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魔法の指輪

その指輪は重荷ですか?


サイモンは、ゼラニウムの植木鉢に水を注ぐ手を止めると、胸まで伸びた白髪の顎髭を一定のリズム撫でながら、言った。


この指輪はキミに相応しいと思い、託しました。


ときに投げ出したくなる事もあるでしょう。
それでも怯まず、最善の道具の使い方を見いだそうとする真摯なキミのその姿に、人々は心打たれています。


革命的な発明品は、扱う者によって良い品にも悪い品も変わるものです。そして、どの扱いのが最良であるか?先を見据え公平に判断できるチカラがキミには備わっています。


世界をよくしようと“1”(イチ)を生み出した者たちの汗の結晶を無駄にしてはなりません。

彼らは、利権の先には新しいものなどなにも生まれない、停滞であり衰退でしかないこと知っているからです。

その指輪は、“繁栄”と“調和”をもたらします。相反するものと寄り添う事ができるのです。キミは錬金術でそれを示して下さい。


しかし、もしもキミがどうしようもない重圧にに押しつぶされてしまいそうなら、この指輪を湖に捨てても構いません。

何故ならキミがもう一度手にしたいと願った時、舞い戻るからです。

それでも捨てられない時は、自分のアンテナで察知した人と分かち合ってみて下さい。

自由意志の下、どの選択も間違いではなく、キミの意思は尊重されています。


もしかしたら、それは、キミの中の燻りに火を起こすかも知れません。
引き出された苦虫を、噛むことになるかも知れません。あまりもの苦味に耐えかね、吐き出したくなるやも知れません。

そんな時は遠ざかって、燃え盛る炎を遠くから眺め観察してみて下さい。
だんだん近付けるようになり、そのうち焚き火に薪を焚べるようになります。

そして最後には、灰となって、消える。

アタラクシアへと
誘われることでしょう。


幸運を祈っています。

good luck!



#大人になった君たちに贈るファンタジー
#未来の子どもたちに伝えたい言葉


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