DJ初挑戦① DJやってみたい、と言っていたら

　TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の「ディスコ954」とか、「SOUND AVENUE 905」木曜日の小西康陽さんとか、最近はラジオで“DJ”を聴く機会がよくありまして。
　……ラジオで“DJ（ディスクジョッキー）”っていうと音楽多めの番組の進行役（トーク中心の番組なら“パーソナリティー”に呼び名が変わる）みたいに聞こえますが、ここで言いたい“DJ”は、いわゆるクラブDJっつーんですかね、間断なく音楽を流して聴衆を楽しませる役どころのことであります。

　「ディスコ954」は週替わりで現役バリバリのクラブDJが出てきて、日本語の楽曲限定で約20分間ノンストップで曲を聴かせてくれる。生放送で様々なDJテクニック（掛け合わせたり繰り返したりひっかいたり）を披露してくれるのも聴きどころ。
　一方、音楽プロデューサーとして知られる小西さんも、“レコード番長”の異名を取るほどの、これまたクラブを渡り歩く現役DJだそうで、手元にレコードプレイヤーを置いてしゃべりながら音楽を流し続ける“狭義のDJ”で、毎週1時間の生放送で20曲以上かけます。かみさんに番組を聴かせたところ、「自分のiPodの中身を聞かせっこしてるみたいな」という感想を述べてくれました。そうそう、蘊蓄を傾けながら楽しそうに曲を流してるんですよ。

　そうかと思えば、twitterのタイムラインで、たまに「友達に誘われてDJやってみた！ ちょー楽しかった！！」とかいうツイートが流れてくるのです。ただ、そのフォロワーさんを誘った方と私は面識がないので、そっちのコミュニティに入っていくわけにはいかない。

　私こと東雲も、40年近く生きていればそれなりの音楽体験を重ねてきているわけで、その中身はだいぶ偏っていますけれども、偏っているからこそ、ほかの皆さんに「こんなの知らなかったでしょー」ってご提案できるチャンスは多いのかな、と。

　私の選曲が部分的にでも誰かの心に引っかかってくれれば……。

　私の選曲が“楽しいひととき”の一部を形成できれば……。

　楽しそうなDJの様子が流れてくるタイムラインを横目にチラ見しつつ、手持ちのCDの顔ぶれを思い出しながら、自分だったらどんな感じでやるんだろうか……というツイートをうっかり垂れ流してしまうわけですよ。

　「河内音頭を流しっぱなし」っていうと、深夜放送「オールナイトニッポン」で笑福亭鶴光師匠が、放送中に腹が減ったから駅前の屋台へおでんを食べに行こうと、1本30分ぐらいの河内音頭のレコードを流して、たまたまゴルフに出かけるために起きていたお偉いさんがそれを聴いてて後で説教された……という逸話が思い出されますけれども。

　で、私のフォロワーさんの中に、普段からDJをおやりになっている方が数名いらっしゃるのですが、その中の一人・Rさんが上記のツイートに「やってみますか？」とリプライをくださいまして。そのときは2往復半くらいの社交辞令的なやりとりにとどまったのですが、それから2ヵ月半の後、お屠蘇気分が抜けたかどうかという頃合いに

「以前、DJするなら…とおっしゃってたので、
1/23(土)にDJやってみませんか？
初心者も出ますし、気楽に遊んでもらえれば。
再生ボタンさえ押せればOKなので！」

というような概略のメッセージが、ついに飛んできたのです。
日付入りで。
具体的なオファー。
これすなわち、社交辞令の域を脱している……！

　私事ながら、1月は新年であることに加えて私の誕生月でもあり、今年こそは……！ みたいな、抱負とかいうほどじゃないけどアレコレ思うところはございまして、自分の中で「一丁やってみるか」という機運がにわかに高まったのであります。

　当日は隣についてサポートしてくれる、という心強いコメントに加えて、

「再生ボタンさえ押せれば」

この一言が決まり手となって、参加を決意するに至ったのであります。

（つづく）