課題図書「西部邁『保守思想のための39章』を読んでの議論」

前文

保守会では、毎月1冊課題図書を決め、それぞれが読んだことを話し合い、議論を深めております。
今月の課題図書は、西部邁『保守思想のための39章』でした。
以下は、それぞれが興味を持ったトピックについて、会員が議論した内容となっております。

誤っている点や誤解を招く表現もあると思います。あくまでも議論の中で出てきたことです。誹謗中傷を行うのではなく、そういった疑問をお持ちになった場合は、DM等にご連絡ください。会内で共有し、議論の種とさせていただきます。

議論

・愛国心を有することは保守であるための必要条件である。

とあるけれども、個人的には思想の種類を問わず愛国心は必須であると考えていますが、皆さんはどう思われますか?

・(応答)愛国心は保守・革新問わず必要であると思います。

・愛国心を持たない革新的思想はそれこそテロリズム等の実害を伴う事件を引き起こし得るものだと考えてます。

・(「愛国心は保守・革新問わず必要であると思います。」への応答)例えば欧州の政治関連のデモでは、基本的にデモの現場には国旗が立ち並びます。それは保守リベラルやその他の思想に関わらずです。「我こそが愛国者」と大衆にアピールしているわけです。

思想のいかんを問わず、「自分の所属する共同体(家族、学校、職場、故郷、国…)を良くしたい」という意志を根源に持たなければならない、と私は考えています

・(応答)国家に尽くす職業の方(事務系・現場系を問わず公務員)は当然愛国心・愛郷心か必要であると感じますが、孤独に現代社会を生きる個人が依って立つ場所という意味での国家、そして国家を思う心が民間企業に勤める方にも必要であると社会人を経験してみて思います。

・保守思想を担う人物が文芸方面に多いということが書かれていたと思うのですが、確かに文芸系の人は保守思想の人も往々にしてみられる一方で、科学者は保守系の人が少ないように思いました。この件についても、皆さんがどう思われるか伺いたいです。

・(応答)科学振興を行うのであれば、どうしても現状の予算組みでは間に合わないことが多く、実際に立命館では中国企業や地方政府と協力して、資金調達をしていることがあります。
中国資本の投入は、つまり研究力の向上をはかることができる。つまり、業界内での発言力も強くなり、結果として科学者たちが革新系の政治団体を推す風潮があるように思います。
それが理系分野ではかなり波及しているように思えます。
文系分野では、そもそも資本を投入するような研究が少ないので、そういった接触が少ないのではないでしょうか?
立命館自体は、文理問わず、かなり韓国人、中国人の教授を雇っているというのを体感として感じます。

・また、この点に関連する部分として、10章愛着の必然における「暗黙知」と「技術知」の比較は、慣れ親しんだものを好むという点で、理系的学者と文系的学者でその必要観点が変容するのではないかと思います。
新しさに迎合することが、進歩主義であり、愛着(慣れ親しんだもの)が破壊されることが、保守主義だと解いています。

科学の発展は、これまで行われてきた先行研究の批判から始まります。そういった点で、思考そのものにそれぞれ独特の観点が存在するのではないかと考えます。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?