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英語に強くなる話 9:書くの続き

前回の「書く」は話としてはいいと思うのですが、あれを読んでもなかなか具体的にどう書いたらいいかあまりわからないかもしれません。そこで、今回は具体的な「イントロ」の例を採って話そうと思います。これは特においぼれにとってはほとんどダメ、ダメなことなのですが、私が実際やってみましょう。これが冒険なのは、ある程度抽象的なことを話していれば、ボロが出にくく、経歴から来る誤解の権威が保たれるのです。ところが現役みたいな調子でやると、「なんだ、エラそうなことを言っていたけど、実際は大したことないじゃないか。じじーはやっぱりダメだ。」となる可能性があるのです。だけど、このブログもタダだし、就活、婚活をやっているわけでもないから、ボロが出ても被害は抑えられると甘い考えを抱いてしまったのです。

そんな危険を冒してまでなぜやるか。まだぼけていないことを確かめたい。まだ、まだ、現役のようにできるのだとえばりたい。このような個人的な理由以外に、「書く」ことがうまくなってもらうには自分で例を作るのが一番と思ったからです。なんか昔読んだ企業経営コンサルタントの話を思い出します。それまで彼の本はよく売れ、講演やテレビ出演もしていましたが、実際にある会社の経営に参加し、その会社がつぶれたのです。それから本はパタッと売れなくなり、講演もテレビ出演もなくなりました。

例に出すのは今まで書いてきた「英語に強くなる話」シリーズが小冊子として出ることを想定して、その「イントロ」です。小冊子の内容はブログに書いたものです。

 Many Japanese spend billions of yen and hours trying to learn English. Unfortunately, results are usually disastrous. Consequently, many Japanese end up losing their precious time and money. This is a tragedy not only for the persons involved but also for the country, which needs to become more internationally-oriented.

    I have spent over many years wondering why Japanese are so bad with English.  I think I found some reasons behind this phenomena, and ways to alleviate them. I thought it might be worthwhile to share these thoughts. Some causes are simple, some very complicated. Simple ones are, for example, due to the way English is taught in Japanese schools. Complicated ones are often deeply-rooted in Japanese culture and history.

  Through studying several languages myself, I learned and acquired a number of techniques to learn languages efficiently. The main parts of this booklet consist of explaining these skills.  The first section talks about the main differences between Japanese and English languages  It is followed by the importance of listening and imitating. The third section discusses what most Japanese need to know when speaking English. The final part, before making concluding remarks, treats the subject of writing.

 I am confident that the readers will benefit from what is written here. I also hope that the booklet would be an eye-opener for those serious about studying English.

長いですが、じっくり読むと味が出てくると思います。最初のパラでは前の記事では書きませんでしたがFunneling(じょうご)というテクニックを使っています。これは私がくどいほど世銀の英語研修で教わったことです。簡単に言うと、まず誰でもが知っている大きな問題(多くの日本人が膨大な時間とお金を英語に使っている。)を述べ、そこから徐々により限定されたテーマに話を持っていくのです。これで読者に頭の準備をさせ、こちらの話したいことの文脈、Context, を理解してもらいます。次のパラで私がこの小冊子を書く大雑把な目的を記しています。第3パラでより詳しく何が書かれているか説明します。最後のパラは宣伝文句です。

この短い「イントロ」を読めば多くの英語を勉強したい人は興味を持ってくれるでしょうし、そうでない人は別のもっと有意義なことをすればいいのです。いや、この「イントロ」の構成は、最初のパラを読んだだけで読者が読むべきか否かを判断する材料は提供しています。

前にも書きましたが、ここでのテクニックは報告書、パワーポイントを書く時、プレゼン、会議での少し長い説明などに使えます。そうすると、「こいつ、話が分かりやすいし、ポイントを心得ているな。」「頭が相当いいんじゃないか。」と思われる可能性があります。そして数回続けると、「次の昇進候補だな、給料も多少上げるか。」となり、異性のスタッフからも注目され、尊敬とあこがれのまなざしを向けられるのでは。


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