見出し画像

『DIALOGUE+学概論』論考~DIALOGUE+UTOPIA=?~


序論

ご覧いただきありがとうございます。
ログっ子暴れる箱推し白ペンラ部(部員1名)、りのうです。

今回のDIALOGUE+のライブツアー『DIALOGUE+学概論』、僕は今までのDIALOGUE+のライブで一番良かったという感想を抱きました。

現代では感想に使う語句として「最高」というありふれた言葉が並んでいます。僕もよく使ってしまいます。しかし最高というのは最も良いことを指すはずで、言及しているそれは本当に「最高」なのでしょうか?本当に最高を更新したのでしょうか?

僕は今回のライブで「最高を更新した」と心から言えます。
それをうまく言語化していきたいと思います。

本論

このライブが「最高」であることを語るのに加え、このライブを振り返るうえで「アニバーサリーツアーの意義」と「DIALOGUE+UTOPIA=?」にも注目していきたい。
まず前者について。Anniversaryと銘打っているのは初である。だから5年を振り返るという要素が関わってくる。メンバーの発信も5周年を意識したものが多い。なのでDIALOGUE+が駆け抜けた5年とはなんだったかを捉えていきたい。まさにDIALOGUE+学の概論である。
後者について。これはユートピア学概論のジャケットに書いてあった文言であるが、○○学概論とツアータイトルを銘打つ以上ユートピア学概論がセットリスト構成の中心であることが考えられる。とりわけ田淵智也のDIALOGUE+楽曲の作詞については人生論に関わる内容が多い。DIALOGUE+なりのユートピアとは何かを考えていきたい。

M1. かいかいせんげん!

いつも通りメンバー8人による諸注意ののち(個人的にさっぴの「ご退場いただきます(怒)」がなくなったのが寂しい)、まなてぃの『かいかいをせんげんします!」で開始。
大体のアーティストはライブの始まりにSEを使っていてそれが始まりの合図の役割を果たしている。DIALOGUE+のこの曲はそれも生演奏生歌唱でやっちゃおうという曲である。DIALOGUE+とようこそハローハローしか歌っていないのにこんなに楽しいことはない。
この曲はぼくたちのかくめい!からあるので歴史が長い。5周年を祝うなら1曲目にあるべき曲である。

M2. はじめてのかくめい!2023

『DIALOGUE+概論その1 挨拶は元気よく』
初手に挨拶代わりのデビューシングル。アニバーサリーライブとしてここまで納得の出だし。やはりre-arrangeに伴いセリフパートを入れたのはあまりにもグッジョブである。
この曲一つでDIALOGUE+の5年をよく示していると思う。声優音楽の「かくめい」をデビュー早々宣言し、しれっと地味にD+1でリメイクされ、編曲者が法を犯してお蔵入りの瀬戸際に追い込まれ、経線横浜ファイナルで編曲を変えて復活。ぼくたちのかくめいは、まだまだ続くとのことである。

M3. 20xxMUEの光

間髪いれずラジオの周波数を調整したようなイントロが鳴り、一気にボルテージを上げる。
『素晴らしい人生は 素晴らしい出来事を 素晴らしいと感じられる しなやかなハート』。意外とできてないことかもしれない。
演奏後のMCは手短に、最大曲数の宣言。

M4. シュガーロケット

『DIALOGUE+学概論その2 私たちはいつだって最強である』
この曲本当に大好き。間奏→跳びポ→Cメロが最強である。ロックサウンドがベースにあるので生バンド演奏も映える。
『無茶でおかしな誰かの夢でこの世界も生まれたんだろう』D+の中で一番好きな歌詞。ユートピアは無茶でおかしな誰かの夢だろうか。

M5. チャンバワンバfancy!

やるだろうなと思われていた新曲。振り付けがバブリーすぎる。
バカソング枠(褒めてる)枠としてこれからいい使われ方をするだろう。
6歳児(最近6歳児感ない)やかんの良さがよく出ている曲だと思う。
やかんが持ち忘れたおやつは…

M6. パンケーキいいな

まさかのパンケーキ。多幸感が溢れるサウンドをしていてお耳が幸せになる。キーボードいいな。
M4~6は「セトリをぶち壊さない範囲でやりたいことをやる」という感じがした。おやつ持った改造は大方予想がついていたしたぶん秋ツアーでもやる。チャンバワンバは癖が強いので場所としてはここがよかったと思う。

M7. 人生イージー?2023

「頑張って! 頑張って! き・み・の・じ・だ・い・だ!」と歌ってからのイントロ。あまりにきれい。
人生イージー?はそのまま終わるとエンディング感が増してしまうが、アウトロをカットしたことで次への繋がりが良くなった。人生イージー?を流れの区切り以外で使うことは多くなかったと思うので、新しい使い方である。
『生きるって難しいな それでも同じくらい素晴らしいな』人生は間違いなくハードであるがそれを楽しめるかどうかである。挫折のない人生ってたぶん楽しくないんだろう。

M8. 僕らが愚かだなんて誰が言った

ぶつ切りでドキッとさせてからの81歌い出し。音源と違い細かい楽器がない分、ドラムの力強さが伝わってくる。
アウトロ引き延ばしからのゆーなまゆゆんソロダンスはいままでにない試みだった。フォーメーションダンスは一つの強みであるが、ゆーなまゆゆんはこの強みを実現するためこれまでDIALOGUE+の踊りの面を引っ張ってきたであろう。この曲は特に踊りのかっこよさが活きる曲であり個人の強みを引き出していた。ユニットとしての強み、8人個々の強み。それがバランスよく配合されているライブだった。

M9. 誰かじゃないから

『DIALOGUE+学概論その3 時に全力で時に美しく』
ゆったりとした踊りと掛け合いのような歌。こっちの世界に引き込もうという感じがした。というか耳中田淵が僕ならそう言っている。
今回のキー曲その1。この曲をどこかで入れるのは想像できたが、今までのDIALOGUE+にはないタイプの曲だった置き場所に困るのではないかと思った。しかし前後に余白を置くことでdisconnectさを排し、一曲だけでブロックを構成しうるいいアクセントだった。

M10. めっちゃオンリーユー

『DIALOGUE+学概論その4 かわいいと思ったらかわいいって言う』(カワイイー)
オンリーユー、世界定理とONIGAWARA-CUTEな曲が並ぶ。誰かじゃないからの「美しさ」と打って変わり「かわいい」の一面を発揮するブロックとなった。せかいきょんかわ計画でおなじみきょんくみちょーがフリやったのもうなずける。

M11. 恋は世界定理と共に

ラスサビ跳びポ最高曲。愚かと世界定理は同じくシングルでありながら最近あんまり使ってもらえていないという印象を持っていたので日の目を浴びて嬉しい。
そしてセリフパートからのやばきゅん示唆。朗読的要素は声優アーティストとして必須の要素でありで、謎キスの2人と詭弁部の読書好きのやかんというのは良いチョイスである。
やはり、内山悠里菜はヒロインである。

M12. やばきゅん♡シューベルト

フレファンから皆勤の曲。跳びポ&跳びポ。パンチパンチ。この00年代みたいなちょっとオールドな感じが癖になる。そういえばこの曲ラブソングだったわとONIGAWARA-CUTEの流れで思い出す。「ラブソングは突然に~What is the name of that mystery?~」というユニゾンなんたらの曲があるがそれに近い感覚。

M13. ダイアローグ+インビテーション!

やばきゅんのアウトロで加速してインビテーションの入り、親の顔より見たねーね煽り。煽りがうますぎる。ユートピア学概論につなげるにあたりちょうどいい入り。
普段であればDIALOGUE+へのinvitationであるが、今回は完全にユートピアへのinvitationであった。摩訶不思議で未開拓な、めちゃくちゃではちゃめちゃすぎる、そんなユートピア。

M14. ユートピア学概論

今回のキー曲その2であり、ライブの軸となる曲。なんかもうひたすら楽しかった。振りコピが楽しい。時間止めるのは最近だとユニゾンのrevivalCITSで見ましたね。君をストップモーション♪
田淵Pは5周年でこの曲を出すことを前提として動いていたような感じがする。それくらい集大成感のある曲である。
この曲がDIALOGUE+UTOPIA=?の手がかりであることは間違いない。この曲だけでnote一本書ける(かくとはいってない)。
『DIALOGUE+学概論そのn(nは自然数)』の言い回しは『この世の理その1』から来ている?

M15. 夕空航路

一つの区切りを迎え長めのMCが入る。ここでは5周年を振り返るトークが展開される。このライブ中自分の言葉を伝えられるのはここだけなので十分に時間がとられていたし各自思い思いに話せたのではないか。MCが長いとダレる人もいるらしいが一回だけならいいんじゃないのと思う派。MCではまなてぃがギターの佐々木さんとわざとらしいほどに目配せしながら終わりのタイミングを探っていた。このシーンに限らず歌と踊り以外でも細かいスパイスを加えられるのが強みだと思う。

『DIALOGUE+学概論その5 友達や仲間を大切に』
MCでこのトーク内容だったおかげで夕空航路の流れが良い。
夕空航路では平和な日常が描かれている。この曲で言及される”宝島”こそユートピアなのではないか?『宇宙一平和なじゃんけんでもしよう』。ユートピアである。

M16. フレンドファンファーレ

フレンドファンファーレでバーチャルお寿司繋ぎが実現。
この曲も考えさせられることが多い。アニタイでもないのにライブタイトルにまで昇華させた意味がわかってきた。アーティスト名らしく会話がメインテーマ。
『決心はmaybe 誇りが9割で1割霧がかかってる これをどうしよっか?』これをさっぴが歌うことの意味。
『愛して愛して愛で地球を全部埋めつくせ』ユートピア=愛で満たされた地球?

M17. セッション~大冒険をよろしく

ゆったり曲から小休止してセッションからの最終ブロック開始。なんちゃらスクエアガーデンで何度も見たやつ。
Dr.浩之さんの繊細なドラムからセッションが始まる。ちらほら座席で休憩している人もいましたが、生バンドのライブの醍醐味なのでぜひログっ子のみなさんには休憩しないでいただきたい(パワハラ)。一緒にバンドの振りコピしないか?

『DIALOGUE+学概論その6 力の限りジェッ飛ばせ』
人間は2つに分けられる。この曲で隣の人と肩組めるか、そうでないかだ。僕は一度もない。スプらっしゃいなら…
こちらも人生イージー?同様、アウトロカットでエンディング感を除去した。新しい使い方。一つの曲に色んな役割を付与できるとライブの幅は一気に広がる。

M18. D+ has come(名古屋兵庫)、ガガピーガガ(東京)

『ってことでよろしく!』の合図とともにエンジンの始動音のようなイントロが開始。最終ブロックの頭に配置することでrebootがかかる。
この繋ぎは相当に激しくていいなと思いきや東京ではガガピーガガに変更。D+1東京ファイナルを思い出す。イントロがちがーう!!のわくわく感。この曲といいカップリングはつよつよ曲が多すぎる。カップリング縛りライブやろうね♡

M19. これは訓練ではない

『DIALOGUE+学概論その7 突如来る新曲に気を付けろ』
群馬公演を諸事情で欠席したので本当に新曲。最後のロングブレスが非常に気持ちいい。さすがまゆゆん。hascomeの出力を少し抑えて代わりに長くするとどうなるかという曲の印象。D+3の最後の曲だろこれ。
ところで名古屋尼崎ではハヤシング繋ぎだったわけで今回同作曲者繋ぎ多くね?

M20. イージー?ハード?しかして進めっ!

この曲そのものが人生論である。これだけでnote1本書けるくらい(かくとはry)なので詳細まで踏み込まないとして、トリ前に置いたことで5周年の時系列もすっきりする。
はじめてのかくめいからスタートし、ここからは『大革命』である。でかいことぶちあげると恥ずかしくもなるが『そういうのが人生!』

M21. ぼくらは素敵だ

『DIALOGUE+学概論その8 また会う約束をしよう』 
今回のキー曲その3。本当に大好きな曲だったので感極まってしまった。新しく振りを追加したわけだが、向かい風に逆らっての振りが本当に良かった。
『ずっとこの絆が続いてほしいというなら 足を止めて言い訳つけて安心してちゃダメだ!』この言葉の元5年間を歩んできたのだ。
この曲は初期の曲でありながら、節目節目でDIALOGUE+のこれまでを全肯定し褒め称えるかのような曲に化ける。まるで先を見越していたかのように。田淵智也は本当に恐ろしい作詞作曲家である。

En1. おもいでしりとり

僕は「アンコールは添えるだけ」だと思っている。スラムダンクの『左手は添えるだけ』のパクリ。所詮本編ではないし。極論アンコール呼ばれなかったらないし。だからあんまり気張らないほうがよい。
アンコールって3回くらいしか言ってないのに登場。最近の○ニゾンスクエアガーデンさんのようなアンコール登場までの短さ。ユニゾンより短かったまである。
でもさすがに休憩しながらMC。うんそれでいい。
ここが告知(チャンバワンバ、WITH夏川椎菜、D+3リリース)のコーナーになった。毎回告知があるのは生きているユニットの証である。せっかくなので大事な告知は全部ライブかBOXでやってしれっとツイートするのやめようぜとか思ってる。BOXっていい媒体ですよ。
D+で圧倒的再生数を誇るこの曲、本編から外れてしまったわけだが、LiE?で重責を担ったこと、内容としては人生論的なものからちょっと外れるからアンコールになったと考える。

En2. ユートピア学概論

ユートピア学概論、自由形の部。アンコールはこういうのがいい。おまけなんだから自由にやればいい。疲れてんだからフォーメーションなんて崩しちまえばいい。
アンコールは添えるだけとはいい、最後に演奏することを考えるとあまりにコンセプトから外れると変になってしまう。その点でユートピア学概論再来は適切だったのではと思う。あえて言えば、うっそー動画ですのくだりはアンコールでやった方がよかったかも。
思えばデビューシングルで始まり最新曲で終わる。「アニバーサリーツアー」である。

結論

今回のライブの何が「最高」なのか

・繋ぎが非常に気持ちよかった。間延びしない構成。
 アウトロをやると区切り感が出てしまう曲(イージー、大冒険)をアウトロカットすることで真ん中で上手く使うことができた。
 セリフや一部分歌唱による次の曲示唆。ただ演奏するより盛り上がりが違う。
 淡泊になりがちだがなくすわけにもいかない休憩タイムをメンバー個人に充てることでシームレスに。
 田淵智也がセトリを組むと基本18曲となるところ、「最大曲数」とぶちあげ21曲やった。今までの感覚からすると長く感じるかもしれないが、ダレる箇所が特に思い当たらなかった。
 誰かじゃないから、ユートピア学概論、ぼくらは素敵だの3つのキー曲を中心にいい流れだった。
・5年間を振り返るセトリ
 かいかいせんげん→はじかく、トリ前しかして、トリ素敵だ、オーラス概論。5年間が凝縮されている。
 ガガピーサプライズというD+1の再現。puzzleを思い出させる夕空航路。
・映像の不使用
 映像を使用しなかったことにも言及したい。田淵Pの「フォーメーションダンスを見せたい」というのに同意している。映像は副次的な要素であって観客に目線を向けさせたい場所ではない。パシフィコは箱がでかすぎたので映像の意義があったが、今回の会場はその必要がなかった。
 大きいライブで映像を使わないという試みをしたのが確かフレファンが初めてで、うまくいったからそのまま採用したのだろうと思う。もちろん映像演出が盛り上げることもある(メンバー登場時、puzzleの夕空などの歌詞表示、D+2コンプリートなどのオンライン併用型ライブにおける配信演出との両立、LiEのAYAFUWA asteriscなど)。

DIALOGUE+が駆け抜けた5年とはなんだったか

 ユニット活動を5年間同じメンバーで続けるのは簡単なことではなく、メンバーが入れ替わったり、そもそもユニットが5年続かなかったり、そんなことはざらにある。もちろん同じメンバーでい続けることが必ずしも正義ではなく、ある種の新陳代謝をすることでユニットが進化するという考え方もある。
 しかしDIALOGUE+は乗り越えた山が大きい。コロナ禍、内山悠里菜・緒方佑奈の活動休止、宮原颯希の学業。他のメンバーにも何らかの苦悩はあったはずだ。思えば活動初期を支えたプロデューサーも失った。田淵智也総合プロデューサーだって楽曲提供は幾度とあれど、このようにユニット活動を完全プロデュースすることは初めてのはずだ。
 このセトリは大事なライブのことを思い出させつつ、自分たちのことを歌った曲が要所要所にちりばめられており、5年間を想起することができた。そしてDIALOGUE+、いや、ぼくらは、素敵だ。

DIALOGUE+なりのユートピアとは何か

 DIALOGUE+の示すユートピアは、「彼女たちについて行くことで見えてくるのだ」と言っている気がした。そもそもユートピア学「概論」である。大学の講義でもそうだが概論の講義では全体はなんとなく見えても実態がつかめない。僕の大学だと「○○総論」という授業が1年のときにあったが、そこで細かい力学の数式を扱うわけでもないし新たな概念を知るわけでもないから大学に入ってなにか進んだという感覚がなかった。こっからなのである。
『もちろん君も連れていくぞ!』『ユートピア目指し全振りです!』。『それがユートピアと呼べそうだ!』。呼べ「そう」なのであって呼べると断定しているわけではない。
 ユートピアを見に行くため、これからもDIALOGUE+についていくのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?