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エッセイ

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わたしの世界の見え方
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2018年10月の記事一覧

お別れできなかった日に思うこと

教会へ行けばよかった 今日は本当に散々で 体調が悪くて、椅子に座って黒板を眺めててもちっとも内容が頭に入らない いつもに比べたら恐ろしく口数も少なくて のろのろとしか歩けない お腹もすかない マスクに眼鏡にフード被って、不審者みたい ただこの「体調不良でだるい」という感覚くらいでしか、自分が存在しているのかわからなくなりそうなくらい ―――今日はお別れの挨拶をしに行くべきだったのに この気持ちがさらに身体をだるくさせたのかな わたしの人生の中に、すごくすごく大きな影

食べると食事

夕方、マンションへ帰ると、あちこちから夕ご飯の香りがしてくる。 わたしはいつもそれを「幸せの匂い」と呼んでいる。 焼き魚、カレー、お味噌汁……あったかいごはんの匂いは、わたしを幸せな気分にさせる。 それは、ただ「美味しいごはん」の匂いだからではなくて、みんなもこうやって生活しているんだわ、生きているんだわと感じられるから。 だから夕方や夜中のスーパーでお惣菜を眺めている人は、寂しいけどなんとなく愛おしい。 「おつかれさま」 と、心の中でそっと声を掛ける。 。o O 時

ただの日常を奪わないでよ、わからず屋

戦争って何だろう どうしたら「勝ち」なんだろう 相手が「もうやめてください、負けを認めます」と言ったらだろうか もしそうなら、「負けを認める」立場にいる人たちだけを攻撃するべきなんじゃないかしら 国家は戦うために、人々からたくさんの物を奪っていく 時に兵士は、同じ国の人をも殺す ―――食べ物欲しさに ―――避難場所欲しさに 兵士が生き残れば、勝てるのだろうか 人々が皆殺しになったって、兵士の駒がたくさん残っていれば「勝ち」というルールなのだろうか 「普通の人」は、なぜ参

「ちっぽけな存在」でいるのがすき

台風が来ることでたくさんの弊害がでることや、危ないってことは、重々承知のつもりだけど、 本当は、お外に出て、びっちょびっちょになりながら風に吹かれたり 気の置けない人と並んで座って、部屋の窓から、揺れる木々をじぃっと眺めたり そういうことがしたい。 あまり大きな声では言えないけれど、台風が近づくのを感じると、わくわくしてしまう。 。o ○ 強い風に飛ばされそうになったり、 これでもかってくらい殴るような雨を見ていると、 人間の自分がいかにちっぽけな存在なのか、