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舞台『ジャンヌ・ダルク』に向けて 〜関連書籍等〜

小関くんの舞台が決まりましたね!!!
とっても嬉しい!!!!!

舞台『ジャンヌ・ダルク』
小関くんはフランス王:シャルル7世を演じるとのこと

嬴政に引き続いて"王"です。
品があって顔も良いもんな…王にピッタリなのは分かる。もはやこのまま世界制覇してほしい。

…それはそうと。
お恥ずかしながら世界史は無知で(学生時代は日本史選択でした)、シャルル7世って方も知らなかったレベルの人間なので、これを機にしっかりと勉強してから舞台を観に行こうと思いました。

読んだ本や見た映画の一覧と、簡単なレビューを備忘録も兼ねて書いてみました。
歴史ものって、作品によってだいぶ人物の描き方が変わるので、できるだけいろんな作品に触れようというスタンスです。(こういうところで凝り性なオタクが出てしまう)

どの作品もとても興味深かった!

ジャンヌ・ダルクまたはロメ/佐藤賢一


舞台の公式HPで"参考文献"として記載されています。
短編集でジャンヌダルク、もしくは百年戦争に関連する作品は3つ収録。
→ジャンヌ・ダルクまたはロメ
 戦争契約書
 ルーアン

ジャンヌ関連の本ではこれを一番初めに読んだのですが、どれも面白くてジャンヌのことを知るには良い作品だと思いました。
表題作は前知識なしで読むと、純粋にビックリする。笑

だだ、独特な文体と、性的な(もっと端的に言えば少し下品な)表現もあるので、好みは分かれるだろうなぁ…というのが正直な感想。
(文学作品にはままあることなので、本を読み慣れている方ならそこまで気にならないかもしれませんが)

ジャンヌ関連以外の作品では、ダ・ヴィンチが出てくる短編がありますが、これがまた面白い。
『ヴォラーレ』がかなり好み。

ジャンヌ・ダルク/中島かずき


舞台の脚本を手掛ける中島かずきさんの戯曲本

ざっくりいうと舞台の台本です。
状況説明文が少し入る程度で、それ以外は全て登場人物のセリフのみ。
舞台をそのまま観ているかのような臨場感があって、とても楽しく拝読しました。

シャルル7世、相当難しい役だなというのがシンプルな感想です。
自分を助けてくれたジャンヌを、最終的には見殺しにしなくてはならなかったというあまりにも皮肉な運命。
"見殺し"というととても冷酷な人みたいですが、それにはちゃんと理由があって、苦悩や葛藤の末の結論だったこと。
『舞台キングダム』のときも熱心に歴史の勉強をしていた小関くんですから、きっとシャルル7世のバックボーンまで意識して演じてくれるんじゃないかなって思っています。

シャルルは気弱な感じに描かれている文献もあるのですが、この戯曲本では短気な一面もあるし、苦悩、絶望、困惑…本当にさまざまな面が描かれていました。

一体どんなシャルルを演じてくれるのか、期待がとっても高まりました。本当におすすめ。

一つ難点をあげるとすれば、この本は今ではなかなか手に入れにくくなっていることですかね…
在庫があまりないみたいなので、書店よりはネットの方がまだ買えるかも。


少女は、なぜフランスを救えたのか/池上俊一

こちらはジャンヌやその時代について、かなり細かいところまで書かれている本。
時系列に沿って書かれていて教科書っぽい。
かなり昔のことなのに、"何年の何月何日にこういう出来事があった"という記録がちゃんと残っているのがすごい。

物語ではなく、事実に基づいた筆者の考察が書かれている本なので、"楽しんで読む"というよりは"学ぶために読む"という感じ。

歴史学の先生から見たシャルルの人柄についても書かれていて、
『王は気が長く、慎重派で我慢強い人間』
『臆病とも言えるが、いろいろ計算していたのだろう』
『疑い深さ、移り気、嫉妬心がある』
とのこと。
シャルル7世、本当に文献によって描かれ方が全然違うなぁ……
それだけいろんな一面をもっていた方だったのかな。これ演じるのかなり難しそう……(n回目)

表題の通り、ジャンヌに関する"なぜ?"が解消される本なので、時代背景とかも込みで整理できて良かったです。

ちなみに、学問的にはジャンヌの"私生児説"は否定的なよう。これだから歴史は難しいし、面白い。

この一冊で百年戦争とジャンヌについてかなり詳しくなれたと思うけれど、これがテストのためじゃなく、舞台を観るための勉強ってところにオタクのこわさがあるよね。(たぶんここまでする必要はない)
百年戦争のところだけならけっこう良い点数取れそうな気がする。笑


フランスをつくった王/樋口淳

小関くん演じるシャルル7世にフォーカスをあてた書籍を見つけたので、思わずこちらも購入。

題名に惹かれて購入してみたものの、内容はかなり複雑で難しかった…笑
政略結婚が当たり前の時代で、親と子供の名前が同じだったりするので関係性を把握するのがとっても大変。そしてシンプルに登場人物が多い!!

シャルル7世とその周りの人たちについて書かれている本ですが、全部を理解するのは困難だったので、シャルル7世について詳しく書かれているところに注力して拝読。
"無気力でやる気がない"、"優柔不断で決断力に欠ける"という世間の評価とは裏腹に、現実のシャルルは冷静で果敢に行動する人で、大胆な側面もあったことがよく分かりました。

ジャンヌを見殺しにした薄情さを謗られることもあるけれど、王として現実と対峙しなければならなかったこともまた事実だったというのも納得。

ジャンヌのエピソードだけでは分からなかった、どこまでもリアリストで、人間らしい一面を知ることができたのは良かったです。
この人を小関くんが演じるのかぁ…
また新たな表情が見れそうでワクワクします。

ジャンヌ・ダルク

こちらはコミック
※全7巻と書いてありましたが、完結してないので要注意です
Kindleで読めます。

漫画なので非常に分かりやすいし、
ジャンヌが美人。
そしてシャルル7世の顔がかわいい。(重要)
漫画では臆病で気弱な感じに描かれています。
とにかくかわいい。
小関くんが演じるシャルル7世はどんな感じなんだろうなぁ…

1冊も40ページほどでかなり短いのでサクサク読めるのが◎
続編出るのかなぁ…出たらぜひ読みたい。

ジャンヌ/安彦良和

こちらもコミックです。Kindleで読めます。

表題は"ジャンヌ"ですが、主人公はジャンヌではありません。
ジャンヌの死後10年経ってから、主人公エミールが彼女の足跡を辿りながらジャンヌの生涯を垣間見るという少し変わった構成になっています。

ストーリー構成は非常に複雑で、ジャンヌの基本的な経歴(誰とどんな戦をしたか、誰が敵で誰が味方なのか)を知っていないと物語についていけなくなるかも…

この作品ではジャンヌ亡き後の英仏百年戦争の終結と、ジャンヌの復権までが描かれています。
漫画としてはとても面白かったけれど、ジャンヌのことを詳しく知るという目的においては不向きかも。
でもとても素晴らしい作品でした。
作者のあとがきにも胸を打たれました。

ちなみに作者は『機動戦士ガンダム』を描いた漫画家さんです。

ジャンヌ・ダルク

こちらは映画。U-NEXTで見れます。
主演はミラ・ジョヴォヴィッチ

映像はやはり情報が入ってきやすい。
でもグロテスクなシーンも多いので、苦手な方は注意(私も苦手なので、戦いのシーンは若干目を逸らしてた…)
現実はこれより遥かに酷かったのだと思うと、戦争は恐ろしい。火炙りの刑も残酷すぎる…

ストーリー展開は戯曲本に近いかなぁという印象。
ジャンヌが感情の起伏が激しい人のように描かれていたのは、自分のイメージとは少し異なる感じがしたけれど…

神とか、信仰とか、日本人にはあまり馴染みがない文化もあるのでそれを完全に理解するのは難しいかもしれないなぁ…と思ったり。

ジャンヌの物語を美化しすぎずに描いている作品だと感じました。

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いくつか作品に触れることで、ジャンヌとシャルル、百年戦争について少しだけ詳しくなれて、ますます舞台を観るのが楽しみになりました。

小関くんがどんなシャルル7世を演じてくれるのか、とってもワクワクします。

この作品が持つ大きなテーマは
「声」と「信じる」だと現時点では思っています。

未来に向かうにあたって
聞きたい・聞かなければいけない・聞きたくない・聞こえない「声」
何を信じたい・信じなければいけない・信じたくない・信じられない、事実。

たくさん考えさせられました。
自分ごととして台本を読みました。

皮肉連なる今作品、ぜひ劇場で受け取ってください。

オフィシャルブログより引用

難しい演目だと思うけれど、小関くんがたくさん考えて魅せてくれるであろうシャルル7世、しっかりと見届けたいです。

ジャンヌに関する文献はたくさんあるので、他にも面白いものがあったらぜひ教えてください!

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