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岩木山神社へようこそ!! 参拝前に知っておきたい、見どころと楽しみ方

こんにちは!! りんご娘の彩香です。
みなさん、弘前の誇る観光名所「岩木山神社」をご存知ですか? 地元の方であれば、もう何度訪れたか分からない人もいるくらい、昔から親しまれている歴史ある神社ですよね。

今回、私たちりんご娘も楽曲「JAWAMEGI NIGHT!!」のミュージックビデオ(MV) をここ岩木山神社で撮影させて頂きました!! そんなご縁もあり、もっと多くの人に訪れてほしいという願いをこめ、今回は魅力たっぷりな岩木山神社の見どころと楽しみ方をご紹介していきます!!

執筆にあたり、岩木山神社 権禰宜(ごんねぎ)の須藤典子さんにお話を伺いました。知られざる歴史や見どころとは…!? 

そもそも岩木山神社とは?

岩木山神社は弘前市の百沢(ひゃくざわ)という地区にある神社で、JR弘前駅からバスで約40分のところにあります。「津軽富士」とも呼ばれる岩木山の麓にあり、自然に囲まれたとても気持ちのよい場所です。

岩木山は古くより恵みの根源として津軽全土から崇められていました。絶えることのない豊富な湧き水や、農作物を台風など災いから守り、人々の生活を支え続けてくれた、まさに神様の住むお山なのです。

その岩木山を祀るために、社殿を山頂に創建したことが岩木山神社の始まりとされています。宝亀11(780)年、今からなんと約1200年前のことです。

その後、延暦19(800)年に征夷大将軍・坂上田村麿(さかのうえのたむらまろ)が山頂の社殿を再建し、山頂まで人々が参拝しに行くのが困難なため、麓にも社殿を建立しました。

そして、山頂を奥宮(おくみや)、麓の神社を下居宮(おりいのみや)と呼び、山頂の神社と麓の神社を合わせて岩木山神社というようになったのです。

神様が鎮座する岩木山神社は、地元民から「お岩木さま」「お山」と親しまれ、陸奥津軽の開拓の神、農海産物の守護神の座すところとして崇められるようになりました。

ここで問題。岩木山は「いわきさん」、岩木山神社は「いわきやまじんじゃ」と読みますが、なぜ読み方が違うか知っていますか?

実は、山頂に社殿が建設された780年には、「山」という漢字に「さん」という読みがまだなかったためといわれています。当時から呼ばれていた読み方が、今も引き継がれている、ということですね!

参拝してみよう①〜参道は見どころいっぱい〜

岩木山神社の歴史を学んだところで、早速参拝に行ってみましょう!! 

まずは入り口の大きな白い鳥居(一の鳥居)から、正面を見てみてください。岩木山神社は、山頂にある奥宮に向かって真っ直ぐに立てられています。麓の神社と山頂の神社が一直線になる境内の配置は非常に珍しいそうで、この造り自体が見どころの一つといえるのではないでしょうか!!

あ、そうそう。鳥居をくぐる前に、ペコリと一礼するのを忘れずに。これはお家に「お邪魔します」と挨拶をしてから入るのと同じ意味を持ちます。帰るときも同様に「お邪魔しました」と挨拶をしてくださいね。

拝殿までの約300mは緩やかな上り勾配になっていて、中央には岩木山の石を使って作られた石畳が敷かれています。道の真ん中は神様の通り道といわれているため、なるべく中央は空けて歩きましょう。

ちなみに、岩木山神社は右側通行を推奨しています。これは手水舎(てみずや)が右手にあるため、右側を歩くとスムーズに参拝できるからです。おみくじやお守りが置かれている授与所は左側にあるので、参拝後に寄るといいでしょう。

入ってすぐの白い鳥居(二の鳥居)をくぐったら、右側に注目してください。そこには「五本杉」といわれる大きな神木があるはずです。

じゃん! こちらがその「五本杉」です。

1つの木から幹が5本に分かれて伸びている神木なのですが、これは、岩木山神社には5つの神様が祀られているからではないかと言い伝えられています。 

岩木山神社には、
・顕國魂神(うつしくにたまのかみ)
・多都比姫神(たつひひめのかみ)
・宇賀能賣神(うがのめのかみ)
・大山祇神(おおやまづみのかみ)
・坂上刈田麿命(さかのうえのかりたまろのみこと)

という5つの神様が鎮座しています。神様は「柱」という単位で数えるので、5柱ですね。

(5柱が擬人化された、貴重な掛け軸も見せてもらいました…!!)

それぞれ大国(国)、龍神(水)、稲荷(米)、山の神という津軽の発展を大きく支えてくれた神様たちなので、この神木にも秘めた力を感じますね〜!!
※ちなみに「坂上刈田麿」は実在した人物ですので、「神」ではなく「命」という名がついています

「五本杉」を見てから再び参道を歩くと、今度は「三の鳥居」に出会います。だけど、どこか違和感を覚えませんか?

そう、ここだけなぜか鳥居が朱色なのです。
これは、岩木山神社が津軽藩の総鎮守(全ての神様が集まる場所)とされた江戸時代に深い関係があります。

岩木山神社は、津軽為信・信牧・信義・信政ら4代にわたって社殿等の造営が進んだのですが、その時代に合わせた建築方法やデザインが取り入れられているといわれています。

「三の鳥居」は寛永の間(1624〜44年)に建立された丹塗りの鳥居で、他の鳥居とは建てられた時代が異なることを示しています。これは鳥居に限らず、境内の建物すべてにいえるため、時代によって様々な建築物を眺めることができるのも岩木山神社の見どころの1つです。

同じ境内なのに建物の色もデザインも違うなんて、何だか面白いですね〜。それだけ歴史ある神社ということがわかります!

参拝してみよう②〜楼門・手水舎〜

「三の鳥居」をくぐり、参道をしばらく歩いていると、正面に大きな建物が見えてきました。国の重要文化財、楼門(ろうもん)です!!

寛永5(1628)年に2代藩主 津軽信枚(のぶひら)によって建立されたこの建物は、高さ約18mの圧倒的な迫力があり、岩木山神社のシンボルともいえそうです。「三の鳥居」と同じ時代に建てられたこともあり、丹塗りの朱色であることにも注目です。

そんな楼門を間近で眺めたいところですが、その前に右側にある手水舎に向かいましょう。

手水舎に着いたら、ここでは手と口を清めます。この水は岩木山に降った雨や雪が一旦地中に潜り、なんと250〜300年も前に湧き出た伏流水なのです!! 

長年岩木山の地中でろ過されたお水の味は…!? 早速、手水のお作法を教わりながら飲んでみました。

まずは柄杓(ひしゃく)右手で持って水を汲み、左手を洗い、左手に持ち替えて右手を洗い、右手に持ち替えて左手に溜めた水で口を洗い、そのあと飲んでみましょう。

冷たくて美味しい!!

「岩木山神社の生命線」ともいわれているほど、無くてはならない存在のこのお水。あまりの美味しさに、ポリタンクで持ち帰る人もいるほどです。岩木山のパワーをいただいて、疲れも吹き飛びました!!

最後にもう一度左手を洗い、手水舎を後にして楼門に戻りましょう。

さぁいよいよ楼門から拝殿へ向かいます!!
が、その前に楼門手前の両脇に注目してみてください。

なんと上向きと下向きの狛犬が居るのです!! 狛犬といえば正面を向いて凛と佇むイメージをもっていましたが、上向きと下向きの狛犬とはまた珍しいですよね!! 実はこれ、昔いた力持ちさんがここまで運んできたといわれていて、1つの石から1日で狛犬の形にしたそうです!!

この石柱と狛犬は別々に作ったものだと思っていたので衝撃でした...。日本の技術は昔から素晴らしかったのですね!! 

ちなみにこの狛犬、上向きは金運アップ、下向きは恋愛運アップのご利益があるといわれていて、一緒に写真を撮ったり頭を撫でていく観光客の方も多いそうです!! 

よく見る狛犬より柔らかい印象があって可愛らしいですね!! いいことありますように。

参拝してみよう③〜中門・拝殿〜

狛犬とたわむれた後は、楼門をくぐって拝殿へ。その前に構える中門(なかもん)も国の重要文化財であり、見どころがたくさんありますよ。

門に掲げられた「北門鎮護」の扁額は、岩木山神社が本州最北の位置することから異名として呼ばれています。これを書いたのは東郷平八郎(とうごう へいはちろう)という軍人さんで、岩木山神社は北門を鎮め祀っているということから、日露戦争に行く前に必勝祈願としてお祈りに足を運んだといわれています。

上を見上げると龍神の天井画が。迫力があり、とても格好いいです!! 先ほどの手水舎も龍神から水が出ていましたし、境内のいたるところに龍神様がいます。

よく見ると柱には、人の夢を喰べて生きるといわれる伝説の生き物・獏(ばく)の姿も。また、柱は黒を基調とし、装飾は極彩色の豪華な印象がありますね。

中門を抜けたら、拝殿に到着です。お賽銭を用意して参拝の列に並びましょう。

岩木山神社の作法は二礼ニ拍手一礼。まずは二度深く礼をします。

パンパンと二回拍手して願いをこめます。

岩木山神社には前述の通り、開拓の神様や、農海産物の神様など5柱の神様が集まっているため、健康運や学問・仕事運、愛情運や金運、子宝運などなど様々なご利益があるといわれています。一つの神社でたくさんの運気を揃えているなんて、開運のデパートみたい。とってもお得な気持ちになりますね!!

(私が何をお願いしたかはナイショです…)。

ちなみに拝殿の柱に目をやると、しめ縄が井の文字で結ばれていることに気づきました。これは津軽地方の豊作を願い、結んでいる縄の形を井戸の「井」文字にしているとのこと。細かいところにも工夫がいくつもあり、メディアなどからは全国有数のパワースポットといわれているのも頷けます。

最後にもう一度礼をしておしまいですが、実は拝殿の中も入ることができます。参拝をすませた後は、せっかくなので中ものぞいてみましょう。

拝殿内部は空気が変わったかのように、神聖な雰囲気に包まれています。拝殿は津軽藩主 津軽為信(ためのぶ)が慶長8(1603)年に建立しました。

現在の拝殿が百沢寺(ひゃくたくじ)の大堂(仏堂)として使われていた明治以前、本殿が岩木山神社として神様を祀っていました。明治に入り、百沢寺が廃寺になったため、大堂を岩木山神社の拝殿として使うようになったといわれています。

その奥には黒漆塗りの本殿が見えますが、普段立ち入ることができないため、ここからのぞくと見やすいですよ。

拝殿を出たあとに、ちょっと後ろを振り返って見てください。屋根に虎の彫刻が掘られています。これは津軽為信が弘前城築城を計画したとき、お城を「四神」と呼ばれる守護神の中心に配置したことに由来します。岩木山神社は弘前城から見て西の方角になるので、西に配する「白虎(びゃっこ)」が掘られている、ということなのです。

津軽の歴史がここにも色濃く残っていると思うと、鳥肌がたちました…。

参拝してみよう④〜白雲大神社・稲荷神社・授与所〜

岩木山神社に鎮座する5柱の中でも、稲荷様と龍神様はとても働きの大きい神様といわれていて、「活動的な魂だけ別に社殿を設けましょう」という意向から、中門を背にして左側に「末社(まっしゃ)」と呼ばれる白雲大神社稲荷神社の2つの神社があります。こちらも立ち寄ってみましょう。

白雲大神社は龍神様を祀った神社ですが、昔から龍と蛇は一緒に扱われいて、末社の周りには「白蛇の池」と呼ばれる白い池もあります。

「蛇が好物の卵をお供えしていく参拝客もいる」と聞き、まさかと思いのぞいてみましたが、本当に置いてありました…!! 津軽にとって龍神様がどれだけ大切なのかが伝わってきます。水がなければすべての農作物は育ちませんからね。

稲荷神社は白雲大神社の隣にあり、赤いのぼりが目印です。穀物・農業の神様ですから、農業関係の方などが参拝にいらっしゃいます。

無事に参拝を済ませた後は、授与所でおみくじを引いてきました。神様からの有難いメッセージを読んで、これからの活動に活かします!!

授与所では様々なお守りが販売されていて、最近ではカード型のお守りも人気だそう。御朱印も押してくれるので、集めている人はぜひ記念にどうぞ!!

稲荷神社手前の歌碑には、こんなことが書かれています。

富士みても 富士とやいはむ みちのくの 岩木の山の雪のあけぼの

これは日本を象徴する富士山を見たことがある人でも、「これこそが富士山だ」と言ってしまうほど、山頂に雪が降り積もった朝に見る岩木山がとても綺麗だと言う意味が込められています。

誰が見ても虜にしてしまう岩木山、そしてお山を祀る岩木山神社から、大きなパワーを授かりました!!

MVにも映る、魅力溢れる岩木山神社

さて、私たちりんご娘の楽曲「JAWAMEGI NIGHT!!」のMVは、岩木山神社の名所がたくさん登場します!!

国の重要文化財にもなっている拝殿や楼門でのダンスシーンやイメージカットは特にオススメなので、ぜひ何回でも見てほしいです。夜の岩木山神社には普段入ることができないので、また違う魅力を感じていただけたら嬉しいです。

岩木山神社について色々お話ししてきましたが、みなさんも足を運びたくなりましたか??

ここは、1つに縛られることなく「開運福の神」として地元の方はもちろん、観光客にも今日まで愛され親しまれ続けてきた神社です。これからも津軽人のように、静かな情熱を放つように佇み、人々の心の拠り所となる神社で有り続けるでしょう。

私たちの誇りである青森県、みなさんのお越しをお待ちしてます!!

岩木山神社
青森県弘前市百沢寺沢27
参拝時間 8:30~17:00
定休日なし