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エッセイ

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#花

枯れない花

通っているジムの近くの横断歩道横の電柱に花が添えてあると気づいたのはいつだったかしら。 誰かが事故に遭ってしまって、遺族がお供えしているのだろうと思った。ジムには水泳教室などもついているので、飛び出した子どもが事故に遭ってしまったのかしら。平和な緑道の先にある穏やかな道だけに、想像しづらいのだった。 それから通りがかるたびになんとなく目を向けるけれど、そこにはいつも花があった。そして、その花はちっとも枯れないのだった。まさか造花が、という考えが一瞬よぎったけれど、造花だって