どらちゃん

2007横浜の世界SF大会日記 6

9月2日。大会4日目。

この頃にはサイン会場のボランティアはすっかり面子が固まって、ハローワークを通さず直接来るようになっていました。チーフのIさんに、Tさん、IDさん、Vさん、それに私。初日に人が集まらなかったので、いろいろ工夫して宣伝することに。コピー紙を継ぎ合わせて大きな紙を作り、その日に予定されているサイン会を全部書いて貼り出す。同じくホワイトボードにこれから始まるサイン会のお知らせを書き、宣伝スタッフがそれを持って会場中歩き回る……これをやってくれたのが死神博士のコスプレのVさん。白燕尾服、白手袋に黒マント。
「きゃあ~v イカデビルになって~~♪」と言ったら「イカデビルはここにいる……」と返してくれました♪
正装のときに撮らせてもらう約束だったんですが、結局撮りそびれ。だって、サイン会控え室でいっしょに仕事しているときはマントを外しているので、白衣のウェイターにしか見えないんですよ……(^_^;) 

サイン会の仕事で大変だったのはスケジュールがはっきりしないこと。
来るはずの先生が来ない、捕まらない。予定に無かった先生が交渉の結果、急遽サイン会をやってもらえることになることもあり。そういうわけでプログラムに載っていないサイン会がいくつもあったのです。そういう場合、コピー紙にマジックで名前を書いて貼り出します。予定は未定、の場合もありどのタイミングで貼り出したらいいのか微妙。「○○先生が来ない~」「じゃ、これはバツ印!」とした直後、「○○先生、見つかりました!」「上からマル!」なんてことも。

この日はサイン会場の奥でサイン会予定とテーブルに貼る先生の名前書き。字が下手なんですけど~~とも言ってられず、書きました……ヘタでごめんなさい……(^_^;)
サイン会は連日盛況でした。このころからサイン会に来るお客さんの中に肩にドラゴンを止まらせている人が何人か。私とTさん、気になって気になって。「どこで買ったの~~!?」
と、訊ねた女性がなんとドラゴン製作者さんでした。一体ずつ手作りで、ディーラーズで売っていたけど既にソールドアウトとのこと。あああ~~もっと早くに気付いていれば~~~。

2時からリリアン・チェルニカさんのサイン会。昨日リリアンさんに訊かれた急須セットの件が残ってました。パシフィコのコンシェルジュに教わったクイーンズモールの中の和装小物店に電話したところ、瀬戸物は扱っていないとのこと。結局一番確実に見つけられそうなのは横浜の高島屋だろういう結論に。 Takashimaya Departmentstore,Yokohama station westside と紙に書いてリリアンさんに渡しました。リリアンさん、無事に急須セット見つけられたでしょうか……。

そのあと交代の通訳が来たので抜けて翻訳家のM先生と落ち合ってようやく展示棟へ。ネットの知人と初顔合わせ。大会中、何人かのネットの知人と待ち合わせするでもなく会いました。お互い顔も知らないのにです。来ていると判っていて会えなかったのはたぶん一人だけ。驚異的な率ではないかと。10年以上ご無沙汰していたO川先生とペデストリアンデッキでバッタリ遭遇したり、いろいろサプライズでした。
ディーラーズルームのドラゴンの所に行って見たけれど、やはり売り切れ。次に出店するのは2月のワンフェスだそうです。ワンフェス……人が多そうと思っただけで行く気が……(^_^;) 素敵な蛙グッズのFlog Flagも出店するから一度行ってみたいことはみたいのですが……

Tさんにドラちゃん売り切れ情報を伝えるべく一度サイン会場に戻ると、デリアさんとバッタリ遭遇。彼女は”Changeling”の新刊にサインしてくれました。

4時。エレン・カシュナーさんの朗読と歌の会、「吟遊詩人トーマス」を聞きに。エレンさんが「トーマス」を朗読し、その合間に歌うというまことに贅沢な企画でした。エレンさんは地元のラジオ番組にレギュラー出演されているそうで、道理でトークが巧いわけです。
このとき聴衆の中にYasukoさんの姿もありました。ひとしきりエレンさんが歌い語りをしたあと、エレンさんが急に「Yasuko、あなたも歌って!」と。お客のつもりで来ていたYasukoさんはびっくりです。でも、立ち上がって2曲歌って下さいました。うち一曲はゲール語の曲です。うわ~聴福だ~v
途中からカフェクラッチェを終えたデリアさんも合流。デリアさんが小説の題材にした「the Maid on the Shore」はYasukoさんが歌ったバージョンとは別のものだと言って歌ってくれました。全く違う旋律で、びっくり。

タイムキーパーのボランティアの女性が小型のハープを持ってきていて、さわりを演奏してくれました。なんと贅沢。なんと美しい……!
そして肩乗りドラゴンを肩に乗せた女性と、ハープ弾きのタイムキーパーと、デリアさんとYasukoさんでおしゃべり。デリアさんがエレンさんと合作で出した”Fall of the Kings”の話も。

こうして楽しい2時間も終わりました。
デリアさんたちと別れ、ひとり廊下をトコトコ歩いていたら向こうから来るひかわ先生とばったり。
ずっと行き違いになっていて、もし大会中に会えなかったら本は送ります、ということだったのです。でもそれもお手間だしなあ……と思っていたところでした。

「会えて良かった! 本、返すね〜」

こうして「吟遊詩人トーマス」は私の手元に戻って来ました。
最初の頁を開くと……なんと、エレンさんのサインが!
ひかわ先生が気を利かせてエレンさんに頼んでくれたのでした。なんとも粋なプレゼント。ありがとうございます~~!

そのサインの添え書きは……「Music & Magic always!」

もう、言葉もあません……。
そもそもこの本を持って来たのも偶然。手を離れたのも偶然。そして、こうして戻ってきた。
ひかわ先生は「本が自分で望んだんですよ」と言われましたが、信じてもいいですか……?

大会もあとは明日のクロージングを残すのみです。