ナモナキウタ

本当の僕を聞いてよもっと届かない声のまま
最低な僕をこのまま殺さないで
心の奥のそのずっと奥に突き刺さった
錆びた切っ先をまだ抜けないでいるんだ

「ありのままの僕を見して」
「自分のことを愛して」って
何も知らないで聖人気取りさ
今のままの自分を見て
大丈夫って言葉で
麻酔をかけて眠りについた
もうこのまま目を覚ましたくないな

死んでしまえと思った夜に限って神様は温厚で
最後の希望を求めてしまうよ
もう何回目だったか最後って言葉を繰り返してみて
最初の希望はなんだっけな

淡い夢の中に生まれ落ちたような
切ないほどに儚い幻想に
手を伸ばして、掴めなくて
逃れられない現実に
引き戻されてしまう

影取り、足踏み、立ち尽くした未来
蔑み、知らんぷり、嘘ついた時代
夜風に揺蕩う想い、夜霧を纏った

本当の僕を聞いてよもっと届かない声のまま
僕をこのまま殺して

死んでしまえと思った夜に限って神様は温厚で
最後の希望を求めてしまうよ
もう何回目だったか最後って言葉を繰り返してみて
最初の希望は
死んでしまうと思った夜に限って神様はぞんざいで
最後の希望を届けてくれやしない
もう何回目だったか最後って言葉を繰り返してきた
最初の希望は叶ったよ

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