見出し画像

機材を変えても写真は上手くならない。

私には、すごい技術も知識もない。

最初に手に入れたフィルムカメラが自動巻きだったから、本当に機材のことはわからない。

自動巻きのフィルムカメラは、フィルムを入れれば自動で撮れるようになるし、撮り終わったら巻き上げてくれる。

それを、カメラ屋さんで取り出してもらうから失敗もない。

ただ、シャッターを押すだけ。

そんなシンプルさが、フィルムカメラの魅力だったのかもしれない。

あまりにも楽しくて、最初の一ヶ月で36枚撮りのフィルムを40本使った。

そんな大好きなフィルムの写真を撮っている人ともっと知り合いたくて、Twitterのアカウントを開設した。

...........

少しずつ、見てくれる人が増えてきた頃に私は初めて機械式のカメラを買った。

レンジファインダーだったので扱いが難しく、ピントをうまく合わせられない。

仕上がった写真は、ピントが外れててぼけていたし、露出も設定が合っていなかったせいか白飛びしていた。

ドキドキしながら投稿をした。
いつも見てくれている人たちがたくさん反応してくれました。

そんな中、知らないアカウントからのリプライ。

『カメラの扱い方がなってないよ』

そんなリプをもらったのは、初めてだった。
だから、頭が真っ白になった。

『なんのカメラを使っている?どうやったらこんな写真になるんだ』

『やっぱり、○○のカメラを使った方がいい』

『ちなみに、私の写真はピントも合っているし、露出も適正だ』

作例らしき写真が、私の投稿に貼られる。

その時、とてつもなく悲しくなったのと同時にがっかりした気持ちになった。

『自分の写真は正しい』。

そう言わんばかりのその人が、可哀想に思った。

見る人によっては、私の撮ったそれは、そう感じるかもしれない。


それでも私は、フィルムカメラの『そういうところ』が好きなんだ。

『失敗すらも、愛おしいな』と思いながら撮った写真は、一年以上経ってもずっとお気に入り。


毎日たくさんの写真が流れてきて、いろんな人の写真を見ると、やっぱりカメラは欲しくなる。

でも、私の場合、『カメラを変えたからって、写真の腕は上がらない』。

何故なら、シャッターを押す瞬間だけを一番大切にしているから。

『その時、そのタイミングでシャッター切った理由』を含めて、まるっと自分の写真も愛せたら、理想だなと思います。


『フィルムカメラは失敗が怖い』と言う人は多い。

でも、それを恐れないで欲しい。

難しい技術はなくても、『あなただけの視点』でシャッターを押せばまた新しい風景に出会えるはずだと思います。


サポートいただいたら、フィルムや現像代、元気を出すためにドーナッツ代とさせていただきます🍩