麻雀AI Suphxの選択 押し引き編 part1 〜親番の押し引き〜


今回からは押し引き編やっていこうと思います。
押し引きと言っても定義が難しいです。
私の認識では第一打から押し引きは始まっているようなもので、例えばアンパイを残しながらあがりに向かう、これも押し引きだと思うんですよね。
棒テン即リーを目指す、これも押し引きといえば押し引きです。

しかし、今回は一般的にわかりやすい場面についての、押し引きを見ていきましょう。

具体的には

・リーチに対する押し引き

・鳴きに対する押し引き

・リーチ判断

この3つです。

今回は親番の押し引きです。
私は常々親番ではそれなりに押して行こうという主張をしています。
上がる点数は1.5倍ですからね。振り込んでも子の時と失う点数は変わりません。
つもられたら子の2倍払うようになります。

親の時は子の時よりは押した方がいいのはもちろんなのですが、どれくらい押したらいいのでしょうか?
Suphxが親の時、他家のリーチに無筋をバシバシ切って上がりに向かうのを見ることができるのでしょうか?

Ⅰ リーチに対する押し引き


さてリーチに対する押し引きですが、まずわかりやすいのが自分が一向聴の時にどこまで押すかというところでしょう。

リーチが入った、自分の上がりが見えそう、しかしテンパっていない、押していいのかどうなのか。一向聴‥これがまさに麻雀の醍醐味と言えるのではないでしょうか。

それでは見ていきましょう。

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東2局トップ目で上家からリーチ

アンパイなくて8sや1sや7sはすでに押しています。

11巡目現物の6sや中筋の4sなど切れそうなところなので迷いますが、

打2m

通っていない筋も多いので押していきます。 続く

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次巡また無筋を引いてきて

打8m

ツモは後6回というところですが、降り切れるかも微妙なところで難しいですね。

これくらいは押していくんだなという感じですね。


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東1局上家からリーチ

一向聴で引いてきたのが、ションパイの白

一発目なのでちょっと迷いますが、

打白

21mや中切りの選択もありますが、素直に押していきます。 続く

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絶好の3mを引き入れて当然リーチ

現バリですがこれは曲げたいですね。


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南1局3着目 下家からリーチ

Suphxは打6mで押していきます。

一発目ですが当然ですね。

鳴いても打点あるので多少形悪くても押しやすいでしょうか。

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東2局 上家からリーチ

13巡目ですが打1p

通っていない牌が多く、ないても5800の聴牌取れるのは大きそうですね。

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東3局 対面からリーチ

リャンカンリャンカンから4p切ってカン7p固定したところ、裏目の赤5pツモ

一発目で迷うところですね。フリテン気にせず打8pで押していくかと思ったら、

打2s

フリテン残っていて一発目というところもあり現物切っていきます。

一発目でなければ8p切りそうに見えますが。 続く

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5mつもってこれも迷いますが、

打8p

5mよりは8pの方がましということでしょう。 続く

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前巡5pも押していて、下家から2軒目のリーチ

上家から7pが切られ、

チーして打5m

降りる牌もないですからね。この局カン5sで上がり切ります。


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東2局上家からリーチ

ホンイツ目指してたところで微妙な聴牌が入る。

1pつもって打6s

聴牌外してホンイツ向かいつつ受ける感じですね。 続く

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下家からもリーチ

この9pをポンして4m切り

12000聴牌は大きいですよね。

4mは上家には中筋で、下家には通っていないところですが、押していきます。


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南1局 対面からリーチ

アンパイはないですが、

打8s

9s3枚切れていて25sは4枚持ちなので8s切りが良さそうですね。 続く

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2pつもってゼンツするのではなく、通りそうな6m切り

一向聴を維持しつつ、回し打ちという感じでしょうか。

順目的にも6m切りがバランス良さそうですね。

このように通りそうな牌を切りつつ、回して上がりに向かうのが多く見られました。


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東3局ラス目 対面からリーチ

一向聴になってこの手牌から

打9p

面白い1打ですね。9pは通っていません。

通っていない牌を切ってリャンシャンテンに戻します。

ソウズが伸びたら強い形ですね。 続く

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8mつもって、中筋になった4s切って再び一向聴 続く

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7mツモってこれも難しいが、

打2p

9mが4枚見え4m2枚見えでマンズ難しいですね。

通っている2p切ってどうなるかなという感じですね。

順目的にこれ以上押すのは厳しそうですね。


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東1局上家時からリーチ

北くらい切るかと思いきや、打4s

現状愚形愚形のシャンテンでそこまで押す価値はないということなのでしょうか。 続く

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ドラをつもってきてこれは流石に北切り。 続く

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通りそうな42sを切って回っていきます。

いらない5pをつもって

打3p

順目的にも5pは押さず、ただイーシャンテンは維持しつつ、いいツモがきたら押していく構えですね。いいバランスです。


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東1局対面からリーチ

白のみのシャンテンで、

打2p

アンパイがないので2pは押さざるを得ません。 続く

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白はカンせずツモ切り。続く

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4pつもってまだ降り切れないので押していくかと思いきや、

5p切っており

自身の手が安いですからね。ここから気合降りです。

この辺のバランス難しいですよね。

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東1局 43000点のトップ目

下家からリーチが入って一発目

2pくらい切るかと思ったが、現物の打3p

結構なトップ目で自身の手もあまり高くないので、ここはほぼおりでしょうか。

一発目でなければ2p切るかもと思います。


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東2局 対面からリーチ

これは3p切っており

こんな形からはいけないですよね。


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東1局対面からリーチ

これは1s切らず、打9m

当然ですね


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東4局 対面からリーチ

打2m

ここからは押せないですね。ここからベタおりしています。


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東3局 上家からリーチ

イーシャンテンで、完全アンパイはないが

打2p

1pが3枚見えてますね。結構安全です。

形が悪いので押しづらいですね。


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東4局対面からリーチで

完全アンパイはないですが、9m切り

アンパイがないから押すと言ったわけではないです。

通りそうな牌の安全度と自分の手がどれくらいあがれるかのバランスですね。

自分の手が悪い時は、アンパイなくても頑張って降りる場面が見られますね。

いい手のときはゼンツするときもありますし、通りそうな牌を切っていって回っていくこともあります。

難しい場面でも精度が高い印象を受けますね。


次は一向聴よりも少し遠い手を見てみましょう。

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東2局対面からリーチ

ダブ東ドラドラの手です。東が出て

ポンしておしていきます。

結構遠いですね。ただ現状余っていて切りづらいのは赤5mだけで、くっつけば32sと落としていけます。 続く

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2mもツモ切って放銃

ここから32sで降りるのは微妙ですね。素直に刺さります。


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南2局 上家からリーチ

赤赤で上がりにいきたいですが

打赤5p

これは切らないといけない牌も多く、点数状況的にもいきづらいですね。


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東2局 下家からリーチ

鳴きが入ってわかりづらいですが、一発目に8p切っています。

ここでも打8p

粘らずにベタオリします。


リーチが入って2シャンテン以上は、相当良かったり切っていく牌が比較的安全な場合以外は降りています。

要するにほぼおりですね。


次はテンパイ時の押し引きをみてみましょう。

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東2局 終盤上家からリーチ

ドラ1愚形でテンパイだが、これは

9p切りリーチ 

9pが比較的切りやすいです。

ドラがなかったり、切る牌が危険牌の時の判断が知りたいですね。


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東1局 対面からリーチ

愚形ドラ1テンパイだが。

2m切りリーチ 

ドラなかったら押さなそうですね。

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南1局 対面からリーチ

ドラ単で5800のテンパイ

ちょっと気持ち悪い捨て牌のリーチだが

ツモ切りで押し 続く

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3pツモだが

これもツモ切り 続く

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そして7pツモ

ここで7m切って降り 

この辺の判断難しいですよね。


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東4局 トップ目でラス目の下家からリーチ

一発目で刺さりたくないところだが、

ツモ切り 

中筋の6p切っても後が続かないですね。これくらいは押したいです。


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東3局 下家からリーチ 対面がドラポン

ペン7sで7700テンパイは悪くなさそうにみえますね。危険牌の4pツモでどうするかですが、

9s切り

よさそうではあるのですがこの4pは切りきれません。

トップ目ですし降りるのが無難な選択ですね。

リーチに対して無謀ともいえるほど押していくのは見れませんでした。
早いリーチにバシバシ無筋切っていくのを見たかったんですがね‥残念です。
もっと牌譜を見れば早いリーチに押していくシーン見られると思うのですが、僕が見た限りでは押しすぎなのはありませんでしたね。
アンパイない時は多少無筋押していく時もありますけどね。それはまあ普通です。

特上卓だと脇が甘くて振り込んでしまうシーンが多いと感じました。
この辺も押し引きに関わっているかもしれません。
アンパイ少なくても1、2巡凌ぐうちになんとかなったりする展開も多く、降りてれば無難なのかなと思いました。
これは私の主観なのでわかりませんが、やはり高レベルの卓での押し引きが気になりますね。
もちろん大きく変わることはないと思いますが、微妙な違いが見られるかもしれません。


Ⅱ 鳴きに対する押し引き


次は鳴きに対する押し引きを見ていきましょう。
鳴きは今まで見てきたリーチと何が違うでしょうか?
一番の違いは、リーチは確実にテンパイしていますが、鳴きはテンパイしているかどうかわからないということです。
他にはリーチは裏ドラという不確定な要素がありますが、鳴きに裏ドラはありません。
リーチに比べ、点数を予測しやすいという特徴があります。
今回は主になるべくわかりやすい、テンパイに近そうもしくはホンイツの鳴きに対する押し引きを見ていきます。

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東1局 43000点のトップ目 ダンラスの対面がマンズで仕掛けています。

ションパイの中を持ってきて、

これは中切り

これくらいでの手ではまだおりません。 続く

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中をポンされました。そして3mツモ

これは7p切りですよね。 続く

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そして単騎テンパイからマンズの3面待ちでリーチ

当たり前のように見えますが、このような回しながら上がりに向かうのがうまいです。


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南1局トップ目 上家が2副露 8sチー打3m

これは8p切り

ドラの2mは切れないですからね。

アンパイ切りながら上がりに向かいます。


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東4局トップ目 下家と上家が仕掛けています。

まだどっちも大丈夫かというな感じですね。

7m切ります。 続く

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7pツモで中切り

受け入れ枚数が増えるのと切りづらいので7pは残します。

地味で当たり前に見えますが、取り上げました。


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東2局 大トップ目で対面がマンズっぽい仕掛けをしています

ドラも見えてなくて嫌な5mツモですが

5mツモ切り

これくらいは押します。中はやめそうですね。


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東3局ラス目 対面がドラポンしてます。

これは8p切りリーチ 

リーのみですが、押していきます。まあしょうがないという感じでしょう。


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南1局 上家が3副露 微妙なシャンテンから4sツモ

これは6p切り 

トイトイに刺さらなければ安そうです。4sはトイトイ否定できないですね。

私は4sくらい切ってしまいそうですが、降り気味な選択ですね。 


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東3局 ラス目の上家が発をポンして派手目な捨て牌しています。

白をツモって9p切り

ドラも見えてなくて嫌な感じですよね。中筋の6pも切りません。

周りが見えているなという印象を受けます。そして慎重な選択をしていますね。

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下家が仕掛けていてこれは降りですよね。

今通った3p切り

こういう当たり前に降りるところを当たり前にやってきます。


押すところは普通に押しますし、慎重な打牌も見られました。

親なので子よりは押しよりに傾くのですが、そこまでの押しは見れなかったですね。

今回は比較的テンパイ近そうな鳴きに対してみてきましたが、“テンパイしてなさそうだけどテンパイしていてもおかしくない相手“に対する手組みがとても上手いです。

このへんはいずれSuphxの手組み編をやれたらいいかなと思っています。

それでは最後にリーチ判断をみていきましょう。

これはおまけみたいなものです。


Ⅲ リーチ判断


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これは8m切りダマ

安めでも9600で四暗刻への手変りもあります。


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12000テンパイ

待ちはいいですがダマ

点数状況もありますが、待ちがよくても高打点は比較的黙りそうですね。


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7700テンパイ

これもダマ

普通ですね。


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印象的だったのがこれ

東1局 当然リーチかと思いきや

ダマを選択

安め5800でリーチしたいですが、黙ればほぼあがれるというところなんでしょうか。

これを見ると結構ダマよりな選択をしていますね。


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こういう手よくありますよね。

即リー?とらず?とりだま?

Suphxはとらず7s切り

巡目の兼ね合いもあると思います。 続く

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親満(11600)テンパイ

これはダマります。

高打点はだまりますね。


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東4局ラス目

これも微妙なテンパイで迷いますね。よくあります。

Suphxは2p切りとらず。 続く

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最終形でリーチ

ここまでうまくいく場面は少ないですが、親でもあせらず、テンパイとらずの選択肢を頭に入れたいですね。


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単騎テンパイ

これは8s切りダマ 続く

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赤5m引いて当然のリーチ


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東1局 1sと9mのシャボでテンパイ

これは即リー

手変り少ないですしね。

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南3局 クソみたいなテンパイ

これは即リー

これは迷いますけどね。手変り待つのも見てきましたが、これは即リーするんだなという感じです。


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東3局 終盤に愚形テンパイ

これはリーチ

こういうのだまると、かえってぬるいですよね。


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ピンフのみも当然リーチします。

普通です。


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これも面白かったですが、

東1局 チートイのみテンパイ

仮テンかと思いきや

5p切りリーチ

8sの切れ具合とかもあるんですかね?リーチするなら赤の分5p単騎で曲げそうですが。

チートイのみはなんでもいいから適当リーチありということですね。


これでリーチ判断はおしまいです。

いろいろなバリエーションがありますね。

親は即リーが強いですよね。だからといって思考停止せず、即リーととらず、取りダマの選択肢を持ちたいですね。


これで今回の親番の押し引き編は終了です。

親番でも雑に押していくのはあまり良くないかなと思いました。今まで押しすぎだったかもと。

確か親番の期待値ってそんなに高くないんですよね。連チャンにそこまで大きな価値がないのはわかります。

自分の手に打点が見込めれば、早いリーチには押していきたいのですが、これはラス回避の天鳳では降りよりになるのかなと思います。

トップが優秀な麻雀だともう少し降りより押しよりに、またダマよりリーチよりになるのかなと思います。あくまで主観ですが。

次は子の押し引き編をやる予定です。結構時間がかかるのでいつになるかはわかりませんが。

それではまた。







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