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1曲目を作る方法【DTM初心者向け】


僕は音楽を作るのが好きだ。

これはまだ始めたての方にはピンと来ないかもしれない例えなのだが、作曲という行為はある意味日記を付けることと似ている。
例えば僕が初めて音楽を作った高校生の頃の曲を聞けば、その時はそういうのが好きだったんだね、などと分かるのだ。

それが数年を経て今。知識や経験がほんのり増えて、音楽の好みも大きく変わった。それが良いことなのかどうかは良く分からないが、その状態の自分を作曲という行為を通じて記録しているのだ。
普通に日記を書くよりも、もっと感覚的な所が記録される点がちょっと良い。


さて、DTMの世界に入りたての初心者の頃。僕の前には大きな壁があった。それは『1曲目』の壁である。

今回はその壁を頑張って突破しよう!ってお話。


❶『1曲目の壁』とは

この記事を読んでる人で、初心者じゃなくてもこんな経験は無いだろうか。

「この曲、作りかけなんだよね」と言って1コーラス程度の尺をTwitterなどのSNSに晒し、そのまま未完成で放置し続ける。そして気付けばまともにフルで完成させたことが無い。

完成しました!と胸をはって言えない状態。
コレが俗に言う『1曲目の壁』である。

この話は何も作曲に限った話ではなくその他の芸事に関しても同じ現象が起こる。
この話の心理というか理由を言うと僕も耳が痛いのだが、それを書かなければ始まらないので書く。

この1曲目の壁。作曲をやらない読書の方からすれば「恥ずかしいから」とか「実力に対してプライドが高すぎるから」とか思うだろう。
実はそうじゃないのだ。そんなカッケー理由ではないのだ。

シンプルに「まだやれる事が残ってる」から完成に至れないのである。

僕ら作曲初心者は、作曲こそ初心者だが皆大体音楽が好きだ。音楽が好きで、誰かの曲が好きで、僕もそんなのが作りたいから作曲をやる。これがスタートなのだ。
「音楽作りたいけど、今までひとつたりとも音楽聞いたことが無いです」って人は絶対居ないのだ。突然変異の天才だろそんなの。

何が言いたいかと言うと、「リスニング力(入力)」と「作曲力(出力)」が著しく噛み合ってない状態から作曲は始まる、ということだ。

毎日美味しい料理を食べてる育ちのいいお坊ちゃまが急に料理の道を志すのと同じなのだ。

音楽の善し悪しを測る力が、音楽を作る力を大きく超えている。そのせいで初心者は自分の曲を聞いた時に「なんか足りんな」とずっと感じてしまう。けれど作曲力が足りないせいで「足りんな」の部分を解決出来ない。

これが『1曲目の壁』の真相である。

❷1曲目の壁を破る方法

ではここまで読んだなら『1曲目の壁』の破り方は分かっただろう。
その方法はズバリ、諦めることだ。

かなり強い言葉を使ってしまったが、そうするしか無いのだ。

作曲力を上げるには沢山曲を作る必要がある。作曲力には当然、完成品を仕上げる能力も含まれるので未完成をいくら作ってもそれだけではダメだ。総合力は上がっていかない。

けれども耳はある程度鍛えられているせいで自分の曲が明らかに未完成なのは分かってしまう。けど前述の作曲力は足りてないから未完成を埋められない。

こんなの解決しようがないのだ。
そこでYouTubeの講座とかネットの記事を読んで「フムフム」とやっても、その内容が自分の曲にジャストで当てはまるってことはあんまり無いのだ。多少はあるけどね。

なので、どこかのタイミングで諦める。未完成に聞こえるかもしれないが、それは現状の力ではどうしようもない。諦めて皆に聞かせるんだ。

聴かせる時に「まぁまだラフなんだけど」とか言うのは本当にオススメしない。
これは批評や感想を貰った時に「ラフだから」というのを言い訳に使ってしまうからだ。「ここ、こうしたらもっと良くない?」みたいな意見を素直に聴けなくなってしまう。
は? まだ未完成だって言ってんだろ、と心の何処かで思ってしまう。とても良くない。

僕も経験があるし、僕自身かなり頑固ちゃんだから分かる。だからこそ、自ら言い訳ができる状況を断つのだ。
逃げ道があると逃げてしまうのが僕ら人間だ。ならばこそ道を無くそう。


そういう覚悟を決めて「完成!」と決めた曲ならば反省こそあれど後悔は薄いはずだ。少なくとも「未完成なんだけどサ…」とか言って結果何も作れてない自分は脱却したのだから、それに比べれば後悔なんて無いに等しいはずだ。

ちなみに、この「未完成に聞こえる」現象はかなり長いこと続く。僕だってそうだ。未だに自分の曲には「何かが足りない」と思いながら曲を作ってる。もしかすると一生そうなのかもしれない。

まぁでも僕は少なくとも1曲はこの世に産み落とした。それだけは誇りに思っている。
これを読んでいる作曲初心者で、まだ1曲目が出せてないのならば、どうだろう。

ここらでひとつ諦めて1曲目を世に放って、胸を張って「まだチグハグだけど、それでも作曲家だ」と名乗ってみては如何だろうか。

誰にどれだけバカにされようとも、経験のある僕は、それを本当にかっこいいと思う。

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