Waifu labs攻略ガイド
※この記事はゲーム配信者マグロヘッド氏による企画「ワイフグランプリ」を考慮して執筆されたものです。Waifu labsの一般的なプレイとはレギュレーションが異なります。
『Waifu labs』とは、AIによるイラスト自動生成システムによって自分好みの「嫁(Waifu)」を作ることができるサイトである。
2019年、ゲームストリーマーの柴田裕介氏がこのサイトのゲーム性に注目し、「各フェーズのスキップ禁止」というレギュレーションを設けた上で、誰のワイフが一番かを決める企画「ワイフグランプリ」を開催したところ予想外の盛り上がりを見せ、今や新たなeスポーツとして認定すべきとの声もある。
第一回ワイフグランプリ決勝の様子。視聴者総数から判断すると、おそらく僅か一票差での決着。異常なコメントの量からも当時の白熱ぶりが伝わってくる
この大会で勝ち抜くには、相当なレベルのワイフを作成する必要がある。そのためのWaifu labsの攻略法を、直近のグランプリでそれなりの成績を収めている筆者がまとめてみたので、初心者ワイファー諸兄は是非参考にして欲しい。
Waifu labsの基本的な仕組み
『Waifu labs』では、四つのフェーズでそれぞれ提示された画像から一つを選択し、最終的なワイフを作成する。
①Start here:初期ワイフを決める
②Color palette:色を決める
③Detail:ディテールを決める
④Pose:ポーズを決める
このサイトには「スキップ」という機能があり、必要ないと思ったフェーズは飛ばすこともできるのだが、ワイフグランプリではスキップ禁止というルールが設けられている。 このルールによって、なかなか思い通りのワイフを作れないというゲーム性が生まれ、ワイフグランプリをより奥深いものとしている。
実際にやってみると、可愛くて綺麗なワイフを作るのは意外と難しいことが分かるはずだ。
では、魅力的なワイフを作るにはどうすればいいのか? そのためには、まずは各フェーズでワイフのどんな要素が変化するのかを見極め、どんな要素を重視するかを知る必要がある。
第一フェーズで選ぶべきワイフ
Waifu labs初心者が陥りがちなミスとして、第一フェーズで好みの女の子を選んでしまうというものがある。これは大きな間違いである。
実はWaifu labsのシステム上、スキップを用いないのであれば、第一フェーズから最後まで残りやすい要素はごく僅かなのだ。
①背景
上の画像のように、ワイフの周囲に斑点やもやのようなものが現れることがある。これらは「背景」と呼ばれるもので、上手く利用すればワイフをより引き立たせることができる。
②濃淡
濃淡はここと第二フェーズの組み合わせによって大体決まる。淡い感じのワイフが環境を取っている時は重要な要素。
③表情
表情は主に第三フェーズで決まるが、第三での表情の変化(特に目元)は第一フェーズにある程度引っ張られるので、ここで多少厳選した方が後々楽になる。
④色の組み合わせ
例えば髪の色と目の色が同じであれば、第二フェーズを経ても同じ色になりやすい。(ただし第三フェーズでも大幅に変わる可能性あり)
⑤レア要素(メガネ、目つぶり、目隠れ)
Waifu labsには隠し要素(?)として、メガネや目つぶり、目隠れのアルゴリズムが組み込まれているらしく、ごく稀に出現することがある。他とはひと味違うワイフを作りたいなら是非とも選択したい。
第一フェーズで残しやすい要素は、主に以上の五つである。逆に言えば、これ以外の要素(絵柄、全体の色彩、帽子を除くアクセサリー、ポーズ)は一切残らないので、考慮する必要はほぼない。第三段階に多少影響はするが、背景などの要素の方が余程重要なのだ。
結論として、第一フェーズでは「後の段階で付け足しにくい要素」「後々化けやすい要素」のあるものを選ぶとよい。
①レア要素持ち
これらは後で付け足すのが非常に困難。最初からあるのは激レアなので、絶対に選択するべき。ちなみに「手」は第三段階で確実に崩れるので、ポーズ目当てで選ぶのはNG。
②背景持ち
背景がつくのはここか第三段階になるが、背景は「工程を経るほど面白く化けやすい」という性質があるため(後述)、背景を付けたいならここで選ぶのが吉。
③謎オブジェクト持ち
武器のような謎のオブジェクト等、ヘンテコな要素は最後まで残ることはまずない。しかし工程を経ると化けやすいので、他にないワイフになる可能性が高い。
④カビがない
上の画像のように、ワイフにはしばしばカビが生えたような不自然な斑点が生じる。この「カビ」は除去することが難しく、第三フェーズを経由しても残ることが多い。初期段階のうちからなるべく避けておきたいところ。
第二フェーズの意味を理解する
第二フェーズでは、ワイフの色を変化させることができる。他のフェーズと比べて地味なため軽視されがちだが、ここのフェーズで「何を決めているのか」を理解しているかどうかで、ワイフの完成度は格段に変わってくる。
①全体の色調
第二フェーズは「色を変える」工程なのだが、厳密には「色調を変える」工程である。第二フェーズの名称が「カラーパレット」であることからも分かるように、ペイントソフトで言うカラーパレットの変更をしているのだ。
左右の選択肢では髪の色しか違わないように見えるが、左は暖色(赤系)と寒色(青系)が共存しているので色彩豊かに、右は全体的に寒色系で占められているためモノトーンになりやすい。
②陰影(コントラスト)
実はこのフェーズでしか表現できない、非常に重要な要素。ここで色の濃い部分と薄い部分がはっきりと出ているものを選ぶと、一方向から光がさしているような神秘的なワイフが作れる。
上の画像は第二回大会前の模擬戦で図らずも優勝してしまった筆者作のワイフ。後ろから光がさしているような陰影が出ている
③濃淡
第一フェーズと合わせて、ここでどう濃淡を変えるかによって「はっきりした感じ」「淡い感じ」を変えられる。
④背景
濃淡に付随して、背景の濃さも変わる。注意点として、背景を薄くしすぎると第三フェーズで修正がかかり背景が跡形もなく消えてしまう。多少濃くても次フェーズで潰しが利くので、濃い目に調整すると良い。
この関係で「淡い雰囲気で、はっきりした背景がある」ワイフは実はかなり難しい。チャレンジする価値はある。
「色調」「コントラスト」といった単語から、写真加工を連想する人も多いと思われる。その通り、第二フェーズの実体は「写真加工をランダム試行する」ことなのである。
第三フェーズを全力で楽しむ
あらゆるワイファーから鬼門と呼ばれる段階が、第三フェーズ。ワイフにおいて(というよりイラストにおいて)最も大きな要素「絵柄」をはじめ「髪型」「服装」「表情」まで変わるため、ここを通過すると全く別物になることが多い。
①絵柄
絵柄変わったらそれもう別物じゃん!と思った方、その通り。同じキャラを別の絵師が描いたとかそういうレベルでなく、全く別物に変わる。髪色まで変わることも。
左が第二フェーズ後、右が第三フェーズ後。別物やないか!
②目元
表情は第四段階でも変化するが、「ツリ目・タレ目」「ツリ眉・タレ眉」などの目元の雰囲気は第三段階でだいたい決まる。平凡な表情にならないためには大切な要素。
③髪のボリューム
髪型は第四段階で大きく変化するが、ショート・ロングなどの髪のボリュームはここで決まる。
④服装
服装はここで大きく変わる場合がある。急にオシャレなドレスになったり、制服を着たりすることも。半数くらいは服の色まで変わってしまう。
この通り、ほぼ全ての要素がガラリと変わってしまうため、今までの厳選作業をぶち壊されたように感じてしまう人も多いだろう。しかし一方で、第三フェーズは思いもよらぬ化学反応を起こす可能性を秘めたフェーズでもある。
第二フェーズまでは平凡だったが、第三フェーズで一気にアトリエ風に化けて完成したワイフ。
第一フェーズで取った謎オブジェクトが第三フェーズを経て服にまとわりつき、独創的なファッションになったワイフ。
特に背景は第三フェーズでの変化が激しく、ここでいかに面白い背景を作れるかが所謂「背景学」の真髄といえる。
率直に言って、第三フェーズを自在に操る攻略法は存在しない。ランダム要素が多すぎるからだ。
だからこそ、このフェーズは変化を楽しむことが肝要であると、筆者は考える。自分のワイフがどのような変身を遂げるのか、楽しみながら見届けよう。
第四フェーズはとことんまで
第四フェーズでは以下の要素が決定され、最終的なワイフが生成される。
ここでは、ひたすらリフレッシュとアンドゥを繰り返して好みのポーズを探ろう。複数ポーズ保存するのも良い。
一度最初からプレイしてしまうと、同じワイフには二度と会えない。納得いくまでとことん厳選しよう。
①ポーズ・アングル
正面、上目遣い、首傾げ、まさに様々。アングルによって雰囲気が全く変わることも。
このような顔面アップや、腕の入ったポーズなどレアポーズも存在する。
②服のディテール
服のデザインに矛盾がないと、高評価を得やすい。是非ともこだわりたい要素。
第二回グランプリにおいて(友人に出場させて)決勝進出した筆者作のワイフ。服装が完璧に整いつつ、ポーズもついている理想的なパターン。左右対称な服にするのは意外と難しい
③アクセサリー
帽子や髪飾り、ネコミミ、リボンなど。
④口元
目元が第三フェーズで決まる一方で、口元は最終フェーズでも変化する。魅力的な表情が出るまでひたすらマリガンすべし。
口元がムスッとした表情。筆者が第一回グランプリに出場した際のワイフだが、結果は振るわず。何が勝てるの?
まとめ
色々と講釈を垂れてきたが、大まかに言えばWaifu labsは次のような流れでワイフを作成するのが定石である。
①第一・第二フェーズで方針を決める
②第三フェーズで変化を楽しむ
③第四フェーズで厳選する
この流れさえ把握してしまえば、あとは簡単。自分の本当に可愛いと思うものを選ぶだけだ。この部分の熱意こそが、ワイフの完成度を上げる一番の要素だと、筆者は信じている。
最後に、この記事がワイフグランプリ参加者全体のさらなるレベル向上に寄与することを願う。まだ参加していないそこの貴方、次回のグランプリ参加を待っているぞ!