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Aちゃん、天国へ旅立ちました。

3月22日の朝、Aちゃんが息をひきとりました。介護生活を見守ってくださった方々、ありがとうございました。

3月に入ってから、食事が少ない日が増えてきて、点滴に通う日が増えていました。3日に1回だったのが、3日通って1日休んでまた行って……といった感じで。後半は、ほぼ毎日点滴でした。吐いてしまう日も増えてきていて、点滴と一緒に吐き気止めの注射もしてもらっていました。

家では、コタツか自分の寝床でのんびりしていることが多く、トイレも自分でできていました。ヨロヨロはしていましたが、まだ階段も登り降りできて、のんびり過ごしてくれていました。

亡くなる前日、朝いつも通りに点滴に行って、帰ってきてから、コタツで寝ていました。その日の午後あたりから、少し様子が違うな、と思いました。立ち上がるのが困難になって、立とうとしても後ろ足が支えられず、ぐにゃっと崩れてしまうようになりました。

これは、今夜か明日には、危ないかもしれない。3年前にもう一匹いた猫Cちゃんを看取ったときのことを思い出し、覚悟をしました。

リビングのコタツと、コタツからすぐ横の毛布を行ったり来たりしながら過ごしていたので、その日の夜は、リビングに布団を敷いて夫と二人でAちゃんを見守りながら寝ました。といっても眠れるわけもなく……ウトウトしては起きてAちゃんの様子を確認して、またウトウトして、という一晩でした。

朝5時を過ぎた頃でした。
呼吸が少し荒くなってきて、うんちをもらしました。これはいよいよだ、と思い、夫と起き上がり、ずっとAちゃんを囲んで見守りました。うんちをきれいにして、ヨダレを拭いて、ペットシートをたくさん用意しておいて良かったです。

そのうちオシッコをもらして、ああ、やっぱりお別れなのだ、とわかりました。今まで、まったくおトイレの粗相のなかった子です。

少しずつ呼吸が荒くなって、そのあと、呼吸が浅くなって、呼吸の回数が減って、とてもとても穏やかな、安らかな、静かな時間でした。

朝7時40分でした。
最後に浅く呼吸をすると、そこで最期でした。

あまりにも穏やかで、安らかで、眠っているのかと思うほどでした。

ヨダレで汚れてしまったお顔と手を洗ってあげて、お尻も洗ってあげて、櫛をしたら毛がふわふわになりました。本当に、ただ眠っているだけのように見えました。

寂しくて悲しくてたくさん泣きました。でも、最期の最期まで、私たちに心配をかけずに、穏やかに逝ってくれたAちゃんは、立派で優しいと思いました。きっと、最期が穏やかでないと、私が気に病むと思ったのでしょう。安らかに看取らせてくれました。私も夫も、幸せだと思いました。

翌日23日にお葬式になったので、一晩一緒に過ごしました。体を冷やしながら、ときどき抱っこすると、まだ生きているのではないかと錯覚しそうで、そういう心の区切りのためにも、お葬式や土葬などの節目というのは、必要なのだと思いました。触れる体がそばにあると、いつまでもいつまでも、受け入れ難いものなのだと思いました。何度も撫でながら、かわいいかわいい、と声をかけてしまいます。なんだか、手放せなくなりそうな気さえしました。やはり、区切りが必要なのでしょう。

もう15年くらい前に、ひとり暮らしのときに一緒にいたウサギちゃんを火葬したときからお世話になっている葬儀屋さんがいらして、丁寧なお葬式をしてくれるところだと知っていたので、Aちゃんも、そこでお葬式をしていただきました。

火葬の前に、お花や好きだったごはんやおやつ、おもちゃに囲まれたAちゃんを抱きしめて、本当にお別れなのだと思い、涙が止まりませんでした。触れる体がなくなるときに、本当にお別れなのだと思いました。

大好きだよ。
ありがとう。
ごはん食べてね。
おもちゃで遊ぶんだよ。
大好きだよ。
かわいいね。
ありがとう。

何を伝えても伝えきれないほどの感謝と愛しさが溢れて、Aちゃんと出会えて本当に良かったと思いました。18年も一緒に暮らせて、私は本当に幸せでした。

火葬は1時間から1時間半くらいで済みます。それを待っている時間の間が、私をどんどん穏やかにしていきます。Cちゃんのときもそうでした。お別れをして、火葬してもらうのを待つ時間。この1時間半くらいで、私は少しずつ、お別れを受け入れるのだと思います。

お骨になったAちゃんは、骨になってもかわいかったです。この感覚は、ちょっとうまく表現できないのだけれど、Cちゃんのときも思ったんです。骨になってもかわいい。不思議ですが、その通りなのです。ひとつひとつ骨を骨壷に入れながら、骨になってもかわいいね、と言いました。

骨壷を抱いて帰りました。
15年前に他界したウサギちゃんと、3年前に他界したCちゃんのお骨を、やっと出してあげられました。3匹並んで、きっと寂しくないことでしょう。

これで、猫がゼロ匹になってしまいました。今は積極的に新しい家族を迎えるつもりはありません。しばらくゆっくりしたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

もし、してくださる方がいましたら、ありがとうございます。サポートは猫の病院費用に使わせていただきます。