読み切りファンタジー小説「悪魔界の任務」
(約2,900文字 読了まで約6分)
闇の底から、一輪の花が咲いた。
それは、とても美しく、ただ見ているだけで癒されるものだった。
人間界には沢山の人間が住んでいる。この地の底にある悪魔界に所属している悪魔の数よりも多い。人間というものは、実に愚かである。己の欲望に負け、死への恐怖を忘れるために寂しさを紛らわす。紛争は世界各国で見られ、我々、悪魔が何もしなくても自滅するのではないかと危惧している。
悪魔界は、天使界や人間界と違って、非常に厳しい縦社会である。我らの