【もしも】仙台市地下鉄南北線に優等種別があったら
はじめに
仙台市地下鉄南北線は、仙台市太白区の富沢駅と泉区の泉中央駅を結ぶ地下鉄路線です。路線距離は14.8kmであり、東京メトロ銀座線(14.2km)と同じくらいの長さとなっています。
一応にも政令指定都市の地下鉄ではあるのですが、一形式だけ(ただし2024年に新車両を導入予定)が一日中終点同士を結ぶという極めて単純なダイヤグラムが組まれており、ダイヤ鉄的にはあまり面白味のない(というと語弊がありますが)路線となっています。
この記事では、そんな仙台市地下鉄南北線がもし優等列車を運転したら? ということを考えてみたいと思います!
そもそも優等列車を運転できるのか?
言うまでもなく、南北線に優等列車が導入されたことは一度もありません。ごくまれに駅を通過していく列車を見ることはありますが、試運転か回送の列車です。
しかし裏を返せば、一応その気になれば駅を通過するような列車を運行することは可能だということです。南北線は基本的に自動列車運転装置(ATO)による有人の自動運転を行っていますが、プログラム次第で優等列車を運行すること自体は可能なのかなと思います(もっとも、試運転や回送は手動運転でしょうが)。
ですが、さらに問題点があります。南北線の駅は全て一面二線の島式ホームであり、優等列車を待避できるような配線になっている駅はありません。じゃあ優等列車なんか運転しても普通列車に追い付いておしまいじゃないか――という気もしますが、これについては以前に交通局の方にお話を伺ったことがあります。
南北線ではなく東西線の話なのですが、イベント列車として「荒井駅から八木山動物公園駅まで無停車!」という列車に乗ったことがあります。その際、私は添乗していた交通局の方に「こんな列車を運転したら前が詰まってしまうのではないですか?」と質問しました。すると意外にも「七分半(当時)も間隔が空いてるんだから詰まるわけないよ! わっはっは」と自虐的(?)な回答が返ってきたのです。
しかも現在は新型コロナウイルス感染症の影響もあって以前よりもさらに列車間隔が空いています。東西線の話を南北線に当てはめていいものかどうかはともかく、ダイヤの工夫次第では優等列車の運転も可能ではないかと考えられるわけです。
停車駅はどうする
さて、優等列車を運転するなら停車駅を考えなければなりません。大都市の私鉄のように三種類も四種類も種別があっても仕方ないので、ここでは各駅停車と快速(仮称)の二種類の列車があると仮定しましょう。
必須の停車駅を考える
まずは、止まらないと種別として成り立たないような駅から考えてみましょう。起終点の富沢・泉中央、それから東北一の乗降人数を誇る仙台駅も通過するわけにはいきません。さらに、JR線との乗り換えが出来る北仙台・長町の両駅も停車駅に加えるべきでしょう。
これで少なくとも、「泉中央、北仙台、仙台、長町、富沢」は停車駅として当確というわけです。
現在の停車駅:泉中央・北仙台・仙台・長町・富沢
乗車人員で考える
仙台市交通局は各駅の乗車人員を公表しており、こちらのページより誰でも閲覧することが可能です。
令和四年度のデータを確認してみると、起終点の駅を除いて特に乗車人員が多いのは勾当台公園・長町南の両駅です。前者はオフィス街や官公庁が近く、後者はショッピングモールの利用者やバスへの乗り換え客が多く利用しているものと推定されます。というわけで、これらの駅も停車駅に加えましょう。
現在の停車駅:泉中央・北仙台・勾当台公園・仙台・長町・長町南・富沢
乗り継ぎ駅で考える
さて、今はシステムが変わったのですが、以前の仙台市地下鉄ではバスとの乗継割引を実施していました。割引を受けるには「指定駅」で乗り継ぐ必要がありましたが、要するにその「指定駅」はバスと地下鉄の乗り継ぎ拠点となる重要な駅であったというわけです。
南北線で指定されていたのは「泉中央・八乙女・旭ヶ丘・台原・北仙台・長町・長町南」の七駅です。これらの駅はバスとの乗り継ぎ需要がある……と考えれば、おいそれと通過駅にするわけにはいかないでしょう。
現在の停車駅:泉中央・八乙女・旭ヶ丘・台原・北仙台・勾当台公園・仙台・長町・長町南・富沢
意外と通過駅がないし、不便
ここまでの議論を踏まえて、いったん図に起こしてみましょうか。
……すごく中途半端な種別ですね。しかも都市中心部にある広瀬通駅や、市立病院の最寄り駅である長町一丁目駅、さらに学生街が近い五橋駅を通過するなど利便性に欠ける種別となっています。これでは優等列車を運転するメリットも薄いでしょう。
結論
私のかなり雑な議論でしたが、南北線に優等列車を運転しても大した意味はないという結論に至りました。そもそも通過駅を選ぶ時点でなかなか難しかったので、当然のことかなと思います。
しかしそれでも、今後優等列車が現われる可能性は0ではないと考えられます。その理由は南北線の延伸構想にあります。
仙台市の北にある富谷市は、このご時世に人口が増加するなど勢いのある自治体ですが、軌道系交通機関を欠くという課題があります。仙台市のベッドタウンであるにもかかわらず、多くの住民が自家用車かバスでの通勤を強いられており、朝の渋滞などが問題視されてきました。そこで、仙台市地下鉄南北線を泉中央より北に延伸しようという構想が持ち上がっているわけです。
仮に延伸が実現すれば、富谷市の駅から仙台駅までの所要時間はそれなりに長くなると思われます。そうなれば、遠近分離も兼ねて優等列車が設定される可能性もないわけではないのかな……とは思います。もっとも、一個人の勝手な考えにすぎませんが。
おわりに
最後までくだらない妄想に付き合っていただき、ありがとうございました。少ないデータから導き出した適当ともいえる結論ですので、よければコメントなどで意見をくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
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