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モトヤフ松山馨太さんインタビュー

モトヤフインタビューシリーズ第28回です。本日は、新卒でヤフー入社後、広告営業を皮切りにGYAOやZ Venture Capitalで活躍され、本年5月にNew commerce venturesを創業して独立された松山馨太さんにインタビューさせていただきました。
(トップ画像右が松山さん、左は共同代表の大久保さん)

-松山さん本日はよろしくお願いいたします。まずお名前をフルネームでお聞かせください。

松山馨太(まつやまけいた)です。
今年5月にZ Venture Capital時代の同僚の大久保氏とNew commerce venturesを共同創業し、8月25日にコマース領域特化のVCファンドを組成しました。小売・流通の課題を解決するスタートアップの支援、スタートアップと事業会社を繋ぐオープンイノベーション支援を行なっています。

-お生まれはどちらですか、またどちらにお住まいですか。

北海道登別市出身で現在は東京都品川区に住んでいます。

-これまでのプロフィールをご紹介ください。

大学卒業後、新卒でヤフー株式会社入社。広告営業(上司が那須さんで部門長が武藤さん)を経て、その後株式会社GYAOへ出向、ネットワーク推進室室長、広告開発部部長として、広告営業や商品企画、放送局との共同サイトの開発等に従事しました。GYAO時代には副業で地域課題の解決を目的としてキュレーションメディアを起業していました。
実は新卒入社時には3年で起業すると宣言していたのですが、働き始めるとまだまだ学びたいことが増え、気がつくと14年も在籍していました。

副業の事業をどう伸ばすかを考える中で日本で初めて独立系VCを創業した長谷川博和氏の書籍を読む機会があり、この人と話してみたいと感じ、長谷川氏が教授を務める早稲田大学ビジネススクールに入学、長谷川氏のゼミでスタートアップやVCに関する研究を行いました。

VCやスタートアップの方々と話すうちにVCには事業立ち上げのノウハウが蓄積されていることを知り、自身の事業を成長するために一度VCを経験したいとの想いから、2018年からYJキャピタル(現Z Venture Capital)へ出向、アクセラレータープログラムCode Republicの共同代表としてシード期のスタートアップ支援に注力しました。

そして、2022年5月末に退社、小売・流通のDXを支援するNew Commerce Venturesを設立し代表を務めています。

-ヤフーの在籍期間はいつでしたか?

2008年4月〜2022年5月でした。

-ヤフーに入ったきっかけは何でしたか?

私は北海道の田舎町出身ですが、上京した際に都市と地域の情報格差・チャンスの差を知り、この課題を解決することはできないだろうかと漠然と考えていました。
ちょうど大学1年生の時にミクシィが流行し、同時にマイスペースやYouTubeというサービスも知りました。インターネットサービスは地理的な距離に関係なく、情報発信をして夢を実現できるツールと感じ、将来的には自分でこのようなサービスを開発して、前述の課題を解決したいと思うようになりました。
当時のインターネットサービスを調べてみると、多くのサービスが広告を収益源としており、まずはインターネット×広告の知見を蓄積したいと考え、ヤフーへ入社しました。

-ヤフーでのお仕事はどんな内容でしたか?

広告本部では広告代理店担当として広告営業を行っていました。その後、GYAO!の買収に伴い出向、広告代理店担当・広告主担当の広告営業や放送局との共同サイトの開発、広告プロダクトの企画、営業戦略の立案などを行なっていました。その後、YJキャピタルへ出向し、VC業務を行なっていました。

-ヤフーでお仕事されていて楽しかった部分はどのような点でしょうか。また逆に苦労されたことは何でしたでしょうか。

楽しかった点は、自由に挑戦できる風土です。失敗もたくさんしてきましたが、こんな仕組み・制度・商品があったら良いのではないか?という提案を受け入れてくれるフラットな環境だったと感じています。特にGYAO時代の上司だった半田さんは、自部門の業績に直結しなくても会社全体の視点でプラスになる提案はサポートや応援をしてくれる方で自由に働かせてもらいました。
一方で苦労した点としては、組織が大きくなるに連れて各機能が分業化され、自部門の目標しか見ない人や責任を負いたくない人が増えたことにより、スピードが落ちてしまったことだったと感じています。会社全体の将来を考えた時にプラスだったとしても短期的な目標や昔からのルールに縛られて動かない、一時期のヤフーはそんな印象でした。

-ヤフーで学んだことはどんなことでしたか?

私は新卒でヤフーに入社したので、社会人としてのマナーや社内外の交渉等社会人としてのあり方ほぼすべてヤフーに教えていただきました。特にGYAOでは、買収のタイミングで出向したため、ヤフーとは異なるカルチャーで営業の基礎を学ばせていただいたり、前述の挑戦を応援してくれる環境でたくさんの貴重な経験をさせていただきました。

また、ヤフーで学んだ大きなこととしては、ピープルマネジメントに対するスタンス、自分を振り返り改善する内省の重要性です。としての自分の欠点への気づき、改善する機会を得たことでしょうか。

若い年齢でチームマネジメントの機会をいただき、そこでの失敗をヤフーアカデミアや美瑛での地域課題解決研修などで見つめ直す機会をいただきました。この実践と理論を学ぶ機会、強制的に内省とフィードバックを得られる機会があったことで、ピープルマネジメントにおける自分のスタンスや内省〜改善の習慣化ができたと感じます。

-ネクストキャリアを選んだ決め手は何ですか?

Z VentureCapitalに出向したタイミングで3年で起業しようと考えていましたが、当初はVCとしての独立ではなく、小売事業者を支援するサービスでの起業を予定していました。
その事業アイディアを同僚だった大久保と話す中で、お互いの実現したい世界観は同じだねという話が増え、小売・流通業会を支援するプラットフォーマー(VCは一機能)というアイディアに辿り着きました。

大久保は私より若く後輩にあたりますが、私にはない視点やロジカルさなど尊敬と信頼ができる人物なので、そんな仲間に出会えたということが今独立を決めた理由になります。

-現在のお仕事は具体的にどんな内容でしょうか?

小売・流通をDX・SXするスタートアップに対する出資を通じた支援、スタートアップと事業会社のマッチングによる事業会社に対するオープンイノベーション支援を行なっています。スタートアップに対しては出資と事業会社とのマッチングにより成長支援を行い、事業会社に対しては各社のニーズに適したスタートアップを紹介するコミュニティ活動を通じて既存事業のDXやSX、新規事業の開発を支援していきます。

小売・流通は人々の暮らしを支えるインフラであり、生活に欠かせない存在です。しかし、少子高齢化に伴う過疎化や人手不足により、地域によっては現在の生活を継続することさえ難しくなってきています。

New Commerce Venturesは、そんな小売・流通を取り巻く課題を解決するスタートアップを支援、全国各地の小売事業者に届けるプラットフォームとなり、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。

-現在の仕事の面白いところや素晴らしいところを教えて下さい。また特に力を入れていることは何ですか?

「次世代を創るスタートアップの創業初期から仲間として事業を作っていける点」そして、「そのスタートアップを通じて社会をアップデートできる点」だと思います。社会が抱える課題を優秀な起業家と共に解決することができる、しかも1事業ではなく複数の事業に携わりながら実現できる非常に恵まれた職業だと感じています。

力を入れていることは、そのようなスタートアップの成長にしっかりと貢献できるよう支援体制を構築することです。特に我々は小売・流通領域に特化しているため、特化ならではの強みとして領域の専門家・事業会社とのネットワーキングが容易にできるコミュニティ形成に注力しています。

-ご家族以外で尊敬している方がおられたら教えて下さい。

尊敬している方はたくさんいますが、ヤフーでは自分が大きく変わる機会を本間さんにいただきました。
前述のヤフーアカデミアと美瑛での地域課題解決研修で多くのフィードバックや気づきの機会をいただきました。当時の自分は、業務上の結果しか見ておらず、チームメンバーに対しても相手を配慮することなく詰めるタイプの人間でした。「なぜこうしないのか?」というように自分視点の利己的なコミュニケーションとなっていました。

当時はそれが最もパフォーマンスを出せると勘違いをしていましたが、本間さんから『お前のやり方は間違っている。「みんながダメだ、優秀なチームと働きたい」でなく、俺はお前にそんなチームを創ってほしいな。』というフィードバックをいただく機会がありました(超省略していますが)。当時の私には目から鱗で今まで自分のことしか考えていなかったんだなと恥ずかしくなりました。この経験は自分の転換点として今も本当に感謝しています。

-ご趣味は何ですか?

今は海釣りですね。三浦半島などに行って磯釣りを一人ですることもあって癒やされています(笑
そう言えば新卒2〜3年目くらいのときには、仲間と自転車で東京〜大阪間や四国一周をしたこともありました。また那須さんにはサーフィンに連れて行ってもらったこともありました。

-コロナで変わったことはありますか?

リモートワーク中心となり、業務だけでなく趣味も楽しむようになりました。

-ライフワークは何でしょうか?

"地方創生”です。私が地方出身ということもあり、地域に新たなテクノロジーやビジネスモデルを導入することによる地域経済の活性化や地域の起業・スタートアップ支援による地域経済の活性化に貢献していきたいと考えています。

-これからチャレンジしたいことは何ですか?

我々のファンドは国内初の小売・流通領域特化のVCファンドとなるため、まずは領域のスタートアップ・事業会社の成長に貢献できる存在として基盤を確立していきたいです。

特に領域の企業が集まるコミュニティ活動に注力、そして、コミュニティ内の企業を支援する仕組み(コワーキング、融資プログラム等)を整えていく予定です。

-イマヤフに伝えたいメッセージをお願いします。

たくさんの企業と連携し大きくなるヤフーはこれまで以上に社会のインフラとして可能性を秘めていると思います。働き方の自由度も先進的であり、このインフラを活用してPayPayのような次なるサービスをどんどん生み出すスーパー企業であってほしいと思います。

-モトヤフに伝えたいメッセージをお願いします。

繰り返しになりますが、現在小売・流通をDX・SXするスタートアップの支援、スタートアップの紹介を通じた事業会社のオープンイノベーション支援を推進するVCファンドを運営しています。

この領域で起業を検討されている方、資金調達を考えている方、そして、事業会社としてスタートアップとの連携・協業・情報収集をしている方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけください!


-松山さん、本日はインタビューご協力ありがとうございました!

(インタビュアー:那須岳志、川村英樹)

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