポリシーが完全に自分の首を絞めてしまい、仕事も育児も中途半端で、そのぶつけどころのない気持ちをどうしていいかわからない、という負のスパイラルに突入してしまったと思います。

子供が小さいときは特に手がかかるので、やることも多く、また思い通りにいかないことだらけで、つらかったです。2人目の子供を産んで、1対2となり、物理的にあきらめがついて、ようやく気楽になれました。長女の可愛い時期が一番苦しい時期と重なってしまい、なんだか無我夢中で・・・可愛いところをもっと凝視しておけばよかった、と今でも写真を見るたびに思ってしまったりする自分もいます。

事務局:ヤフーで学んだことはどんなことでしたか?

下川さん:「課題解決」です。一時期、名刺に「課題解決エンジン」と記載がありましたが、その通りでした。「課題解決」は、ヤフーから得た、仕事において非常に重要な教訓でした。

事務局:三菱UFJ銀行での現在のお仕事は具体的にどんな内容でしょうか?

下川さん:銀行では、現在DXの推進を強化していますが、私はその中でもAIを使った分野、さらには自然言語処理といわれる分野に携わっています。

事務局:ネクストキャリアを選んだ決め手は何ですか?

下川さん:BuzzFeedJapanへの異動から半年が経過したころ、15年間、ヤフーでやってきて、ここでいったん一区切りをつけてもいいのではないか、と「ふと」思ったことですね。もともとキャリアを自発的にあまり考えておらず、それまでは会社から提示されたポジションでずっと仕事をしていました。長い在職期間で転職を考えたことも、活動をしたこともなかったのですが、そう思った気持ちを大事にしようと思い、最初に紹介された会社が三菱UFJ銀行でした。

事務局:現在の仕事の面白いところや素晴らしいところを教えて下さい。

下川さん:まず、素晴らしいところでいえば、一緒に働いている仲間が頭脳明晰で日々刺激を受けている点です。自分の出来なさ加減を呪いたくなる時が多々・・・(苦笑) 
また、テレビでも話題になりました重厚感のある会議室や伝統に裏打ちされたシャキッとさせられる空気感も大好きです。面白さ、という観点では、グローバルで展開する銀行ということで、仕事の領域が広いです。

そして一番は、銀行自体の経営環境は決して楽なものではありませんが、DXは全行一丸となって取り組むべき課題であり、そこに携わることで、より銀行という存在に深くかかわれることだと思います。仕事、文化、など、どれも、皆さんのご想像以上に銀行は楽しく面白い場所であると思っております。

事務局:今、下川さんが特に力を入れていることは何ですか?

下川さん:仕事ではDXやAIについての知見を増やしていくことです。プライベートでは子供達が成長し、手が離れてきた、というと聞こえは良いのですが、実際には、見向きもされなくなってきていますので、夫婦2人でどう楽しく過ごすかということでしょうか。コロナ禍ということもあり、夫婦で話す機会も増えました。
またもともとは汚部屋出身でしたが、仕事に育児にもがいているときに、今の自分の殻を打破しようと一念発起し、断捨離を行い、家の荷物の半分くらいを捨てました。実際、家がスッキリすると、思考もスッキリするような効果があり、それ以来、シンプルに生きることを心がけています。綺麗な空間でないと落ち着かなくなってしまい、良く片づけをしています。折角なので、と、「整理収納教育士」の資格も取得しました。(笑

事務局:ところでご趣味は何ですか?

下川さん:ゴルフは学生時代からやっており、最近子供の手が離れてきて、再びやり始めました。ゴルフ場までの往復の一人ドライブも、なかなか良い時間で楽しんでいます。スキーは年1~2回しかできませんが、これも小さい頃からやっています。ドラムは昨年のステイホーム中に見た動画がきかっけで始めました。現在のストレス発散法です。あと、漫画を読むのも大好きです。

事務局:今回の「コロナ」で変わったことはありますか?

下川さん:仕事の面では、通勤時間が削減され、体力的にだいぶ楽になりました。またコミュニケーションが簡素化されていく反面、遠慮なく伝えないと伝わらないといったケースも多く、対面だと遠慮しがちな意図もしっかり確認できるようになりました。
プライベートでは子供たちを「おかえりなさい」と家で出迎えることが出来るようになり、家族揃って夕食をとれるようになったことですね。外に出ることも、友人とも会うこともままならず、寂しい反面、夫婦、子供との会話が圧倒的に増えて、家族が仲良くなったように感じます。

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事務局:ライフワークは何でしょうか?

下川さん:今は子育てだと思いますが、、、一貫してずっと「人の役に立つ」仕事がしたいと思ってヤフーに就職し、その気持ちそのままに三菱UFJ銀行に入行しました。

事務局:これからチャレンジしたいことは何ですか?

下川さん:最終的な目標は、「元気に死ぬ!」としてまして(笑)、その日が来るまで、健康に有意義に生きていきたいと思っています。元々はだらしない性格ですので、健康で元気でいるためにも仕事という枷がないと、とは思っています。現在の日本の制度では、定年退職という制度があり、これに抗うこともできませんので、次なるステップは、自分で働く場所を、自分で作ることだと思っています。

事務局:イマヤフに伝えたいメッセージをお願いします。

下川さん:ヤフーは懐の深い会社で、多様性をこれでもか、というほど受け入れてくれる会社です。そんな場所はなかなか無いので、自分をさらけ出して、遠慮せず、どんどん突き進んでいって欲しいです!その経験は必ず唯一無二のものになると思います。

事務局:モトヤフに伝えたいメッセージをお願いします。

下川さん:「モトヤフ」というコミュニティは、ヤフーでしか得ることのできない素晴らしい経験を共有出来るコミュニティですので、これからもこのコミュニティを通じて、よりたくさんの色々な方とかかわっていくことが出来たらいいなぁ、と思っております。

事務局:本日は、インタビューにご対応ありがとうございました。

下川さん Facebookリンクはこちら
https://www.facebook.com/maiko.shimokawa.7

【事務局からお知らせ】

こちらのnoteでは「モトヤフ」メンバー向けの様々なイベント情報や各種記事などを今後掲載していく予定です。
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(申請に対する本人確認のため、ヤフー人事担当者が確認するための3つの質問にお答えいただきます。 回答を人事担当者が確認し、グループ参加の承認をしたら、入会完了となります)

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