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【授業紹介】空間情報の重ね合わせ~地理情報システムを活用して新たな知見や発見を生み出そう~

立正大学データサイエンス学部 教授 白木洋平

今回は地理情報システムの操作方法や空間情報の活用方法について学ぶ授業『空間情報システム学実習』の紹介をしたいと思います。

■そもそも空間情報って何だろう?

「空間情報」。聞き慣れない言葉だと思いますが、簡単に言ってしまえば「位置の情報(経緯度や住所など)」と「位置に関連づけられた情報」を持つ情報のことを指します。たとえば「緯度XXX.XX、経度YYY.YY(位置の情報)にあるAバス停(紐づけられた情報)」といった情報が空間情報に当たります。もう少し詳しく知りたい人は参考文献[1]に記載されている国土地理院のウェブサイトをご覧ください。

■空間情報を解析することができる「地理情報システム」 とは

地理情報システム(英語ではGeographic Information System、頭文字を取ってGISとも呼ばれています)を利用すると、GISに表示された地図の上に様々な空間情報を重ね合わせていくことが出来ます。たとえば、白地図の上に「土地利用」や「建物」「道路」「鉄道」「河川」などの空間情報を重ね合わせてみたらどうなるでしょうか。上から見てみると現実世界のように見えてくるとは思いませんか?このように、色々な空間情報をGISに「読み込ませて」「重ね合わせて」「解析する(たとえば、A市にある田んぼの面積はどれくらいか、など)」ことで、もしかしたら今までにないような新たな発見をすることが出来るかもしれません。

GISを利用して解析をしている様子

■人工衛星から撮影された地球の画像も空間情報!?

宇宙空間を周回している人工衛星から撮影された画像、いわゆる衛星画像は、それ自体はただの画像ですが、撮影された画像が地球上のどの位置の画像かという「位置の情報」を追加してあげれば、それはたちまち空間情報になります。衛星画像からは様々な情報を得ることができます。たとえば、人間の目で見たような色合いの情報(デジカメなどで撮影したようなものをイメージしてみてください)を得ることもできますし、計算を行うことで地表面温度や植物の活性度などといった人間の目からは得られないような情報も得ることもできるのです(下図参照)。

地球観測衛星Landsat-9より作成した8月の立正大学付近の地表面温度分布図(左)と植生の活性度を示した分布図(NDVI)
※GISを用いて表示しています。
※元画像(Landsat-9)はUSGSによって運用されているEarthExplorerよりダウンロードをしています。 

■終わりに

空間情報を重ね合わせて様々な解析を行うことができるGISは、研究・教育機関だけではなく、行政機関や民間企業でも積極的に利用がなされています。空間情報システム実習では、GISの操作方法や衛星画像も含めた様々な空間情報の活用方法について学んで行きます。

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【参考文献】
[1]国土地理院、GISについて:https://www.gsi.go.jp/GIS/whatisgis.html

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