全知的な読者の視点から 楽園 前編 ネタバレ

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永久運動パーペチュアルモーションの花】

キム・ドクシャとチョン・ヒウォンは楽園の中央商店街を抜けて小さな丘にたどり着いた。丘の上の白いレンガ造りの家、楽園の主ラインハルトはそこに住んでいた。

彼は小さな花に水をやっていた。
花の名前は『永久運動』。ほぼ毎日新しい花が咲いていた。この丘にだけ咲く花は、明け方に咲き、夜に実を結ぶ。そして夜明け前に落ちた実を肥料にして花を咲かせた。

※通常、永久運動とは外部からエネルギー源を供給されなくても永遠に機能するものの総称だが、ここでは花の名前に過ぎない。

ドクシャは花の名前が間違っていると思った。
「本当に永久機関なら、花は水がなくても元気に育つはずだ」

【ラインハルトについて】

・ラインハルト・フォン・ジェルバ。彼は『滅生法』で最も有名な「十悪」の一人だった。しかも完成間近の「十悪」だった。

◆専用特性:魔侯爵(伝説)、叶わぬ夢を追う者(ヒーロー)
◆専用スキル:魔眼Lv.10、上級武器修練、上級精神防壁Lv.10…
◆聖痕:楽園の主Lv.10
◆総合能力値:体力99筋力99機敏99魔力99
※ダークキャッスルランキング2位

ドクシャはラインハルトとの戦闘を躊躇した。もともと地球のシナリオではダークキャッスルは34番目のシナリオだったからだ。

キム・ドクシャはラインハルトの容姿を以下のように表現した
・彫刻を彫ったような美しい男
・第四の壁がなかったら美しさに息が止まってた
・ユ・ジュンヒョクもイケメンだけど、ラインハルトは悪魔のような美しさ

【ラインハルトが語った心情】

・800年前は何もなかった。ランキングのみが存在した。
・当時ダークキャッスルに入った全ての化身は互いに狩り、殺しあうのに忙しかった。そして化身たちは時間の経過とともに悪魔に進化した。より強くなるために上位の存在に昇格した。
・ラインハルトは誰かのシナリオの奴隷おもちゃになることにうんざりしていた。だから「楽園」を作った。
「トッケビ達はこの場所を「墓」と呼んでいますが、私はそう思わない。長い年月を経て血塗られた悪魔になってしまいましたが、シナリオが消えて初めて本当の人生が花開くと信じています」

【最も純粋な悪】

ドクシャは騙されなかった。
ラインハルトは誠実で、その言葉には深い感情が込められていた。『滅生法』を読んでいなかったら引っかかっていただろう。次のシナリオに進ませないことがが彼の望みだった。

「星座キム・ドクシャ、あなたは次のシナリオに進みたいのですね」
「でもそんなものは存在しません」
「私は800年生きてきましたが、あなたのような人に会ったのは初めてではありません」
「数多の強者が隠しシナリオを見つけましたが、ダークキャッスルをクリアしたのは一人もいません。誰もがこのシナリオの空白に絶望し、欲求不満になります」
「彼らのようになってほしくありません」

そしてラインハルトはキム・ドクシャにこう言った。
「私と一緒に楽園を守って下さい。あなたの助けが必要です」

【楽園の闇】

・ドクシャは楽園の主の勧誘に応えなかった。ドクシャが永久運動の花びらに触れるとあっという間に花はしぼみ、実が落ちた。落ちた実は急に腐って丘の中腹に転がった。

・「うう…放して!ちがう!」「何も盗んでません・・・・・・・・!」
視線の先には楽園の犯罪者たちが、丘の下の地下エリアに移送されていく光景があった。

ドクシャは彼らがどこに引きずり込まれているか知っていた。
彼らは楽園の肥料になるだろう。地下深くで小さな地震が発生した。それは恐ろしい怪物の鳴き声のようだった。

【ドクシャ、次のシナリオを要求する】

・ドクシャは次のシナリオが存在することを知っていた。
・ラインハルト動揺する
・700年前ラインハルトとその仲間たちが既にシナリオを発見していた
・ラインハルト達は挑戦するも失敗。一人だけ生き残る

淡々真実と話すドクシャにラインハルトは訊いた。
「星座キム・ドクシャ、他に何を知っている?」
ドクシャは答えた。「全部、知らないことまで。」
その途端、ラインハルトは誰よりも脅威的な敵に変化した。

【楽園が滅びるだって?】

キム・ドクシャに楽園が滅びる宣言されたラインハルトは苛々した。
半星座のくせに調子に乗りすぎだと思ったが、星座「深淵の黒炎龍」がドクシャの言葉を無視するなと援護したので驚いた。
※「深淵の黒炎龍」は絶対悪系統の中でも有名な存在だった。

改めて楽園は滅びないと考え、その場から姿を消すラインハルトだった。

【とどまりたい理由】

ドクシャは全面戦争は避けたかった。
もしラインハルトと戦ったら大ダメージを受ける上に楽園に住む化身たちから恨まれてしまう。

丘の下でチョン・ヒウォンが待っていた。彼女はドクシャへの忠誠心と楽園の快適さに苦しんでいた。

世間話をするドクシャとヒウォン。今までヒウォンの人生の歴史を作ってきた人々はもう生きていなかった。ヒウォンだけではない。錦湖クムホ駅で知り合った母娘もキム・ヨンパルも…楽園は失った人々が集まる場所だった。
それがヒウォンが楽園に滞在したかった理由だった。

【ヒウォンへの贈り物】

ドクシャはヒウォンの「物語」をゆっくり話した。(ヒウォンの行い、良いところ、ドクシャから見た人柄etc…)

「ヒウォンさんは自分らしく生きてください」
ドクシャはチョン・ヒウォンに[裁きの剣]を渡した。
それはヒウォンにしか使えない剣だった。

【楽園崩壊は仲間に託した】

キム・ドクシャとハン・スヨンは楽園を後にした。
三~四日はシナリオを空けて、ネタを探しながらストーリーを集める予定だった。ハン・スヨンはその手伝いだった。

「(メインシナリオは)今回は他の人に任せよう。今まで一人でやっていくのは大変だった」
ドクシャはユ・ジュンヒョクのことを考えた。あいつはいつも一生懸命働いているように見えて、重要な場面で役に立たなかった。俺が助けなかったら災害かピースランドで終わってた。それでいて俺がシナリオを頑張って進めているとき、隠し要素を探し回っていた。

だから、彼が適切な仕事をする時が来たんだ。ドクシャは微笑んで言った。



次回のネタバレは 楽園 中編 から

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