接点、、。
シリウスの宇宙船が迫って来た深夜2時、地上では草木は眠り空気が凍てついていた。
眠らない深海では、思慮深い目のクジラが雄大に泳ぐ。
ジンベイザメの模様がいくつもの発光ダイオードの集合体みたいに、もわぁ〜っとひんやりブルーを燈す。深海の漆黒の闇に微かな輪郭をなぞる。
「ここでは必要ないけど、あの頃の思い出話、みんなとしてみたくてね、光を連れて帰ったんだ。」
一文字で大口、ヒレナガチョウチンアンコウのつぶらな瞳がこちらに向いた。
「えっ!アタシ?見飽きてるから必要ないわ。憧れて上ばかりみてたら目の位置が移動しちゃったの。ダーウィンの伯父様にも褒めてもらいたいものだわ。」なんてカッコつけてみたものの本当は寂しかった。
『伯父様、人間の長掌筋(ちょうしょうきん)退化なの?進化なの?
ロロナは、人間をどう進化させるの?
群れを成し繁栄してきたホモサピエンスの根底を揺るがすロロナウィルスを前にして、人間は右往左往してるよ。
でも、人同士の争いじゃなく本当よかったと私は思ってるの。
本当はお互い仲良くなりたんだと思うの。勝ち負けじゃなくて、共生したいのだと思うの。
今、接点をお互い探ってる。』
なんて、あれやこれや物思いに耽っていたら。
「なにボーっとしてるのぉ〜
あなたも、一緒にジンベイくんの光を堪能してみない?!」
いつも仏頂面な彼女が、今日はやけに微笑んでるようにみえた。
「そうね、たまにはいいかもね。」
「誘ってくれて、ありがとう!」
この度は、サポート戴き誠にありがとうございます。 ご厚意は全て素晴らきnoteにて還元・循環させて戴きたく存じます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。