49ELEMENTS High×Joker 〜夏来ソロの感想

最初に「泣いた」ってオタクが無表情でSNSとか動画のコメントに書き込むとは違う次元で(それはそれで感情は揺れ動かされていると思いますけど)発売日、朝から車運転しながら号泣してめちゃくちゃな顔で出ましたからね。

SideMの曲には何度も泣かされてはいるんです。
例えばSEMの「FROM TEACHER TOFUTURE」とか「HAPPY‘S BIRTHDAY」とか彩の「装〜so beautiful〜」とかはめちゃくちゃ泣きました。
それは大人として子供とか若い子の成長を見守るというか(まぁ私は子供おらんから)伝えたいメッセージに涙するのであって、自分の人生の過程で感じるゆえの歳とった人の涙なんですけど。
だからハイジョP(と言えるほどでもないが)としてハイジョの曲で泣くことはなかったんですね。アゲアゲな曲も結構多いし、青春のエモさはあれど、自分とだぶらせてとか泣くっていうのとはまた違っていて。
ただ今回の泣いてしまった理由は今までゲームをやってきて、ストーリーを読んできて思った旬と夏来のソロの歌詞に見える成長と決意に対してです。

私の勝手な印象だけれど、旬は誰かに頼るとか、お願いをすることも難しい子で自分の中の苦しさを自分で消化しようとして。何かに挑戦するにしてもやるからには完璧なものをと求めてしまう。まだ高校生なんだし発展途上でも成長の過程だからいいんだとこちらが思っていても自分1人でなんとか完璧にやろうとする。ゆえに事前に諦めてしまうというか無理でしょって言ってしまうところがあるなって思っていたのですが、5人で完成するんだと、5人それぞれの役割、それぞれにしか出せないものを信頼して表現しようとする歌詞を歌っていることに泣いてしまったんですよね。相手を信頼する、託すという成長を感じて。
今回の5人のソロ曲で曲調だけでいうと旬の曲が一番好きなのですが、あのメロディといつもは艶っぽい声なのに歌っているときのときどきちょっと掠れたようになる永塚拓馬さんの声がすごく良くて、曲名の「SCORE BOOK  Memories」に似合う、五線譜の上のペンを滑らせるように音符を書くときのザッザッとした音をメロディーとにゃんの声帯で表現しているようでとても素敵でした。

ここからが長いです(覚悟)


私は渡辺紘さんのオタクをしていますが、そのキッカケはやはりこの榊夏来くんですので本当にこのソロ曲は楽しみでした。試聴が出る前はどんな曲調なのかなとか年数を経て、
ハイジョのメンバーとして、アイドル榊夏来として歌でどんな表情を見せてくれるのか。
試聴が出た後も歌が始まるまでは『あー、今回もバラードっぽい感じなのね、まぁ夏来がポップなアイドル曲を歌うわけはないよな。歌うとしてもユニット内にそれを担うキャラクターがいるし』
と思いながら聴き始めたのですが、試聴から心鷲掴みというか揺り動かされまくりというか、

「ああ、これは榊夏来というアイドルを渡辺紘が演じているからできた曲なのかもしれない」

夏来の自分では意識していないけれど美しいビジュアルと過去のことでなんとなく抱えている憂いと本来の性格のギャップが生み出す17歳の色気、そしてハイジョのなかで一歩後ろで見守る感じと。夏来を演じているからこそできる夏来の思いとこれからの決意を綴った歌詞の表現。渡辺紘さんの声を私はいつも後ろからふんわりと包んでくれるような声だと思っている、少しの軽さと柔らかさと素材でいうと厚手のシフォンみたいな。でも今回は力強さというか声に決意の密度が詰まっているというか(何を言ってるか分からなくなってきたけれど)
渡辺紘さんが夏来役じゃなかったら、サビのフレーズのひとつひとつの音が次の音程に移る瞬間に見える感情表現ができないなと思いました(夏来がひろひろじゃないってことはありえないんだけど)

ちょうど試聴が上がった翌日が夏来役の渡辺紘さんとのビデオ通話イベントでした。
ビデオ通話で話すことをある程度決めておいたのですが、この試聴があまりにも心を揺さぶられて、試聴の感想をさせていただきました。(その時はもう語彙が全然ないし、わけわからんことをいっぱい言ったので、ひろし、ごめんなという気持ち)
ただ、「絶対(ぜひ)フルで聴いてほしい」という旨のお話をされて、あまり強くそういうこと言わないタイプだと思っていて、だからこそ歌う側としてそれなりの思い入れというか伝えたい気持ちがあったのだろうなぁと。それもあって試聴では聴けない2番以降はどうなっているのだろうとCDが届くのをとても楽しみにしていました。

実際フルで聴いてみて、サビ前の「光の先へと〜」ところはひろひろのまっすぐに伸びる透明な声に力強さが加わって、客席へと伝わるライトみたいに思えました。サビのフレーズのひとつひとつの音が次の音程に移る瞬間に見える揺らぐ感じの表現はひろひろの夏来の表現でとても好きなところです。

以前ひろひろがチョクメで夏来の歌はビブラートをかけないってお話をされていたと思うのですが、ラスサビのあたりは夏来が今までとこれから感情を吐露するように歌っているところが強さと、でも10代の揺らぎみたいに受け取れて聴いてて泣いてしまいました。

詳しく書かなかったけれど、今回のハイジョのソロは2回目ということもあって、他の3人もアイドルとして、ユニットの1人としてそれぞれの役割、どうあるべきかと今の感情と決意が感じられる歌詞だったので、メンタルの成長を見てとれる曲ばかりだったと思います。(春名は円形の物質にドーナツを感じていることは思った以上でした)
 
私はハイジョの曲は何故かキャラクターがその曲を演奏しているとか曲づくりをしている妄想をしてしまいがちなのですが、作詞の面においてもそれぞれが詞を考えてて、四季が歌詞を考えたときに
旬「四季くん。。。一音に言葉を詰め込みすぎです。せめて同じ意味の別の言葉に置き換えるとか。。。」
とか諌めるけど
四季「これでいくっす!別の言葉じゃ伝わらないっす!!プロデューサーちゃんもそう思うっすよね?」
とか言いそうだなって。そうじゃないと隼人のタイトルや歌詞にIdentityという単語が入ったり、夏来の歌詞の最後が「みたく」にはならないだろうなぁとか。

音の面では旬の曲の2番以降のドラムソロからのピアノが合わさっていくところや夏来がピアノから始まって、旬が弾いてくれているのかなと思わせますね、四季の曲では今まで以上のピアノやストリングスを多用していたところが新鮮でした。旬がキーボードではなくピアノで弾いているところを見て、「ジュンっち、スゲ〜」ってなってそうとか。
今までももちろん使用されていたのですが、ピアノとバイオリンといえばアルテの十八番で、ここ最近ではレジェの曲でも多用していて、(Time Before Timeは90年代サウンドだけど)SideM全体としてもさまざまな楽器を使っている印象。旬と夏来はそれぞれピアノとバイオリン経験者ではあるけど、もしかしたら、ハイジョという括りを超えてアルテッシモの2人からの影響を受けて音や表現に広がりを見せたのかなとか。

少し話は変わりますが、曲を自分勝手に映像化したときに最初のソロ曲「ナツゾラRecords」は7月上旬のある日の夕方4時くらい、ザーッと雨が降って上がった後の庭木の雨滴とこれから陽が落ちていくブルーからイエローオレンジのイメージだったんだけど
(これは仙台にソロの影響を受けているといえばそうかもしれん)
「ダイヤモンド・メゾフォルテ」は1番はハイジョのライブの瞬間を切り取ったイメージ、暗い中にスポットライトのイエローと赤のペンライトが揺れてて、夏来がベースを弾いているというイメージ。夏来から見た映像で客席と四季がスタンドマイクで歌って客席を盛り上げる映像が見える。2番は5人が「WE’RE Joker 天下無双」で円陣組んでる映像、夏来は口に出してはなかなかいうことはないけれど、5人でそして315プロのアイドルとしてやっていくんだという決意を感じます。

最後に私は夏来の曲名に「メゾフォルテ」を選んだことがとても好きだった。「フォルテ」でも、そして夏来の性格からしてもなさそうな「フォルテッシモ」じゃなく。この先クレッシェンドをかけてゆっくりとフォルテになればいい、そう思ったし、そこでいそいでフォルテにしないところが夏来らしさというか。

そしてダイヤモンド・メゾフォルテがアイドルとしての夏来自身の歌詞なのは重々承知しているのだけど、ひろひろご自身にも重なる部分があるのかなとかうっすら思って30歳になったときに届いたチョクメを見返したくなりました。声優のお仕事を目指したことや夏来に出会えたこと、そしてこのお仕事をこれからも続けていくことと重ね合わせて。
(ほんとめちゃくちゃ勝手に抱いたオタクに妄想なので迷惑厄介極まりないと思ったけど。)

そして2番の歌詞は自分がsideMを好きになったり渡辺紘さんをを応援し始めるときの気持ちダブらせて泣いてしまったのもあります。(まぁオタクがジャンル移動するのにそこまで大層な意味を持たせているわたしは大概だと思います)
精神的に、人生においてもある意味シフトチェンジしなければいけないときだったので、このコンテンツに会えたからとかひろひろの応援をしたからこそ出会えた人や結果残したいと思った仕事とか。それを経てこの曲に出会えて、今のこの揺さぶれるような感情にもなれたのかなと思って、夏来と渡辺紘さんに感謝ですね。

ただ今の段階でこのソロ歌う時が来る想像(7th愛知)はできていますが、覚悟はできていません。死ぬ。

新しいユニット曲も今まで以上に5人で歌うことに意味を持たせるような歌詞とパート割だったので、「SEASON IN THE FIVE」とともに5人で披露される日が来ることを切に願っています。

(ひろひろがオーディオコメンタリーで水鉄砲やりたいとおっしゃっていたのでそれも実現できたらいいよね)


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