I feel like superman!

あらゆる物語はもうすべて書き尽くされてしまったんだって、誰かが言ってた。夢をテーマにした作品はこの世にいくつあるだろう、これもその一つかななんて妙に冷めた目で見ていた。計算された演出が掴めない夢を憧れの位置でピカピカに輝かせて、眼前のちっぽけな世界が酷く満ち足りている。1万5千人と大好きな7人がいる空間で、私は無性にぽつんと、寂しい。

こういう部活見たことあるなぁ、そんな上手くいかなかったよ、でもみんな最後は幸せそうに笑うの、最高の夏だったって。だから私はもう「最高の夏」になること最初から知っちゃってるから、作業みたいに時々声をかける。大体一緒だから、例年一緒のイベント起こるから。ここかなってところで部長にそれらしくアドバイスなんかしたりして、でもちょっと上の空よ、だって私はもう「最高の夏」になること知っちゃってるからね。あんまり話し込みすぎて青春に浸られても困るからね。予定調和の感動を何度も繰り返し味わって、これで何周目だっけ?なんて、全くどこかで見たことがある物語。私はLove-tuneのライブに少しだけそういう既視感があった。部活感っていうなら知ってるやつだったな。描いていた夢のステージにたどり着けなかった、あの子やあの子やあの子のことを思い出したよ。どんな結果だってこっちの感情お構いなしに「最高の夏」に仕立て上げる、あの子たちのことを思い出した。それくらい、誰かの青春の輝きみたいにきれいにすーっとまとまってた。supermanの伏線も見たことあったよ。どこでだろう?あらゆる物語はもう書き尽くされてしまったんだって、その、どこかでだろうね。

あー、そうか、掴めないんだ。夢を見ることは素敵だねって、そういうエンディングなんだ。って、思ってしまった。

私はLove-tuneの「えっ!?!?!ここ!?!!??!?!?ここ狙います!!?!?!?!?!」という何でもかんでも物議を醸しだしがちなパフォーマンスが好きで、それゆえ常に批判を抱えざるを得ない空中分解しそうな危うさを「みんなーーーーーー!!!!!!!!!大好きだよーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!」っていう120%ポジティブな思いで殴り飛ばすっていう奇跡みたいなバランスに惚れてるんですけど、今回あんまりすーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっとまとまっていたので、えっ!!?!????!?!??嘘でしょ!!?!??これ物議醸さないな!??!?!??!?!??!?!カンペキじゃん!?!?!?!?????!?!?って勝手にショックを受けてました(一息)本物のLove-tuneを見たの、初めてだったので。何か、Love-tuneと殴り合いでもする気で横アリに行ってた。どんな攻撃も受け止めてやんよ!!!!みたいな。キスマイ担だったからかな。すごいカンペキでびっくりした。殴り合うどころか最後にはアイドルとオタクが泣きながら肩組み合ってるみたいな感じ。えっ!!?!?!いいの!!?!?!??!和解していいの!?!?!??!?!まだ夢掴んでないじゃん!!!こういうのもうちょっと後じゃないの!!??!荒れ果てた荒野にオアシス出現しまくって、緑豊かな大地で人も動物もみんなみんな幸せに暮らしちゃってる。焼野原なくていいの?も、燃やさなくていいの!!?!?!?!?!キスマイ担だったからかな(キスマイ担に失礼)

良いエンディングを見てしまったのでこれからどうしよっかな、とまで思ってしまった。体力がないのでそそくさと新幹線に向かう。待合室できょろきょろしていた子どもに席を譲った。ちょっといいことしたな、これからはこういう平凡な幸せを糧に生きていくんだなって寂しく思う。もう体力使い果たしちゃって寝ようとしたけれど、新幹線に乗り込んでちらっとだけTwitterを見てみた。どうかな、みんなどう思ったのかな?そしたらそこでは、ファンの考察が白熱していた。

ん?あれ?

も、燃えてる??????????

えっ!?泣きながら、魂燃やしてる????????????????

特効バーン!!!みたいな物理的に燃やす!!!!!という発想しか思い浮かばないキスマイのオタクだったので、緑豊かな大地に立ちながら尚も己の闘志を燃やし、眼前の焼野原を再生させまくるみたいな展開、正直考えてもみなかった。私がどこかで見たことあると思ったsupermanの物語を隅々まで見つめて、みんなで世界に一つしかないキラキラの宝物にしていた。たくさんの解釈が物語をぐんぐんと大きく広げて、無機質な文字から鮮やかで美しい色がどんどん生まれていく。とても7色じゃ収まらない。俺たちとみんなでLove-tuneっていうのはこういうことかって、物語はまだまだ続いているんだって、流れていく文字をぼんやりと眺めてひどくホッとしていた。掴めない位置に置かれたあの夢をどうにかして手に入れようとみんなもがいている。必死になって魂が燃えているその中に、私もまだいたいなぁって、胸の奥にぽっと火がともる。横アリを照らした照明もペンライトも、真っ白なあかりだけがすっと差し込んでみんなで掌を挙げた光景も、何もかもが意味を持って輝き出した。でもきっと私たちにはちっぽけな世界だったよ。けれど全然、満ち足りてなんかなかったんだね。

そういえば、私は「最高の夏」の続きをあんまりよく知らない。ときどき耳に届くのは良い知らせと悲しすぎる知らせばかりで、だからどうなんだろう、実際どうなんだろう。そこそこの成績の子がそこそこの努力でそこそこの学校へ進学していく。私と話したことなんて都合よくバキバキに噛み砕いて忘れちゃって、あぁ青春を免罪符にこっちの時間を消費されてんなぁ、やっぱ時間は万能薬だから、それでいいんだろうけどなんて、随分と腐っていたけれど。

夢を叶えて、就職します。

って、そんな言葉を直接もらうと、やっぱりうれしい。

ジャニーズjr.祭りLove-tune単独公演から数日後、教え子から届いた1通の優しいメールを見て、この子はあの日描いていた夢のステージに立てなかったけれど、そうかそっかぁ、それでも夢はいつかちゃんと叶うんだなぁ。あの「最高の夏」は今でも色褪せることなく輝いたまま、しっかりと意味を持って彼女を後押ししてくれている。夢はもしかしたら、叶えられなかった人よりも叶えた人の方がずっとずっと多いのかもしれないね。

誰かの青春の輝きみたいだったLove-tuneの物語は、決して特別なスーパーマンのお話ではなかった。どっかで見たことあったよ、初めて本物のLove-tuneを見たのにね、変な既視感があった。そう、I feel like superman!忘れられない思い出に助けられて強くなる、スーパーマンじゃない人たちの物語。でもそれがファンの姿があってこそ一層輝くものだなんて、私の予定の中にはあり得なかった、全く特別で特別な、最高の夢物語。Love-tuneの進む道のりはまだまだ荒れ果てているけれど、きっとあちこち復興させまくってどんどん緑に溢れていくんだと思う。そこにいつもファンの姿を見られるって、ものすごく幸せで光栄なことなだなぁ。決してスーパーマンなんかじゃない私たちが、思い出を糧にみんなで夢を掴みに行くなんて、まるでRPGみたいにわくわくする物語だね。

Love-tuneは最強だけど、Love-tuneのファンも最強だなぁって!私は同担拒否でもないけどネットでの交流にめちゃくちゃ不慣れでらぶ担の友達いないのですが()今回はたくさんいる同担さんの熱意にすごく感銘を受けました。私たち!すごく素敵なグループのファンでいられてすごーーーく幸せですね!!!毎日好きが増していく、大好きなLove-tuneが今日も存在していることに感謝して、私も魂燃やして応援していく決意を新たにしました。今日もLove-tuneが大好きだったけど、明日はもっともっと大好きだよ。本当に、幸せだなぁ。

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