今年特にぐっときた創作2021
今年も一年たくさんのnoteを読ませていただきました。
野やぎさんが、100の小説を読んで感想を載せる、というものすごい記事をお書きになっています。尊敬。
私は100もできないけれど、個人的に今年ぐっときた創作をご紹介させていただきます。ぐっときたエッセイももちろんありましたが、創作に限定しました。あくまで個人的な好みです。もし紹介されたくない、という方がいらしたら、言ってください。
順不同です。
「しゃべるピアノ」志雨さん
ショートショートnote杯に投稿された小説です。このお題はほっこり系が多くて、これも、ほっこり&お涙系かな?思いきや、結末が予想を裏切っていて、私はとても心地よかったです。プラスの方向に裏切るって難しいと思うんですが、これは温かい気持ちになる好きな小説でした。
「バナナATM」ぼんやりRADIOさん
ショートショートnote杯に投稿された小説です。家族ものとしても、ほっこり系としても素晴らしいですし、ショートショートとしてのアイデア、不思議さもありますし、それだけじゃなくて、これっていわゆる「親殺しのパラドックス」なんですよね(殺していませんが)。「親殺しのパラドックス」大好きなんですよ。考えていると夢中になりすぎて心がどっかに行ってしまいます。個人的には、私のショートショートnote杯大賞は、これです。
「欠くとき、書くこと」小牧幸助さん
毎日ショートショートをお書きになっている有名人ならぬ、有名シロクマさん。シロクマさんがお書きになりたかったことと、私が汲み取った感情は全然違うのだろうと思うのですが、個人的に自分の気持ちと非常にリンクしてしまって忘れられない小説となりました。私は、もともと自分は何かが欠けた人間だと思っていて、だから書くのだろうと思っています。欠いているから書いていて、泥沼を掻きながらも書いていて、書くことで欠いている自分を開放したいと思いながら書いていて、そんな自分を「そのままで良いんだよ」と言ってもらった気がいたしました。欠いたまま書いていけばいい。それでいいんだよ、と。
「青色のおままごと」湖嶋いてらさん
最近、ついにご本人に「ずっとファンです」と告白してしまいました。私みたいな、どっかの側溝に品位を落っことしたまま大人になってしまったような人間は、関わってはいけないタイプの上品な文章をお書きになる方です。エッセイも素晴らしいのですが、この小説は絡まるような上品な官能が静かに綴られていて、私ごときの語彙力ではうまく感想が言えない小説です。未読の方は、読んでください。
「前略」涼雨 零音さん
これは、最初に読んだときに、大げさじゃなく天を仰ぎました。もはや嘆きです。言葉で感想を言ったらこの小説の世界を壊してしまいそうで、何も言えません。そして後日談を拝読して、たった30分でこの作品が書かれたことを知り、私はまた天を仰ぎました。こういう才能を目の当たりにすると、私みたいな凡人は、ひたすら頑張って努力するしか道はないのだ、と突きつけられます。
「流星葬」闇夜のカラスさん
まずタイトルが素敵です。葬と書いてあるから、悲しいお話なのかしら、と思います。でもとてもきれい。死んだらお星様になる、なんて言い方をするけれど、本当にきれいなタイトルです。お話は、最後までただきれいなことばかりじゃないのがとても人間らしくて良いです。好みです。だって、良いことばっかりじゃないですもの。嫌なことだって、たくさんあります。それでも、きっと夜空を見上げて、私はきっと笑いながら泣いてしまうのです。
私自身は、死んだら海に流してほしいです。焼かなくていいです。海の、沖のほうに、放置してください。
「複層住戸」yomsさん
唯一漫画です。ネタバレしたくないから何も言いません。めちゃくちゃおもしろいから、読んで!としか言いません。読んで!とにかく読んで!おもしろいですから!
以上となります。
今年出会えた創作は、もっとたくさんたくさん紹介しきれないほどありますが、特にぐっときたものを選ばさせていただきました。私なんかの紹介なんて何の足しにもなりませんが、ただ私が個人的に好きでした、と告白するだけの記事です。来年もたくさんの創作に出会えると思うと胸が踊ります。そして自分も、おもしろいものを書くぞ!という気持ちになります。来年も、素晴らしい創作で溢れた一年になりますように。
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