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Training Day of Hypnotherapy 2/3

DAY 3・4(第1稿)

Rioです。3日、4日目は個人的に興味深かった心理手法など説明していきたいと思います。

まず、催眠状態とは

前提として人は、本来あるべき健全な状態に自己を向かわせようとする根源的な力を持っていますが、時として過剰な理性がその力を抑え減弱してしまいます。催眠状態に入ることで、理性が弱まり、本来あるべき姿に戻す力が働くことができるようになります。
また、剣の達人の宮本武蔵は、「五輪の書」の中で見ると見るという行為には「観る」の目で「見る」のと2通りがあると書いています。「観の目強く、見の目弱く」つまり、一点集中ではなく全体集中で見ることが大切であるとしています。この観の目の状態の時に、人は催眠状態に入りやすいと言えます。また、催眠状態は、「ゾーン」や「フロー」呼ばれています。催眠状態に入ると、脳内の様々な長期記憶の細胞集団が、記憶の連合を起こし、新たな知識や発見に繋がるようになるかもしれません。

仕事はキリよく終わらせない方が良い!?

普段仕事は、キリよく終わらせてから帰宅したいという方も多いかと思います。でも脳ではキリよく終わらせるより、中途半端にしておく方が記憶に残るようです。これを「ツァイガルニク効果」、中断効果と言います。完結させると、脳は忘れても良いと判断して未完のコミュニケーションはいつまでも記憶に残ってしまうので、仕事のタスクも多少残して帰るくらいがちょうどいいかもしれません。

参考URL:https://swingroot.com/zeigarnik-effect/#st-toc-h-2

仕事の話だけではなく、例えば誰にでも、過去の記憶に心残りを感じることはありますよね。不完全燃焼の恋愛とか、もう会えない家族に対してとか。ちゃんとコミュニケーションを完結させずにいると、記憶は通常のエピソードの5倍覚えているそうです。忘れたくても、忘れられないモヤモヤする記憶ありませんか?それは、未完のコミュニケーション状態と言えるかもしれません。この場合、催眠療法では、解消方法として催眠下での「人格移動」や「視点移動」というテクニックを使います。記憶の中で向き合っている相手の中に入って、その人物として自分に語りかけ、また自分に戻って相手に語りかける作業を繰り返して、無意識下での相互理解を促していくことで、コミュニケーションを完結させていくというものです。

催眠療法での「人格移動」の代表的なスクリプトは以下となります。催眠下で、交互に人の視点を変えることで、現在の感覚で状況や感情の認知を行なっていきます。記憶の再構築によって、新しい記憶となり、その記憶自体が癒しと感じる方もいるようです。

「今から三つ数えたら、目の前にいるお母さんに入っていきましょう。お母さんに入ったらお母さんから見た、〇〇ちゃんがよく見えます。そして、お母さんの気持ちが、よくわかります。行きますよ、1、2、3、お母さん。目の前にいる、〇〇ちゃんのことをどう思っていますか?教えてください、では、三つ数えたら、〇〇ちゃんへ戻っていきましょう。1、2、3、〇〇ちゃん?今お母さん何て言っていましたか?」

人の癒しは主観的

イメージの中で、人格移動をさせることで、相手の視点にも立つことができます。そうすることで「理解」、もしくは「納得」を促すことができます。脳の中では、自己視点のイメージ生成時は左側の側頭頭頂部接合部が働き、他者視点のイメージ生成の時は右側の側頭頭頂部接合部が働いていることが分かってきたようです。


図:wikipediaより抜粋

人と共感するシステム

共感を生むシステムの説明もありました。円滑なコミュニケーションを行うための仕組みとして、以下の2点を説明します。これはセラピストだけでなく、社会性の必要な方々に大切なことかもしれません。

・Like-me-システム
他者の外面的動作を理解する機能で、ミラーニューロンともいう。自分と同じ行為や模倣を他者が行なっているのを認識することで、仲間意識や脳が活性化して共感を得るというもの。以下の資料を読むに、幼児のコミュニケーション機能の発達においても模倣はきわめて重要であり、たとえば模倣される頻度が高い子どもは他者の模倣をより多く行い、これが対話や社会的役割交代などの機能の発達につながると考えられているようだ。

・Different-from-me システム
他者の内面的な心の状態を推測する機能。以下は引用させていただく。他者の視点で物事を考えたり、外見的には見えない他者の心の内を推測したりする働きを持つ。like-meシステムが他者の外面的な動作を理解する機能を担うのに対しdifferent-from-meシステムは他者の内面的なこころの状態を推定する機能を担う。パントマイムやごっこ遊び・ふり遊びなどを成り立たせる分離表象(動作主が考えている、見かけの動作とは異なる表象)は、この機能によって形成される。

http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/kokoronomirai/kokoro_vol.9_14-17.pdf

クーエ・メソッド

催眠は主に暗示療法を使います。暗示は、人の聴覚を利用して「言葉」で心身に影響を与える療法です。フランス人の薬剤師、エミール・クーエが自己暗示の基礎を作りました。暗示は「潜在意識」にアクセスする鍵、もしくは暗示は、潜在意識へインプットするためのプログラムであり、この鍵である暗示(もしくは言葉)を適切に潜在意識にインプットできれば、潜在意識はそのプログラムにしたがって動き出します。そして、暗示をインプットするにあたって最も障害となるのが顕在意識です。通常は顕在意識が邪魔をして、潜在意識にインプットすることができません。
暗示のポイントは、色々なやり方がありますが、顕在意識が邪魔をしない状況を作り出すという点にあります。

クーエの法則と言うものがあります。

1、意志と想像がぶつかれば、想像が常に勝つ。
2、意志と想像がぶつかるとき、想像の力は意志の力の2乗となる。
3、意志と想像が手を結ぶと、意志の力は想像によって倍加する。
4、想像は誘導可能である。

彼のメソッド、クーエ・メソッドは、朝と就寝前に以下を20回唱えるというものです。
「毎日あらゆる面で、私はますます良くなっている」(“Day by day, in every way, I’m getting better and better.”)

現在進行形で表現を収めていて、「〜したい」と言うような欲求を唱えていないことがポイントです。なぜなら、「〜したい」と欲求を暗示にしても、顕在意識が「〜しないけどな」と抑圧してしまうからです。顕在意識は割と否定的に感知するので(おそろしや顕在意識)、クーエ・メソッドでは、「ますます良くなっていく」とすることで、前提として、良くなっているけど、より良くなっていくとしているのです。このように顕在意識をすり抜けることで、言葉が暗示として潜在意識に到達する、そんなイメージです。記憶の植え込みにとって大切なことは、意識して植えこむ、情動を伴って植えこむことです。感情と共に暗示にすることで、記憶に残りやすいと言う特徴があります。

これは自分自身の聴覚を利用して行うメソッドとなりますが、他者に対しても与える影響は大きいと言えます。ネガティブな言葉ばかり言っていると、聞いている他者にもネガティブな暗示を入れてしまう可能性は大きいです。(ネガティブな言葉はある種「呪い」に似ています。「人を呪わば穴二つ」という、人に害を与えようとすれば、やがて自分も害を受けるようになるという言葉があるように、悪い言葉や気は自己暗示の一種に近い感じがしますね)。

特に、否定形の言葉が良くないと言われていて、講座の中では、言葉のリフレーミングのトレーニングもありました。リフレーミングとは、ネガティブな表現をポジティブな表現に変換して言葉にすることです。これ、案外難しいです。以下、リフレーミング辞典と言って、ネガ→ポジの表現辞典ですので、言葉のポジティブ変換お試しあれ。

参考:http://www2.gsn.ed.jp/houkoku/2011c/11c31/siryo/reframing.pdf

自我強化法とは

こちらは補足的ですか、ポジティブな言葉で自己肯定感を強める方法もあります。英国の医師ジョン・ハートランドの自我強化法の暗示文は1960年代に作られたものであり、現在ではその欠点が指摘されている。しかしながら、肯定的な暗示をひたすら与え続けることで「自己肯定感」を強め、人生を前向きに捉えるようにする方法としては、現代でもその利用価値は高いと言えます。

ストレスと中毒と依存症

「ストレス」や「中毒」や「依存症」と向き合っている人、もしくは並走している人、たまにすれ違う人、多いと思います。全く出会ったことがない方は稀ではないかと思います。色々な定義がありますが、講義の中ではストレスは、ストレス状態とは各人が感じるもの、ある環境下でネガティブな要因を受け取った時の反応としています。中毒と依存症の違いは、中毒は止めている時に症状が出る状態で、依存はやらずにはいられない状態としています。ちなみに催眠療法で改善可能とされているのは、ストレスと依存症です。

日頃のストレス解消を、うまくできない人もいます。そんな人には自律訓練法がおすすめだと思います。(やり方の参考:https://style.nikkei.com/article/DGXDZO26883250W1A410C1MZ4001)

自律訓練法とは
自律訓練法は、1932年にドイツの神経科医のシュルツによって体系化されました。シュルツは1920年代の科学的な催眠に誘導された人が、腕や脚の温かさをしばしば報告するという事実から、その感覚を自己暗示により生じさせ、催眠状態をつくることを考案しました。自分自身でいつでもどこでも行えるという良さがあり、種々の効果が実証されている心理生理的訓練法です。

自律訓練法の「自律」とは
「Autogenic:本来人間の持っている自律性=恒常性すなわちホメオスターシスを機能させる」という意味があります。また「ありのままに任せる」「自己制御・自己練習」という意味も含まれます。

参考:自律訓練学会より(https://www.jsoat.jp/contents/aboutat)

ヒプノファーティリティ

ヒプノファーティリティとは、妊娠したいと望んでいるのに妊娠できないカップルが、自然に妊娠できるような心と身体の状態を作り上げるために考案されたヒプノセラピー。主に以下のようなことを行うようです。

・妊娠に対する恐れの除去と安心感の植え込み
・パートナー同士の理解と愛情のコミュニケーションを育む
・妊娠を阻む心的要因がある場合はその記憶を確認解消する
・心身をリラックスさせて妊娠可能な心身の環境を作る

ヒプノバース

日本ではまだあまり普及していない感じがしますが、米国では出産時に催眠療法を利用している人もいると聞きます。

・出産に対する誤った理解や恐れの除去
・妊娠期間はカップルの愛を深める好機となる
・妊娠期間は女性のものだけではなく男性にとっても父親になる準備を整える貴重な学びの期間である
・リラクゼーションとマッサージと言葉かけて心身をほぐす
・お腹の赤ちゃんとの対話を行う
・快楽物質「エンドルフィン」は分娩中に通常の6倍に分泌量が増加
・幸せホルモン「オキシトシン」が分泌される


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