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ロミオ&ジュリエット Wロミオ備忘録

東京公演も無事に終わりましたね!
毎回劇場に通うのが本当に楽しかった…🥹

私は小関ロミオ回しか取っておらず、岡宮くん以外はWキャストを制覇できたのですが
2人のお芝居が全然違うと聞いて、そりゃ両方見たいよねとなりまして。
今回ロミジュリ配信を両方買って、やっとWロミオをみることができましたー!🙌🏻

同じ役のはずなのに違う部分がかなり多くて驚いたし、それぞれが選択した表現を知ることができたのでどっちも購入して本当に良かった!
感じたことを忘れないようにメモしておきます✍🏻

※小関くんロミオ:こせロミ
 岡宮くんロミオ:くるロミ で表記しています
※小関くんのお芝居が大好きなので、どうしてもこせロミのウェイトが大きくなってしまうのはお許しください


いつか
登場時、こせロミの美しさに息を呑んだ…キラキラ度がカンストしてる。王子様そのもの。
くるロミは王子様というよりは好青年って感じかな。
こせロミが絵本の中から飛び出してきた王子様で浮世離れしている雰囲気がある一方、くるロミはちゃんとこの世に実在しそう。

こせロミは、自分には本当の恋ができるのかって憂いもある"いつか"で、くるロミはきっとこの後自分の理想の恋人に出会えるはずって期待をもっている"いつか"って感じがした。

それにしてもくるロミ、歌が上手いな〜!
低く響いて力強さもある。グラミュの歌い方って感じ。これが噂の"ハチミツボイス"か〜🍯
こせロミの歌声は温かくて、声に優しさがあって好き。感情を繊細にのせている歌声。
どちらも唯一無二で、この時点で2人のロミオ像がだいぶ違うことが分かる。

"まだ見ぬ恋人なんだ"
こせロミはふわふわしているので空想的な発言をしても『まぁロミオだしな』って納得しちゃうかも
くるロミは真面目な印象があるから、このセリフを聞くと恋人の理想が高いのかなぁって気持ちになった

"ヴェローナ中の女の子を振り倒した"
こせロミとくるロミじゃ意味が違うような気がする
こせロミはとりあえず付き合ってみるけど夢中になれないから振る
くるロミはそもそも付き合わない(遊びで付き合うって概念がなさそう)

2人とも周りから求められているけれど
くるロミはみんなを纏めて引っ張る力があって、それについてくる人が多いイメージ
(誰かが生徒会長っぽいって言ってたけどまさにそれ)
こせロミは天性の愛され気質で自然と周りに人が集まるタイプ。周りがほっとかない。

広場でマキュに見つかる前のくだり
こせロミは絶対ゲームしてる(操作ミスって悔しがってるw)
くるロミはネットサーフィンでもしてるのかな〜少なくともゲームではなさそう 笑

世界の王
こせロミは完全にハンサムライブです(断言)
日替わり・高音フェイクも、"ウェーイ!"とか"マーキューシオ!"とか声を出すのも、ずーっとニッコニコで歌って踊っているのもこせロミ(というか小関くんご本人)特有ですわ…
周りのダンサーさんたちの声出し回数も、こせロミ回の方が若干多めでわちゃわちゃしてたなぁ
これはたぶんロミオやベンが積極的に声を出してたからだと思うけれど、見ていてテンション上がった🤭

くるロミはハンサムライブじゃなかった…!(それはそう)
ちゃんとミュージカル版・世界の王だったし、フェイクはあるけど、歌詞以外のところではあんまり声出すことはなかったような…。安定感がすごい。フェイクも低め。

マブの女王
"僕はそういう遊びはしない"
こせロミは遊びのせいで両家の間に余計な火種を作るのが嫌。揉め事になりそうなことは避けたい。
くるロミの言い方には"そんなことをするなんて"っていう非難の感情すらある。遊び自体を忌み嫌ってる。
ロミオの前を通っていく女の子のあしらい方も、こせロミは笑顔で流すけど、くるロミはあまりいい顔をしてなかったなぁ

僕は怖い
くるロミは歌で魅せるタイプ。歌が超上手い(n回目)。こせロミに比べると動きは少なめ。間奏のダッシュが速くてワンチャン死から逃げられそう(?)だし、この段階ではまだ死が遠いように感じた

こせロミは歌はもちろんだけど、歌以外でのお芝居でも魅せるタイプ。死が常に身近にいて、気づいたら一緒に踊ってしまっている感じ。死と目線を合わせてないのにダンスがリンクしてるのがすごい
最初の合わせ鏡みたいな手の出し方とか(ここは配信では見切れてたのが残念)、横にスライドしながらフワッとジャンプするタイミングとか。栗山死と手を上げるタイミングや角度がぴったりな瞬間もある。
バレエもジャズダンスもやってきた小関くんの今までの積み重ねが全部活きてる。
世界の王がめちゃくちゃ楽しそうな分、ここでの"陰"の部分が映える。

あと、曲のキーはキャストによって変えてるんだね
音源で聴いていた育三郎さんや前回の翔真さんに比べると、こせロミもだいぶ低いなぁと思ったけど、くるロミはそれ以上に低かった!

バルコニー
登る前の葛藤はこせロミの方が強め。葛藤した挙句、自分の気持ちに正直になって行動してた。
くるロミも迷ってるけど、"まずは声かけてみよう"って決心する感じ。

"恋の翼に乗って〜♪"はくるロミだとシェイクスピア的な比喩に聴こえるのに、こせロミはガチで翼に乗ってる。最高。

あとこせロミはジュリエットに話しかけるように歌うよねぇ…"変わらない愛を 二人で育てよう"のところとか。歌詞がセリフに聴こえる。

"僕と結婚してくれ!"
くるロミはその真面目さ故にこのセリフもわりとガチトーンで、いきなり言われたらちょっとびっくりするかも 笑
でもまぁ結婚だからなぁ…ここでちゃんと襟を正すのは真面目なくるロミっぽいなって思った。
こせロミは大浮かれしてるからね、すんごい笑顔でいきなり結婚申し込むのもなんか分かるなって 笑

そしてバルコニーから降りるとき、バラを咥えて投げキッスするのはこせロミだけです!!(大優勝)
ナチュラルにバラ咥える人を私は人生で初めて見ました…
このお芝居、たぶんかなり人を選ぶと思う。下手するとベタベタのコメディになりかねないんだけど、こせロミは自然にできてしまうからすごいし、彼ならやるわっていう説得力がある。シンプルにこの仕草が似合うのがつよい。
最後にキスするときの右手をクイクイってしてジュリエットを呼ぶ仕草も最高。まじで罪深い。

一方で、ニコニコで手を振ってフェードアウトするくるロミはとってもかわいい🫶🏻
あんまり女の子慣れしてなさそうな感じもして、そこがピュアでまた良い…!!本当の初恋って感じがする。

ロレンス神父様を説得して結婚式をあげてもらおうと頼むシーン
こせロミは話をしていくうちにジュリエットと結婚するということがどれだけ難しいことかを再認識する感じ(大浮かれしてたところから真面目に話すところまでのグラデーションが鮮やか。自分の家が"モンタギュー"だって言う前の苦しそうな顔ね…)
くるロミは、最初からどれだけ無謀なことを言っているのかちゃんと理解した上で話している感じがした

それと
こせロミ『僕たちには時間がないです!』
くるロミ『僕たちには時間がないです!』
と言い方が微妙に違ってた
たった一文字の違いだけど、こせロミは少し畏まっている古典的な印象、くるロミはややラフで現代的な印象を受けるから日本語って面白い。

愛の為に
くるロミは歌、こせロミはお芝居の比重が大きめ
こせロミは神父様と話すように歌うなぁ…
最後に神父様の手を握って歌い終わるのもこせロミのみ。くるロミはちょっと距離がある。
"しんぷさまーーー‼️‼️😆"の言い方といい、神父様とロミオの距離が近いことで、"尻の青い甘ったれ坊主"だった頃からずっとお世話になってきたんだろうなぁってバックボーンまで見えるような気がした。きっとロミオにとって神父様は第二の親みたいな存在なんだろうな

綺麗は汚い 後の乳母評
くるロミ『見かけによらず逞しいわ〜!』
こせロミ『見かけ通り逞しいわ〜!』
キャストによって言い方を変えてるのが面白い
乳母の抱き止め方もくるロミはわりとソフトで、こせロミはどっしり腰入れて構えてる(安心感)

エメ
こせロミ、振り返ってジュリエットを見つけたときのキラッキラスマイルが最高。ジュリエットに向ける瞳にこの世の慈愛が全て詰まってる。あと女性のエスコートに慣れてる。
くるロミも振り返ったあとは笑顔だったけれど、結婚っていう儀式に少し緊張感があるというか、厳かな雰囲気があるのかなって思った

決闘
くるロミは言葉を用いて説得することで争いを止めようとしていて、こせロミは体を張って止めようとしてる(こせロミ回は吹っ飛ばされ具合がヤバい、全体的に熱量が高い)
これはあさひマキュの力が物理的に強いっていうのもあるのかも。

マーキューシオの死〜ティボルトを刺すシーン
こせロミ:落ちているナイフを拾ってマキュの顔を見てからティボルトに対する憎悪の感情が生まれて、ティボルトに煽られた瞬間に爆発→自分のしたことが信じられなくて怖くなってナイフを捨てて逃げる

くるロミ:ティボルトに煽られるまでは悲しみの感情が強かったのに、刃を向けられた瞬間に一気に殺意が湧いて刺す→刺したことに自分で驚く、口を押さえながら逃げる

代償
こせロミ:震える右手を左手で押さえつける
(抱き起こして"大丈夫だ"って声をかけ続けてくれる内海ベン大好き、ありがとう)
くるロミ:右手についた血を手や服で擦って拭おうとする
(ここでロミオをギュッと抱きしめるりょがベンがすごく良い)

憎しみ〜エメ
くるロミ:悲しみ成分が多い憎しみ。あんなに真面目で優等生だったロミオがすごいボロボロになってる…
ここにきて"死"に捕まってしまって、一気に破滅に向かって加速度が増していく感じ(上手く言えん)

こせロミ:自分がしてしまったことへの後悔、マキュを殺されたことへの憎悪、追放になってしまったことへの絶望…いろんな感情が混ざった憎しみ。栗山死とのダンスの親和性がえぐい。後ろのスクリーンに映る影すら美しい。
最後、前にドサッと倒れるところが超好き(これもこせロミ特有の動きだった)

神はまだお見捨てにはならない
曲中の"マントヴァ"の言い方
くるロミ:"マントヴァ?"
→そこに行けば何かあるのかな?って純粋な疑問を持っていそう
こせロミ:"マントヴァ⁉️"
→なんでそんなところに行かなきゃいけないんだ!って複雑な気持ちも抱えていそう(治安が悪いことを知っていたのかな)

ひばりの歌声
こせロミ、29歳の色気がダダ漏れである…
たぶん今までも恋愛ものにたくさん出てるからだと思うんだけど、対女性のお芝居が自然で綺麗。魅せ方を分かっているというか。

くるロミは乳母に声をかけられてジュリエットから離れる直前にギュッと抱きしめる仕草がすごく良いなって思った。今作設定の18歳らしい幼さも感じる。

部屋を出ていく間際、こせロミが悲しさを押し殺して微笑むところが切なくてさらに泣ける

彼女無しの人生
こせロミは冒頭にタバコの煙で咽せるお芝居あり(こういう細部のお芝居が大好きすぎる)。
確かにこのロミオはタバコ吸わなそうだもんな…

ロミオの嘆き
"天使の翼だ〜♪"の後の間奏、こせロミが毒薬を掴みながらゆっくり背中から倒れていくところ、あの体勢で維持できる筋力がヤバいし、これもこせロミ特有の動きだった(くるロミは座るような動き→後ろに倒れる)
どちらかというと死がやりそうな動きだなって思ったんだけど、それをロミオがやることで死と一体化してしまったように見えてとっても好きだった。

死と踊るこせロミ、服の裾の動きまで操ってるんか?ってくらい衣装捌きもお見事で惚れ惚れしちゃう。
ダンスの緩急をしっかりつけていて、バレエ的な要素も入れているから死との親和性が高い。
歌だけじゃなくて表情、目線、手足の動き…全部に神経が行き届いていて、これを演るのにどれだけの体力と精神力が必要なんだろうかって考えてしまう。相当凄いことをやってると思う。

くるロミは毒薬を手にすると決心したような表情になるんだけど、こせロミは恍惚とした表情を浮かべるんだよね…死を愛してしまった瞬間って感じがしてドキッとした。

ロミオの死
くるロミは悲しみの中で死んでいく。最後は諦めにも似た感情があるのかな…毒薬を飲む直前の笑顔があまりにも痛々しくて辛い。
こせロミは死に希望すら見出してる。とても穏やかな最期で、どこか嬉しそう。
あと薬瓶のフタの開け方・捨て方が個人的に好きなのと、最後の1滴まで飲み干す仕草が好き(これがあることでジュリエットの"1滴も残ってない"のセリフに説得力が増す)

飲んでいる毒もロミオごとで違っていて、
くるロミ:内臓を瞬時に破壊されて吐血
こせロミ:循環・呼吸器系が麻痺して心停止、窒息
って感じがした

くるロミの毒はかなりの即効性で、死ぬまでの時間が短い
くるロミは個人的に芯があって元気なロミオって感じがしていて、そのロミオの命を奪う毒薬は相当強いものじゃないとって思っていたから納得だった。死、毒薬チョイスのセンスが良い。(?)

こせロミは死ぬまでに悶え苦しむ時間が長くて、表情をしっかり見せてる。最後に"ジュリエット…"って言い残すときの表情が本当に優しくて嬉しそうな笑顔で…(嗚咽)
そして毒飲んだ後の反応(痙攣する感じとか喉が閉じていく感じ)がリアルすぎて、もしかして毒飲んだことあるのかなって毎回思ってしまう(あるわけがない)

最後のシーン、文献を読んだり見たりした段階では私はくるロミの解釈に近かった
ジュリエットがいない世界で生きていても仕方ない、この世に絶望して死を選んだんだろうなって。
だからこせロミが"これでジュリエットに会える"って幸せそうな顔をして亡くなるのが衝撃的で、新たな解釈を見せてもらったなって思った。この物語は悲劇だけど、ロミオの中ではハッピーエンドだったのかもしれない。どこかで"良かったな"って思えた自分がいて不思議だった。


全体を通しての印象
くるロミ:歌声がとっても綺麗。真面目で、みんなを引っ張っていく力がある。もしかしたら生存ルートもあり得たかも?って思うくらいギリギリまで死と別個体として存在してた。

こせロミ:歌声にお芝居ものせて魅せるタイプ。芸術点が高すぎる。ふわふわしてて掴みどころがない、他の人にはない雰囲気を持ってる。自由人。常に死との距離が近く、生への執着があまりない。


アーカイブ期間が短すぎて全然見足りないし、こせロミが好きすぎるあまり、くるロミの良さを取りこぼしてる感が否めないんですが、自分がWロミオを見て思った違いはこんな感じでした。
(できれば岡宮くんファンの方の好きなポイントを知りたいし、こせロミを見てどう思ったのかも知りたいな)
キャストによってここまで解釈が異なるってすごく面白くて、演劇って奥が深いなぁって思った。

両者の違いを知った上で観る、この先の愛知と大阪での公演もとっても楽しみです🌹

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