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金曜の夜


今週は、
一回も音楽を聞かなかった。
一回も本を開かなかった。
一本も映画を観なかった。
一枚も写真を撮らなかった。
でも、毎日8:30から働いた。

仕事としての仕事は好き。
でも、生きることの大半を占めるものとしての仕事は好きじゃない。

ライフワークとライスワークのバランスが黙って崩れていくことで、いつの間にか自分が欠けていく。

一万円のご飯。
気を張って、自分の足りないところばかり数えながら食べると本当に味がしなくて、お金という価値基準が自分から離れていく。何に何円払うことが妥当なのかがわからなくなっていく。

仕事で失敗しても落ち込まない自分がいる。
いざ失敗をしても、ただ淡々と次失敗しない仕組みを作れることを確信している自分がいる。
踏ん張る、なんて感覚もなく、でも踏ん張っているフリをした方がみんなが助けてくれることを知っている。淡々と、ただ淡々と、感情が湧かない中で電話の声だけが明るくなっていく。感情がなくなればなくなるほど、文章も電話も上手くなっていく。
感情がないと伝わらないと思ってたけど、感情がなくても伝わっていく。果たしてそこでは何が伝わっているのか、私はまだあまりわからない。

気づいたら7月が終わっていた。
大好きな季節が、昔の暦だともう終わってしまう。


「この世界にあなたはいなかったよ。」

そう言われても淡々と受け入れてしまいそうな。

そんな金曜の夜

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