The Bibleのカセットテープ。

このカセットテープ。
大切な人に頂いたもの。見つかり喜んでいたら、中身が違うものだった。
悲しい、さみしくて仕方ない。
もう2度と会えない、声を聞くこともメールや手紙で言葉を交わすこともできないのに。
彼のわたしに残っていたひとつがなくなった。

彼は18からの友人で、会わない時期もありながら途切れることなく大切な友人であり続けた。生きていたらおじいちゃんおばあちゃんになってもそうだという信頼感がある。
その彼の記憶のひとつがなくなった。

彼は30代後半で鬱になり、10カ月休職をしていた、その後職場に戻りNHKのアニメのプロデュースを何本か務めていた。8年後再発し3カ月の休職中に亡くなった(自死ではありません)。

彼がわたしに語った言葉を思い出す。
村上春樹の「ノルウェイの森」の出る前だ、だから直子の言葉ではない。
「僕の母の家はね、母も神経質で叔母はアルコール依存、おじいさんもそうだったし、ほら、妹はねそうだろ。そして僕もそのようなものなんだ。」「これは母の家の文化なんだ。」
わたしは「それに乗る必要はないと思うよ」と言うと彼は「ありがとう、ともちゃん。」と言っていた。

あれほど、あんな風な好きな気持ちを持った人はいなかった。男女とかそんなのとは違う。もっと古からのような。

その彼にもらったものがなくなった。

彼はそんなわたしを見てなんて思うかな?「ともちゃんありがとう。」だろう。病気の時もいつも、大変なのは彼なのに気を配ってくれていた。
ありがとう。
あなたに会えたこと本当に幸せです。
いつか生まれ変わりまた会いましょう。またわたしはあなたの友人になりたい。

もう会えない人。

さみしくて切ない。



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