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誰のどんな課題を解決したいのか(Harada)

タイムリミットの2025年が刻一刻と迫ってきている。もう2021年も半分が終わろうとしている。
今年の3月、自分が嫌いになるほど内省して、お前は何のために存在するのかと問い詰めて、発狂しそうな思いの中でギリギリ出てきた答えが「人を元気にする、人を勇気づける」だった。
あれから3か月。変わったこと、変えたこと、変えられていないことは何なのだろう。

内省を通して、自分は自然に関心があることを強く認識した。独身だった頃の趣味は、週末に早朝から自転車に乗り、川沿いや海沿い、山の中を走り回ることだった。今思えばそうすることで都会での日々の暮らしで溜まった澱を発散していたのかなと思う。ただ、その趣味は結構な時間を費やすため、子どもが産まれる前に一旦休むことにし、今も休止中だ。生活のリズムを変えたことで定期的に自然の中に身を置く機会が減ったためか、コロナの影響で人と直接会う機会も減ったこともあって精神的に参ってしまった。

恐らく自分は自然の中に身を置くことを本能的に欲している。日の光や湿度を肌で感じ、季節や雨の匂いを感じ、空気の動きを耳で感じる。気を抜くと高層ビルの中か、空気の動かない家の中で一日中パソコンの画面を見て一日が終わってしまう。

こんな人生でいいのか。
今までもそんな生き方は嫌だと何回も思った。そう思う度に取った行動は、週末にどこかに行く、何かをすることだった。でもそれは所詮七分の二であり、いよいよ七分の五に意識を向けて変えにいかないとマズいなと思い始めた。魂がそう言っていて、この声を無視して健康に生きることは無理だなと直感が叫んでいる。

七分の五にメスを入れることにもう躊躇はない。期限もあと2年と決めた。2年後に今の状況を維持するか否か、端的に言うと会社に残るか別の道に進むかを判断することにした。そこに迷いはない。今まで十年近く同じところをぐるぐるしてきて、このままだとまた同じ十年を繰り返すことが明らかだから。

ここで課題がある。じゃあ私は何をしたいのか。自然に興味があることは理解して納得している。ではどういう方面で自然に関わるのか。一次産業なのか。ざっくり農林水産とあってどういう分野なのか。そこが自分でも分からない。分からないから試してみることにした。

この3か月で動いたこと
・森づくりのNPO活動に参加して、山に入って間伐作業をした
・小さいながらも農地を借りてみて作物を育ててみることにした
・「逆開発」をした千葉の小湊鉄道の養老渓谷駅に行ってみた
・都市と農村の二拠点生活をしている人の講演を聞いてみた
・三浦半島の農家を手伝うボランティアに参加する(予定)
・古民家を改築した古民家に宿泊し自然を体感する(予定)

思いつく範囲で手あたり次第に始めてみた。どれも興味深くてワクワクした。全部自分には向いていそうな気がした。
社内でも「自分は自然に関心がある、そういう分野の仕事があるなら携わってみたい」と発信し、妻には「2年後に判断するから色々知見を溜めたい」と言って承諾を得ている。

とやってみてはいるものの、何か違う気がする。こんなんでいいのか?自分は何も動いていないのではないか?という思いがずっとしている。
3か月前、属さんに「この2年間で10個失敗してみろ」という言葉を頂いた。果たして今やっていることは失敗という経験を得られるほどの行動なのか。結局挑戦していないのではないか。挑戦していないとしたらそれはなぜなのか。仮にその原因が情熱不足なんだとすれば、なぜ情熱を持てないのか。

そんなモヤモヤした思いを抱えている中、水地さんが本のレビューを書いていた。『9割の社会問題はビジネスで解決できる』という本だった。そもそも社会問題を生み出しているのが資本主義と結託した「ビジネス」という行為だという認識を私は持っているのだが、同じような考えを持っているであろう水地さんが絶賛しているのが意外だった。なので興味を持ち直ぐに買って読んでみた。

「誰のどんな課題を解決したいのか」
筆者が提起した問いが心に突き刺さった。

どこに住む誰が抱えているどんな問題をどう解決して、その結果どういう状態にしたいのか。
これが見えない限り動けないのだなということを理解した。

私はどうだ。単に「自然に関わりたい」と言っているだけではないか。それは単なるエゴで、自分が動かねばならないほどの内からの衝動にしては弱すぎる。だから動けないんだ。お前が感じる課題は何だ、解決したいと腹の底から想う問題は何だ。そこを深く問い、具体的にどこの地域の誰が困っている、どんな問題を解決したいのかを見つけ、解決したいと願わないことには何も始まらないんじゃないか。そもそもお前は現場に足を運んでいるのか。頭で考えるだけでは同じところをぐるぐる回るだけで、時間だけが過ぎていく。もっと動け、そしてもっと試して失敗しろ。

そういう想いを抱えながらも、日々の業務や家事に追われている自分に嫌気がさしてくる。突破口はどこだろう。手帳には山に行く定期的な予定、農家や地方に行く予定は既に書きこんでいる。動いてはいる。でもこんなので道が開けるのか、2年後に判断できるような状況になっているのか。とても不安定な今を生きている。しばらく後になってこの記事を見返して、この時は苦しかったな、と思えるようなステージに進んでいることを切に願う。

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