見出し画像

レモンバスケット。

夏は賑やかで儚い。のに、全てヴィヴィッドにクレジットする。

突き抜ける "かき氷"
追いかけて来そうな “入道雲"
急き立てる慌ただしい "夕立ち"
キャッ、キャッ、言って踊り走り合った。
そして、”雨宿り“。

ゴジラの襲撃から逃れた軒先で、激しく吹き殴る雨を、ただ呆然と眺めていた。

ひとつの音から火が付き、次から次へと輪唱された。外耳で反響した音は何度もループする。
増幅し繰り返される音がカタツムリからリレーされ、次々とバトンを受け取った脳は"騒がしい"と認識した。


鳴かないオスはいるのかな?
探し出しだしてみたいな。


次の瞬間、急に、聴こえなくなった。
合唱なる鳴き声は一定の周波数となって
一つのオトとなって消失した。


どれだけ景色が変わろうとも
どれだけ世の中が騒がしかろうとも、汚れなきあの景色は
色褪せることなく
何年経ってもそこにあり続けてる。

そしてこれからも。

そして終わりがきて、知らない誰かになったとしても。

プールから聴こえる歓声とアブラゼミ
灼熱の陽炎に揺らいで
どこからともなく流れる曲に耳を傾け、そっと目を閉じ口遊んだ。


秋混じりの夏風に
そっと頬を
撫でられて


『若者のすべて』



この度は、サポート戴き誠にありがとうございます。 ご厚意は全て素晴らきnoteにて還元・循環させて戴きたく存じます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。