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エッセイ

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わたしの世界の見え方
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2018年12月の記事一覧

駄菓子の”あたり”と消えた約束

永遠はあるけどない。 常々そう思っている。永遠を口にした瞬間、その永遠は確かにそこにあるけれど、その状態が変わらないままいつまでも残っているかと言われれば、大抵は「ノー」だ。 まだ折り目のついていない、真っ白できれいな2019年分の手帳を眺めながら、わたしのこの小さな決意もいつか、違和感なく揺らいでしまうのかしら、なんて思った。 小さな決意というのは、わたしは手帳派を貫く、というものだ。 友人たちがスマホでの予定管理に移行する中、わたしは相変わらず手帳を愛用している。

「お風呂が湧きます」の哲学:未来へのメッセージ

小さい頃からお風呂掃除はわたしの担当。前に住んでいた家では手動でお湯を溜めていたから、時々お風呂のことをすっかり忘れていて、湯船からお湯が溢れ出てしまったりもした。そんな小さなことでも「お湯がもったいないなあ」とものすごく悲しくなってしまった。懐かしい。 今の家では、ボタン一つで勝手にお湯を溜めてくれる。今はきっとそういうお家が多いと思う。すっかり慣れてしまっていたけれど、昨日は家に帰ってから大忙しで―――洗濯物を片づけて、お夕食を作って、掃除をして―――バタバタしていたか

高校3年生の君へ:魚の子ォも、人間の子ォもいっしょ

何週間か前のこと。高校生を対象に、簡単なプレゼンというか、スピーチをした。大したことは言えなかったけれど、せっかくだからその時の話を簡単に記録しておこう。 母校の恩師に、高校3年生にこのタイミングで伝えられるメッセージがあれば話してほしいと頼まれた。既婚者じゃなかったら本気になってしまっていたんだろうな、というくらいには大好きな先生からのお願い。何より、わたしの人生のキラキラが詰まった高校への小さな小さな恩返しになる。引き受けない手はなかった。 お話のタイトルは、「なんで

恋煩い?それとも、

わたしがもう十年か二十年早く生まれていたら、間違いなく‟Olive”の愛読者だったと思う。 生まれたころには廃刊していたから、シティガールのわたしは、シティボーイのための雑誌“Popeye”を愛読している。何もする気が起きなくてSNSを眺めていたら、今日は発売日だったと知って、さっき最寄りのコンビニで買ってきた。 それが、今日初めての外出になった。22時ごろだった。 あれ、今日は、一日カフェに籠って勉強する予定だったのに。卒論の一セクションを書き終えるはずだった。おかしいな