インフレ下の世界の中で「日本で起きていること」を友人に理解してもらうために書いてみました・・・

先日、友人から「最近仕事がきついのよ・・・」という話があったので、今日本で起きている現実について簡単に解説しました。
8ヶ月前に書いたブログの予想がそのまま今の日本社会に当てはまる動きとなったのですが・・・

以下、抜粋です。

それとは別に、民間の動きから、インフレに耐えるであろう姿が見えてきます。それは・・・
「日本企業は、仕入れコスト増を人件費削減でカバーする」動きに出るだろう、というものです。

今日本では企業物価指数が9%(実際のインフレ率に近い)、消費者物価指数が3%と言われています。
この差額の6%、事業者(経営者)側が死に物狂いでカバーしています。
具体的には、仕入れ価格が増えて経費が増えていても、値上げを最小限にして経営者自身の利益を削って消費者向けの価格を安く保っている、ということです。
私たちが安くモノを買える裏側で犠牲になっている存在が。

実際に私の職場でも仕入れ価格はとんでもなく上がっています。特に食用油は数十%の値上がり、です。が、販売価格の値上げはせいぜい数%です。
これをカバーするために人員をひとり減らして対応しているのが現実です。

飲食店で今の価格で食事できる裏側にはこんな事情があります。
友人が「最近仕事がきつい」と漏らすのは、消費者向け価格を安く保つツケをまともに受けている部分ですね・・・

それでも「世の中の給料が上がらない中で安く提供することは大事ではないか?」という反論もありそうなので・・・

「需要と供給」という視点からインフレを理解し、私たちがなぜ安さを求めるばかりではダメなのか、を、以下の記事から読み解いてみたいと思います。
安さを求めた先に待つのが実は「破滅」だと知るきっかけにつながれば・・・

・・・

「たまご」の生産者の方々の「廃業」が見えてきている現実・・・

以下の記事に、たまごを多く扱う洋食屋さんの現実と、養鶏場の方の生の現実が書かれています。さまざまな産業で似たことが起きています。

以下、抜粋です。

清水養鶏場 清水茂 取締役:
「日本全体でみれば、そういうエサが値上がりしたということは、養鶏農家が大変な思いをしている。養鶏農家が対策を出来る人はいいが、できなかったらやっぱり辞めざるを得ない。赤字を背負って倒産や家を取られてしまうことになるなら早く辞めた方が負債が少なくていいと考えるので、辞めている人も出ている」

静岡朝日テレビさんの記事より

・・・生産者の方が自分の人生を大切に考えて「辞める」決断をする人が増えるとどうなるか・・・

「たまご」の生産量が落ちます。
すなわち、たまごの物価上昇に直接つながります。
日本中でたまごが足りなくなるので、奪い合いになりますね・・・

「今」目の前の安さに甘えると、将来消費者が迎える結末は「大幅な物価上昇」であることがこうして見えてきます。
「1円でも安く買うために店舗巡りをして価格比較しながら買い物する」日本人のマインドの先に待つ結果でもありますね・・・

・・・

(余談ですが:いずれ問題が表面化すると国は必ず補助金で対応しますが、金利を上げられずに通貨にプレミアムを乗せられない日本で、いつか通貨発行や通貨価値の維持が臨界点をむかえるであろうことはこの問題の延長線上に・・・)

・・・

未来は「今」の私たちひとりひとりの意識の積み重ねが創り上げていくだろう、と今私は思っています。
友人に今の社会の構図を理解してもらう目的で書いてみましたが、50年ぶりのインフレ、というものがどういうことなのかを自分自身も考えるいいきっかけに・・・

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