全知的な読者の視点から 楽園 中編① ネタバレ

小説cp162~ もっと詳しいネタバレは原作小説翻訳サイトを読んで下さい。

【残された仲間達】

キム・ドクシャが去ってから4日たった。楽園は今日も平和だった。

●イ・ギリョンは非常に憂鬱だった。落ち込んでいて暗い声で話した。
「僕たちはドクシャさんに見捨てられたんだ…」
ここ二日間、彼はずっとこの調子だった。
「どんな時に主人公が仲間を置き去りにするかわかる?」
「仲間が邪魔になる時だよ」
「僕たちは役立たずだと判断されたんだ!」

●イ・ジヘはシン・ユスンにドクシャが何をしようとしているか知っているかと訊ねた。本来は後見星と化身の同期が増える度に、化身は後見星の情報を取得するからだ。ジヘの場合は聖痕の力を使うたびに星座「海上戦神」の思い出も共有した。ユスンは言葉を選びながら口を開いた。

・ドクシャは孤独
・ドクシャは本を読むのが好き。彼のことを考える度に頭の中に無数のページが表示されたが、そのページの内容はユスンには見えなかった。そして何よりも「私はまだ聖痕を受け取ってません」

ジヘは周りを見渡し、パーティの誰もが不安を感じていることに気づいた。

●イ・ヒョンソンはぼんやり何かを見つめていたが、その何かに近づこうとしているのをジヘは見て理解し、ニヤニヤ笑った。

【ドクシャが仲間たちに残したアドバイス】

・ギリョンはスキルの持続性に欠ける。コインが残っている場合は「忍耐」または「不屈の粘り強さ」に使ってみて下さい。スキルをトッケビ袋で交換するとか後見星に助けを求めてもいいと思う。

・ジヘは敏捷に偏りすぎ。余分なコインがあったら、力と魔力に投資しよう。どこに投資するかによって戦闘スタイルが変わってくる。

・ユスンは「手なずけ」と「多種交感」を極限まで上げることに集中して。手なずけに関する他のスキルが必要な場合は教えて下さい。

【悪はどこ?】

・この4日間、ヒウォンは悪夢にうなされていた。圧倒的なモンスターに楽園が破壊される夢だった。彼女が目を覚ますとキム・ドクシャから貰った裁きの剣が啼いていた。

ラインハルトは何度かヒウォンを訪ねてきて、要塞の警備の責任者になってほしいと頼んだが彼女は首を縦に振らなかった。

何故なら裁きの剣は近くに「悪」がいるとき叫ぶからだ。この楽園のどこかに悪が存在する。ヒウォンは低いスレート屋根に座って楽園の景色を眺めた。街に「悪」と思えるものは何もなかった。

「ヒウォンさん、何か心配なことがありますか?」
いつの間にか彼女のそばにイ・ヒョンソンが立っていた。

【ヒウォンとヒョンソンと群衆の騒ぎ】

イ・ヒョンソンが涅槃メビウスのせいで狂暴化したヒウォンを救って以来、二人の間には奇妙で気まずい空気が流れていた。しかしどちらもそれが何なのか正確に分からなかった。

ヒョンソンはこの平和には理由があると考えていた。そしてその原因を突き止めるのが楽園に残された自分たちの仕事だとも言った。

ヒウォンは考えたが楽園の一体何が問題なのか分からない。
その矢先、屋根の下にいる人々が騒いでいるのに気が付いた。彼らはシナリオを望み、次の階へ行きたがっていた。平和な楽園に不満を持ち、楽園に抗議する者たち。

チョン・ヒウォンは眉をひそめた。理解できない。何故彼らはシナリオに戻りたがるのだろう?それでも戦いが始まるといけないので下に降りることにした。

彼女が到着した時には既に流血沙汰になっていたが、それは「戦い」によるものではなかった。一方的な攻撃だった。警備員が抗議者達を殴打していたのだ。ヒウォンは過度な暴力に動揺し、警備員を止めた。しかし警備隊長から手を振り払われてしまった。
「私は公務を行っている。邪魔をするな」

倒れたデモ参加者たちは小さな荷馬車に乗せられ、どこかに運ばれていった。警備隊長は部下に逃げた者を全員捕縛するよう命じた。チョン・ヒウォンは楽園の主の命令で放っておかれた。

その後まもなく逃げ出した何人かの抗議者が捕まった。その中には意外な人物がいた。
「私は抗議者ではありません!たまたま通りかかっただけです!」
ダヨンという娘の名を叫びながらそこにいたのは錦湖クムホ駅で出会った母娘だった。
ヒウォンは警備員にその女性は抗議者でないと伝えたが聞き入れてもらえなかった。更に強く引き留めようとすると、領主の命令とはいえ邪魔をするなら逮捕すると脅されてしまう。

結局女性の必死の願いで娘のダヨンだけは解放された。
ヒウォンが女性を連れ去って行った者を追おうとすると、騒ぎを見守っていた商人が近づいてきた。彼らは今の出来事を楽園の法則だから気にするなと言った。

【楽園の法則】

・警備員と逮捕された抗議者達は楽園のダンジョンに行った。
・警備員以外立ち入り禁止。連行されて戻ってきた者はいない。
・ヒウォンは母を連れて行かれ泣いている子供ダヨンの手をためらいがちに握った。手のぬくもりを感じた瞬間、彼女の頭の中で何かが弾けた。
・・・ここが楽園?

【私たちは何をすべきか知っている】

ヒウォンが振り返るとイ・ジヘ達とイ・ヒョンソンがいた。
ドクシャは仲間達を信じてくれた。
彼は今もっと大きなことをしているのだろう。理由は何であれドクシャは今、必死に命を懸けているのだろう。

毎回ドクシャに頼ることはできない。ヒウォンたちは今、仲間と力を合わせてシナリオを戦おうとしていた。

【広大な草原をスポーツカーで走る】

一方その頃、ドクシャ達はSSS級フェラーリ(星遺物)で草原をドライブしていた。
・魔導砲を搭載しており多数の敵をせん滅するのに役立つ。
・魔力を使わずに「風の道」並みの速さで移動できる。

SSS級フェラーリに興奮するハン・スヨン。「私は自分だけのためにわがままに生きる!」
ドクシャはスヨンに触発された。契約社員だった彼は中古車を買うお金がなかったので、公共交通機関を利用していた。
ドクシャは臆病な声で叫んだ。「俺が主役だ!」
星座「悪魔のような炎の審判者」が恥ずかしそうに顔を覆った。

その時、ドクシャの目の前に不吉なメッセージがポップアップした。

[大いなる運命があなたの死を待っています]

【ドクシャの運命】

[大いなる運命があなたの死を待っています]
[大いなる運命があなたの死を待っています]
それは3回も浮かんでは消えた。

『滅生法』で「運命」とは蓄積された蓋然性を行使する星座の力だった。
原則としてトッケビ達はシナリオに干渉できない。

シナリオに干渉できる存在は1つだけあった。
しかしそれは1人ではなく彼ら・・だった。
「運命を読めるのは大星雲だけだ」

・突然ドクシャ達の前に「ワインとエクスタシーの神」ディオニュソスの化身体が現れた。ドクシャは彼は敵ではないと本能的に感じたが油断は出来なかった。

・オリンポスがドクシャの「運命」を読んだが、ディオニュソス自身は運命を読む側ではないと言った。
・ドクシャの脳裏にオリンポスの分裂という考えが過った。オリンポスの分裂は少なくとも10のシナリオの後に起こる出来事だった。

・オリンポスだけでなく、たくさんの星座からドクシャは狙われていた
・星座達はドクシャの「影響力」を恐れていた
・一部の星雲はドクシャを吸収するか排除する必要があると信じている

ドクシャは何故ディオニュソスがこの情報を教えてくれたのか気になった。
「あなたの物語が好きだからです」
彼は心から笑って付け加えた。

「いくつかの星座と私はあなたが■■に到達できると信じています」


次回のネタバレは中編②から

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