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【HOU】2021年アストロズ展望(後編)

皆様お疲れ様です。
前回に引き続き今期のアストロズ展望の後編、投手陣を見ていきましょう。ロスターの詳細は上に画像を再掲しておきますので、ご確認ください。

・ローテーション

Zack Greinke
Lance McCullers Jr.
Jose Urquidy
Cristian Javier
Jake Odorizzi

ローテーションはこの5人が中心になります。
昨年大きく成長を見せ、本来ローテ当確とされていたFramber ValdezがSTの試合中にピッチャー返しを利き手の薬指に当て、離脱を余儀なくされました。
手術も検討されていましたが、診断の結果保存療法で問題なさそうで一安心です。まだスケジュールは詳細わかりませんが、今期中に帰ってくるのではないでしょうか



開幕投手はGreinkeと発表されました。

現在37歳のベテラン投手ですが、投球の質はエースレベルです。
球速の衰えをカバーするだけの投球術を見せてくれますし、日本人のファンの琴線にも触れるスタイルかと思います。

McCullers Jr.は十分にローテを回す実力のある選手ですが、非常に怪我の多い選手であるため今年も離脱するでしょう。
彼の投げるカーブはMLBの中でも一級品で、生命線です。
デビュー当時はハイスピンのフォーシームとカーブのコンビネーションでしたが、近年はツーシーム主体の投球に一変しています。
まだ27歳と若いですが今期終了後にFAとなります。今季の成績次第では注目の一人になる可能性もあるでしょう。

Urquidyはコマンドとコントロールが非常いい投手で、投球に安定感があります。トミージョンのリハビリ期間に球速を伸ばしており、チェンジアップが一級品です。彼も耐久性に不安を抱えているので年間通した計算は難しいでしょう。

Javierはハイスピンの速球と変化球が特徴の若手で、マイナーでも常に好成績を残してきた選手です。球速がある程度のレベルまで上がりローテに食い込みました。アームアングルがやや低めであり、ローテがそろった場合ブルペンに回る候補として予想されています。


二番手として計算されていたValdezの怪我、トッププロスペクトであり今期中ついに昇格するであろうと思われていたForrest Whitleyがトミージョン手術が必要と診断されたことを受け、FA市場に残っていたOdorizziを獲得しました。

昨年はOdorizzi自身も怪我で離脱しており、未契約で残っていたのが幸いでした。契約内容も出来高を多く採用したもので、リスクを抑えて質の高い選手を獲得できました。
合流が遅れた影響でまだ調整が進んでおらず、開幕二週目からの登板と予想されており、開幕週は若手が機会を得ることとなります。

候補はLuis GarciaBrandon Bielakの二人になってくるでしょう。この二人でタンデムする可能性もあるかもしれません。問題がなければGarciaが登板していたと思いますが、彼もコロナ関連の隔離で調整が遅れているためBielakになる可能性の方が高いでしょうか。


アピール次第でPeter SolomonTyler Iveyにもチャンスがあるでしょう。この二人は今期中に出番がありそうな選手です。

・ブルペン

Ryan Pressly
Joe Smith
Pedro Baez
Enoli Paredes
Blake Taylor
Brooks Raley
Ryne Stanek
Brandon Bielak

クローザーは昨年に引き続きPresslyです。ハイスピンのボールを駆使するアストロズ好みの投手で、今年も問題なく役割を全うしてくれるでしょう。
来年もオプションがあり、ブルペンを支えてくれそうです。

セットアップの二人はBaezが7回を任されることが予想されています。FAでドジャースから獲得した選手で、実績十分です。
ST中にコロナ感染が判明、調整が遅れています。現在はチームに合流していますが、開幕に間に合うか微妙なところです。間に合わなかった場合ロングリリーフとして一人若手を入れるかもしれません。

8回はParedesを予想している媒体も多いですが、個人的にはSmithを予想しています。昨年はコロナの影響でシーズン参加を辞退、一年全休となりました。
ブルペンの中心として働いてきた変則の投手です。セットアップとして一昨年は起用されており、問題なく役割を果たせるでしょう。

Paredesは去年Smithがいない穴を埋め、セットアップとして活躍していました。彼をその役割で起用する可能性も十分あります。
速球が魅力的でSTでも球場のガンで99マイルをマークしており、今シーズン中に100マイルも出るでしょう。
まだMLB2年目の投手なので今後の成長が楽しみです。

Taylorも昨年デビューのリリーフ投手です。ブルペンは昨年複数の離脱者が出たことで再編が進みました。Taylorは昨年がやや出来すぎた感もあるため、真価が問われます。この枠は流動的になる可能性もありますね。

Raleyは個人的に昨年一番の掘り出し物の投手です。アジアでのプレー経験もあり、昨年念願のMLB復帰をレッズとの契約で掴みました。しかし開幕後振るわずにトレードされ、その才能を開花させました。
球速こそ遅いものの非常にスピンの掛かったボールを投げ、変化球も多彩です。昨年の投球内容も抜群だったので、今年大きく飛躍する可能性のある一人ではないでしょうか。

Stanekはレイズでリリーフとして柔軟に起用されていた投手です。
オープナーとしての経験も豊富で、アストロズもこれを多く採用する考えがあるのかもしれません。
マーリンズにトレードされて以降は球速の低下もあり成績を落としているため、それを取り戻せるのかが成績を左右するでしょう。

最後の一枠として前回の記事ではAndre Scrubbを予想していましたが、先日の投球で肩の違和感を訴えました。

そのため代替選手を入れる必要があります。
一つ目の選択肢は先述のBielakかGarciaをロングリリーフとして待機させることです。彼らは既にロスターにも入っているため、問題なく起用できます。評価の面からブルペン待機はBielakが選ばれる可能性が高いでしょうか。
BaezとOdorizziの調整次第で、Bryan Abreuも候補になるでしょう。
二つ目はSteve Cishekをロスター入りさせることです。経験豊富なリリーバーで、今年はスプリット契約でアストロズに招待されています。
仮にロスターに入れる場合誰かをDFAする必要がある事と、スプリット契約はロスターに入れると既定の年俸が発生するシステムであるため、資金面で苦しくなる点が懸念されます。
仮にロスターに入れた場合でも2.25MMと高額ではありませんが、現在アストロズは贅沢税のラインが迫っているため選択は慎重になるでしょう。

現在離脱中のAustin PruittJosh Jamesはスイングマンとして先発でも中継ぎでも使用が見込めるため、帰ってきた時のチーム状況によって柔軟に配置されるでしょう。Jamesは中継ぎ寄り、Pruittはやや先発の見込みが強い候補です。

■総括

今シーズンのアストロズの陣容は若手が豊富であると言えるでしょう。世界一の主力が抜け始め、ルーキーが続々と試されています。
その中でもア・リーグ西地区を優勝するチャンスのある形を保てているのではないでしょうか。
所属地区は現在ややレベルを落とし始めており、どのチームも不安を抱えています。マリナーズが今後上向きなので、その前にもう一度ポストシーズンで戦うというのが現実的な目標です。

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
今シーズンの開幕が待ち遠しいですね。

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