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初めての大失恋は私を強くした


あれは大学1回生の頃。
バイト先で出会った。

私はその人に出会うまで
誰とも付き合ったことがなかった。

付き合うってどんな感じなんだろう
手を繋ぐってどんな感じなんだろう

そんなふうに思っていた。


なんとなく選んだバイトに
同じタイミングで入ってきた彼。
少し話していると共通点も多く
すぐに意気投合。
彼が私に一目惚れしたといい
連絡先も交換した。

男慣れしていないし、
そんなにモテるタイプでもない私は
人生にあるかないかの
一目惚れをしたといってもらえて
正直驚いたけれど、嬉しかったしこんなことがあるのだと舞い上がった。

数回デートを重ねて
告白されて付き合うことになった。
初めての彼氏ができた。
不思議な感じだった。
私今日から彼氏がいるのか………!
みんなに初めての彼氏ができたことを
報告して祝福された。

これまで好きな人はいたけれど、
いつも片想いだった。
だから、私は本当に嬉しかった。
こんな私でも好きと言ってくれる人がいるんだ、世の中捨てたもんじゃないなって。
好きな人に好きって言ってもらえることが
こんなにも幸せなのかと。


初めてのデート。
初めての手繋ぎ。初めてのぎゅー。
好きだよ の一言。

一つ一つが新鮮で、ドキドキした。
私の初めてが積み重なっていく。
人ってこんなに温かいんだな。
好きな人と過ごせるのはこんなに幸せなのか。
私の見る景色が色づきはじめた。
こんなに幸せな世界あるのか、と。


初めての彼氏ができてから
私は少しずつ変わっていた。
世に言う 彼氏一色。
家族も友だちもそっちのけ。
土日は彼氏に会いたいから空けておく。
彼氏に多少嫌なこと言われても
会いにいく。
いつ呼び出されても会いたかったから。

嫌われたくなかった。
初めての彼氏で本当に好きだったから。
そんな日々が一生続くと信じてやまなかった。



でも、そんな日々も上手くはいかなかった。
大学の研究が忙しい
そんな理由で彼がだんだんあってくれなくなり
必死に会いたいとせがむ私。

自分の時間が欲しい

どんどん彼は会えない理由をつくっていく。

その度私は不安でたまらなかった
心が離れてこの関係じゃなくなるのかと。


ある日突然LINEがきた

別れよう…


私の頭は真っ白
なんで?なんで?
パニック状態だった。

納得できなくて電話したけれど無視。
仕方なくLINEで話した。

でも向こうは頑なに 
「別れる」
の一言。

理由は他に好きな人もできた。
よく聞くやつだけど、
自分が言われると実感が持てなかった。

なんで終わりがLINEなの?
私たち過ごしてきた日々は??

「それを超えるくらい好きな人がいる」

悔しかった。涙が止まらなかった。
最後に一回だけあって!こんな終わり嫌だ!
といってけど

会ったら別れられなくなるから

断られた。
そして終わった。深夜3時。

私はこの世の終わりだと思った。
彼がいない日々なんて考えられない。
彼以上に好きな人なんて現れない
もう好きって言ってくれる人がいない。

自分の一部がもぎとられた。
そんな感じだった。

泣いて泣いて泣いて。
涙が本当に止まらなかった。
終わり方も納得できなくて。


それでも世は明ける。
涙が枯れた頃に
太陽がさしこんで

こんなに辛いことがあっても
夜は明けるのだなと思った。


たまたま高校の時の部活のメンバーでの
集まりがあった。
失恋後なのでいく気も失せたが
いつまでも閉じこもってられないので
行くことにした。

失恋の話を大泣きしながら話した。
友だちたちはうんうん言いながら
聞いてたくさん励ましてくれた。


あんな好きだった彼氏は別れてしまえば
ただの他人。

でも、友だちは違う。
彼氏一色で会わなくなっていた私でも
大事に思ってくれて寄り添ってくれる。

家に帰れば、お母さんが当たり前のように
おかえりー!
っていって温かいご飯を出してくれた。


こんなに身近に
どんな状況でも温かく受け入れてくれる
家族も友だちもいたのに
いつのまにか忘れていたな。。。

そこで気づいた。
私彼氏に依存と執着していたのだと。


自分の好きなことも
家族も友だちもそっちのけ
彼氏のために生きたいと
過ごしてきたけれど

失恋を機にちゃんと
周りにいる人を大事にして
自分の時間や気持ちも大事にしようって。
そう思えた。



そんなことを思いながらも、
私はずるずるひきずった。
彼といない日々は空白になり
バイト先にいっても、近所を歩いても
デートのことを思い出して
泣きそうになった。
またもしかしたら、後悔して
連絡が来るんじゃないかな、
そんな淡い期待をしたり。


それでも少しずつ少しずつ
気持ちが回復してきた。
こうやって人は他人になるんだなと
悲しくもあり
でも、立ち直ってきた自分に拍手してあげたい気分でもあった。


2ヶ月後。元彼氏から連絡が来た。
私はかなり驚いてしまった。
せっかく忘れかけていたのに
でも飛び付かずにはいられなかった。

あのときはごめん。急に振って。
反省してる。
俺は◯◯と過ごすのは楽しくて
また映画行ったりできたらいいなと思ってる、


復縁?またあの日々に戻れるの??
でも正直喜んでしまった自分がいた。
完全には立ち直れてなかったから
また気持ちが揺らいだ。

友だちに相談した。
これどう思う?私は正直戻れるなら戻りたい、。。

戻るのも戻らないのも自由だけど、
一回確かめてみたら?復縁する気があるのか。
ただ単に友だちでいよっていう
都合のいい感じかもしれないよ。


怖かったけれど聞くことにした。
私は友だちという選択肢はなかった。
ただあの日々に戻りたくてー。
その日々に戻れないならいらない。

◯◯はすごく一緒にいて楽しかったけれど
俺の中では彼女って言う感じではないかな。


私は都合の良い女。そんなのになりたくない。
私はまだ好きだったからこそ、
友だちとして会うだけなんて思えない。
私は決意した。完全にさよならすることを。

最後に告げた。

楽しかった日々をありがとう、
私は前を向くためにもうブロックするね。
お互い幸せになろうね。



そして、LINEから完全にブロックしてトーク履歴も消した。思い出さないよう写真も動画も物も全て捨てた。
まだ悲しみはあったけれど
ようやく今度こそ前を向ける
そう思えた。



私の人生での大失恋は
後にと先にも
きっとこれしかないだろう。、

あのときは苦しかった。悲しかった。
この世の終わりだと思った。


でも今だったら良い思い出と思える。

あの失恋があったからこそ、
本当に大事にすべきこと
学べたと思う。

家族。友達。自分の時間。

彼氏のために生きない。依存執着しない。
自分をしっかり持って強くたくましく生きる。


あれから、6年経った今は
本当に大事にしてくれる彼と付き合えている。
自分の時間も大事にして
彼との時間も大事に過ごせている。

それはきっとあのときの失恋があったから。
私は強くたくましくなれたから。


どんな苦くて悲しい出来事も
人を強くする。
どんな苦くて悲しい出来事があっても
夜は明けて明るくなる。


初めての大失恋は私を強くした。

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