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サステナビリティを日常へ

私は4月から「食」について学び合う学び舎フードスコーレに入学した。学生時代ゼミでお世話になったフードスコーレの校長である平井さんにお声がけいただき貴重な学びの場をいただいた。9月までの半年間、「食」にまつわるさまざまなフィールドで活躍されている方のお話を聞き、「食」について学んでいくことを決めた。新学期の感覚を思い出してとてもワクワクしている。

先日4月13日に、2021年度フードスコーレの第1回目の講義「まずは循環のはなし。世界のこと。」がオンラインにて行われた。私は、お仕事の都合上、初回は録画での参加となった。初回の講義は、株式会社One Planet Caféのエクベリ聡子さんとPeo Ekbergさんから「Sustainability in Reality サスティナビリティを形に」というテーマのお話しを伺った。

この講義を聞くまで私にとってSDGsはジブンゴトではなかった。2030年までに世界を変えるための17の目標であることは知ってはいたが、なんとなく遠くて大きすぎる課題に感じていて身近に感じられていなかった。唯一意識していたことといえば、レジ袋が有料化に伴い、エコバックを持ち歩くようにしていたことくらいだった。ゴミの分別にも無頓着だった。そんな私がこの講義をきっかけにサステナビリティを日常に取り込みたいと思った。それは、今回の講義で、初めてSDGsを「食」という観点から見たからだった。

食は、誰にとっても身近で生きていくために欠かせない。だからこそ、食という観点からSDGsを見たときに、これまで遠く感じていた私にとってもSDGsが身近に感じられたのだ。例えば、SDGsの目標の12番目にある「つくる責任 つかう責任」という目標。この目標なかにはターゲットとして「世界の1人当たりの食糧廃棄を半分に」というものがあるという。日本での食料廃棄は1年間に約600万トンと言われており、世界でいうと食べられる食材のうち3分の1も捨てられているという。半年前から1人暮らしを始め、料理をするようになった私にとって、食糧廃棄の問題は以前よりも身近になっていたタイミングだったからこそ、この数字は決して他人事に思えなかった。レシピを決めずになんとなく食材を買ってしまうと1人分の食事を作れず食材を余らせてしまうことがある。冷蔵庫の中で腐った野菜たちをゴミ箱に持っていくのはとっても心苦しい経験だった。冷凍保存方法を学んだり、レシピのレパートリーを増やしたり、これまでも試行錯誤をしてきた。これからもレシピを決めてから必要な量だけ買い物をするなど日常の中から工夫をしていきたいと思った。また、賞味期限表示についてスウェーデンでは、賞味期限表示の下に「これを過ぎてもだいたい大丈夫」との表示があったりするという。こうした賞味期限表示は食品ロスを減らすためにとてもいい取り組みだと思った。いつか日本にも取り入れられたら少しでも食品ロスを減らせるのではないかと思った。


次に、もう1つあげられていた例が14番目の目標「海の豊かさを守ろう」である。その中で海のエコラベルMSCや、ascについてのお話しがあったが、恥ずかしながらこの日にわたしは初めてMSCやascのことを知った。サステナビリティで重要なのは「環すことができる以上に取らない」ことだとペオさんが何度もおっしゃっていた。しかし現在の漁業では40kmもの大きな網が使われており、魚を獲るというよりももはや海を掃除してしまっている実態があるそうだ。そこで持続可能な漁業で獲られた水産物へ与えられたのがMSC認証という海のエコラベルだという。けれども、実際に明日からMSC認証のお魚をスーパーで買ってみようと思っても、どの魚がそれにあたるのか日本のスーパーではわかりづらいのが現状だなと思った。自然の循環での範囲を日常の中で意識するにはスーパーなど身近な場所で「見える化」されていくことが重要なのではないかと思った。

またスウェーデンのコンビニでは、簡単にビーガンフードが購入できるというお話も印象的だった。私はベジタリアンやビーガンの方は宗教的理由が大きな背景にあると思っていたが、今や地球温暖化を防ぐためにお肉を辞める方も多いという。牛の食用1kgあたりを生産して食卓に運ぶためには23~39kgものCO2が排出されるそうだ。豚なら1kgあたり、5~8kg、鳥なら1kgあたり2~3kgものCO2が出るという。車産業よりも肉産業から出るCO2の方が多いと言われているという事実を初めて知った。しかし知ったからと言って私がお肉を辞められるかと問われると、難しいと思う。けれども減らすことや牛肉から鶏肉にシフトを意識するなど、できることはあると思った。問題なのはこうした事実を知る機会が日本では極めて少ないことだと思った。

最後に、ペオさんがおっしゃっていた「サステナビリティは測ることが大切」という言葉をこれからの日常生活の中で忘れないようにしたいと思う。測らないと体重計のないダイエットと同じになるという。日常の中で出るゴミの量をまずは見える化してみること、今まで無頓着だったゴミの分別をしっかり行い、循環させられるゴミはしっかり資源としていくことから始めてみたい。

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