パレット

翡翠の里にたどり着こうとも
癒えない痛みが纏わりついている
笑うたびに嘘をついた気になるのは
その場凌ぎを覚えてしまったせいなのか
さようならとはじめましてを繰り返して
誰もいないと勘違いした街の中で
一人きりを演じるのに疲れてしまった
あの街灯にたどり着けば心のもやもやも
全部無かったことになる気がして
足を止めればまっくらに飲み込まれる気がして
貴方の望むような人間になれたなら
どんなにどんなによかっただろう
嘘つきの僕を塗りつぶして
君が手にするその絵の具で
陰欝な世界を塗りつぶして
何色かわからないその絵の具で
いますぐさ

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