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女風と性的搾取について考えてみた

性的搾取。

この言葉がずっと引っかかってきた。
私がしているこれは、そういうことなの?

「性的搾取」の意味を調べてみる。

内閣府の定義によれば、
「性的な目的での、
 相手の脆弱性や力関係、信頼関係に
 基づく地位を濫用する行為あるいは
 その試み。他人を性的に搾取することに
 よる金銭的、社会的、政治的な利得行為
 も含むがそれに限られない。」
とのことだ。

セラピストの場合、セラピストをやらなければならない何らかの逼迫した事情がある人もいるのかも知れないが、カナメさんにもタツキさんにもそんな事情は無さそうだ。
もちろん、正直に全部私に語っているわけではないだろうけれど、少なくともタツキさんは家族仲も良く、生活もきちんとしていておっとりした朗らかな性格からも、そんな裏事情があるようには全く見えない。
トップを走り続けて1年経って、少しペースを落として自分の時間を作る、と宣言したばかりだ。本当にお金に困ってやむにやまれぬ事情があるならそういうことにはならないだろう。

また、私は相手の弱みを利用して地位を濫用するようなことはしていない。相対的にそのような力関係にもない。

後段の表現も当てはまらない。
タツキさんやカナメさんを「性的に搾取」してそれを金銭的、社会的な利得行為に繋げたりしてはいない。例えば無理やり動画を撮ってそれを商品として売るようなことをするわけがない。考えただけでおぞましい。

私にとってタツキさんは大切な存在で、消費しているつもりも、上に立っているつもりも無い。お金を払っているからいいでしょ、サービスしてもらって当たり前!とも思ったことは無い。
むしろいまだに毎回申し訳ないという気持ちは払拭できないし、会っている時間はタツキさんの大事な人生のひとコマにお代を支払って分けてもらっている、と思っている。
でも、やっぱり、お金を払わなければ会えない関係だし、タツキさんが自発的に私にそういうことをしたいと思ってやっているわけではないから、そこには歪さがあるのは確かで、やはりそれが「搾取感」というか、ある種の罪悪感を生んでしまうんだろうなと思う。
こういうのって、男の人が風俗に行っても感じるのかな?

要するに、相手を「商品=モノ」と捉えているか、「1人のヒト」と捉えているかの違いなのだと思う。

推測だけれど、多くの女性は何の感情も持たない相手と簡単に性交渉できないのではないかと思う。パパ活とか風俗で働くこととかも、最初から何の抵抗もなくできる女性は多くはないのでは、と思う。これも推測でしかないけれど、当然男性にもそういうハードルはあるとは思いつつ、それを突破するのに要する決意だったりエネルギーだったりは、女性の方が求められるのではないか。

言い換えれば、女性は自分がそういうことをすることに何らかの理由や意味付けが必要な場合が多くて、それはもちろん、レスだから、相手がずっといなくて淋しいから、などの初動的な動機もありつつ、その先には、この人のことが好きだから、少なくとも何らかの好意を持っている、または持っている瞬間がある、という「理由」が必要なのかなと思う。
だから、行為を通して肉体的にも心理的にも距離が近くなって、本当に好きになってしまう、というのは決して珍しいことではないのではないだろうか。

その他に考えられる可能性は2つ。
1つ目は、ある意味、認知的不協和、つまり、本来なら矛盾を孕んだ行為なのだけどそれを後付けで納得させる理由を脳が作り上げる、というプロセスでそう感じる場合。
2つ目は、「そう思った方が楽しくない?」という前提で確信犯的に自己暗示をかけている場合。
自分はどれかな、と思った時、この3つが絡み合っているのかな、という結論に達した。

ただ気持ちよくなりたい、性欲を解消したい、というだけなら、そんな複雑なことを考える必要は無いのだ。
シンプルにいかないのは、そんな単純な理由だけで女風を利用していないからだと思う。
お誕生日と聞けば、できるだけ本人の役に立つ素敵なものをプレゼントして喜ばれたいと思うし、美味しいものやきれいな景色があれば、一緒に味わいたいなと思う。
活躍していれば嬉しくて応援したくなるし、性感の間は気持ちよくて我を忘れつつも、これはイヤじゃないかな?こうしたら気持ちよくしてあげられるかな?と考える。
それはもちろん、好きだから、なのだけれど、どうにか「商品=モノ」というカテゴリーから相手を抜け出させて、「ヒト化」したいからで、同時に、相手にとっての自分も、一瞬でもそうであって欲しい、と願うからだ。

女ってつくづくめんどくさいというか、かわいそうな呪いをかけられているな、と思う。
だってきっと、飲み会の帰りとかに上司に誘われて、ちょっと寄ってく?みたいなノリで風俗に行く男性は、こんなこと微塵も考えていないだろうし、考える必要も無いんだろうな、とちょっと羨ましくもなる。

でも、どんな脳内プロセスを経ようが、どんな理由づけがあろうがなかろうが、私が今タツキさんに夢中なのは確かだ。

カナメさんとの関係はまたちょっと違うと思う。恋愛的な「好き」という気持ちを持ったことはないし、そういう意味でドキドキしたこともほぼほぼ無い。どちらかと言うとカナメさんは同志、というか友達、という感じ。一緒に楽しいことして盛り上がろー!おーっ!みたいな感じだ。
でもそこには信頼関係があるし、「友達」と思えるほどの情の交流はちゃんとある。
タツキさんには「彼女」みたいに思ってくれたらいいのにって思うけれど、カナメさんには「友達」として認められたらいいなって思う。それはそれで、「ヒト化」欲求が働いていると言えるのだろう。

もちろん、お金を払っている以上、真の彼女にも友達にもなれる可能性はゼロなわけで、そんな夢は見ていないのだけど、数いるお客さんの中で、「良いお客さん」でありたいなと思うし、彼らが、会っていて楽しいな、気持ちよく会えるな、できれば、「おっ!次はりんちゃんだ!」ってちょっとだけ楽しみにしてくれたらいいなって思う。
でも、お金が介在する以上、これは「搾取」になっちゃうのかなぁ…。
少なくとも、こちらはさんざんプロフィールや口コミや日記を読んで、顔写真や配信で外見や雰囲気を確認して、満を持して覚悟を決めて会うのに対して、相手はこれから自分がキスする相手、キスどころか抱き合って触れ合って舐め合う相手がどんな顔でどんな体型で何歳でどんな性格でどんな性癖で病気を持っているのかいないのか、清潔な人かそうではないのか、といった情報は皆無の状態でお客さんと向き合うわけで、リスクや心理的ハードルは絶対的に対等にはならはいのは確かだ。


結局結論が出ない文章をたらたらと書いてしまった。
読んでいただいた方には申し訳ないけれど、この迷路を一緒に歩いてくれたことに感謝する。

カナメさんには今週、タツキさんには来週会える。
夏休み期間に入ってしまうとなかなか夜が空けられないから、この2回はとても貴重。
2人が、ちょっとでも、DMに書いてくれるように本当に「楽しみ」でいてくれたらいいな。
私はとても、楽しみだよ!


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