音声広告、相性よい番組ジャンル&商品。国内の現在地は:Podcast News
ポッドキャストが好きになる番組、ポッドキャストアンバサダー。
この番組は、Podcast ディレクターである新井里菜が、奥深い音声の世界をご案内していきます。
(こちらの内容は、ポッドキャストでも配信しております)
毎月最初は
さて、ポッドキャスト聴いてると途中で入るCM『音声広告』、皆さん飛ばしてますか?それとも何となく聴いてますか?
私、実は音声広告で、つい買ってしまった、という経験がありまして、知らないうちに、数多あるサービスの中からすんなりと購入した覚えがあります。
そんな『音声広告』による広告収入、2年後2025年には、今の2倍に増える、というアメリカの最新リサーチが発表されました。
そこで今回は、そのリサーチをもとに、
この3つについて、取り上げていきたいと思います。
これ、いちポッドキャスト配信者としても、Youtubeみたいに今後、自動でCMを挟んでそこから収入が入る、というようなことにもつながるんじゃないか?と考えると、興味出てくる内容だと思います。
それでは、早速本編をお楽しみください。
1.音声広告、他のデジタル広告より伸び率2倍
さて、今回は『音声広告』がテーマです。
まず最初は、音声の先進国と言われるアメリカの動向をみていきたいと思います。
取り上げるリサーチは、アメリカにあるデジタル広告の規格を決めたり、調査を行っている、IABインタラクティブ・アドバタイジング・ビューローという組織からリリースされたものです。
では、まず全体像からいきましょう。
アメリカにおける音声広告収入、伸びてるのかどうか?
伸びてます。
最新の、2022年度の数値を見てみますと、前年比26%の伸び。
これは、他のデジタル広告と比べても2倍のスピードで伸びているそうです。金額では、昨年18億ドル(日本円にして2400億円強)。
ただ、通期で伸びているかと言いますと、最後10月〜12月はちょっと収入落ちているとのこと。
これは、先月のPodcast Newsのエピソードでも取り上げました、ポッドキャスト制作会社なんかの解雇が始まっているというニュース。ここの背景にも繋がっているところかと思います。
そうは言っても、音声広告収入、2015年以来ずっと伸び続けてます。
しかも毎回前年度から2桁以上、グングン伸びている傾向でして、では今後じゃぁどこまで行くのか?という試算も今回出ています。
2025年、2年後には今の2倍の40億ドル(日本円にして5400億円)に達するのでは?という試算でした。
2.相性のいい番組はもう『ニュース』じゃない
では次。冒頭でお話しした「どんな番組ジャンルに広告が出てるのか?」これを見ていきたいと思います。
実は、これこれまでのトレンドから変化があったそうです。
それは、相性のいい番組ジャンルが『ニュース』じゃなくなった、ということ。
逆にどのジャンルでの収入が増えているのかというと
この3つのジャンルで、全体の40%以上を占めているそうです。
ちなみに、『ニュース』ジャンルは2018年以来、この広告収入が多い番組カテゴリーで1位だったんですが、昨年全体の19%を占めていた割合が今回12%となっています。
それでも、先ほどのトップ3に続いて4位の割合なので、非常に手堅いジャンルではありつつ、今回の変化はコロナ禍があけて消費者動向の変化に関連したうごきではないか?とこのリサーチを行ったIABはコメントしています。
3. 日用品のCMも増えてくる?アメリカの最新動向
では、もう一つ『どんな商品が広告を出してるのか?』という点です。
これ、もともとは、比較的「無形商品」いわゆるサービス、ソフトウェアとか、コンサルとか、そういったものに対する音声広告が多いイメージがあるし、向いているということも言われるんですが、ここではまたちょっと変化がありました。
今回の調べによると、
という動きだったそうです。
これも、先に挙げて消費者動向に関連していることもあるんですが、こうしたところにも音声広告の裾野が広がってきているというのは面白いデータだなと思います。
ただ、これまでのポッドキャスト視聴データを見てみると、腑に落ちます。
アメリカでも、元々こうしたポッドキャストを聴いていた層は、感度の高い、ビジネスパーソンが多いという傾向も当初あった中で、エピソードに入ってくる音声広告も、そういった人を対象にしたサービス、例えばコンサルとか、ソフトウェアとかといった無形商品が多くこうしたに流れていたイメージがありました。
が、今もっと幅広い世代も聞くようになってきています。そこで、そうなると、例えばコスメとかの日用品とか、親世代にはオムツとか子育て用品とか、いろいろそういったものも音声広告に出てくる。
これは実は自然な流れなんだなと思えてきます。
4.無形商品多め。国内の音声広告の現在地
さて、最後に国内の動向についても取り上げたいと思います。
市場規模はアメリカと同じく、伸びるだろうと言われています。
4年前の2019年はおよそ7億円と言われていました。それが、2025年の2年後には420億円になるという見込みが、デジタルインファクトが行った調査で出ています。
これもまた、桁違いの伸びの可能性ですよね。
ここはアメリカと一緒。
じゃぁ、どんな広告を出してるのか、というと、国内にある事例としては、やはり無形商品が主なんじゃないかな、というところです。
国内のこうした細かい調査などは手に入らなくて、今回は音声広告サービスを手掛けられている株式会社オトナルさんの事例の中でどんなものがあるのか?見てみました。
どんな内容の広告が出てるかでいうと、一例ではあるんですが、イベント告知だったり、ソフトウェアのサービスの紹介、資格講座・塾などの教育系のサービスとか、そういった事例が多い様子です。
目的としては、認知向上、ブランド想起のため、といったところだそうです。一部採用にも使うという例もありました。
どちらかというと、アメリカのこれまでの流れと似ていて、無形商品やサービスに音声広告がマッチしている、といった段階じゃないかなという予測です。
もちろん個別の番組では、日用品の宣伝なんかもチラッと聞こえてきたりするんですが、こうした無形商品が一番多いし、事例も増えてきているといったところが、国内の音声広告の現在地なのかなという印象です。
ちなみに、日本のポッドキャスト視聴動向のリサーチも以前取り上げました。
ここでは、15歳〜29歳が一番ポッドキャストを聴いているというデータもありました。しかもその年齢層の人気ジャンルはコメディ。
若い層ターゲットにしたサービスをコメディ番組で。これは、もしかしたら今の国内で広告出稿するなら、結構リーチできるのかもしれないな、とも思いました。
ということで、今回は『音声広告』についての最新データをもとに、アメリカの現状と、国内の現在地についても、考えてみました。
4.エンディング
さて、今回はPodcast Newsといことで『音声広告』の最新リサーチを取り上げていきました。
自分の番組には広告ついてないんですが、自分が聴く番組ではほぼ当たり前の様についていて、自然な感じです。
ただ、広告の種類もいろいろ種類がありまして、そこもまた掘り下げると面白いです。
ちなみに、これ本筋からズレるので本編では取り上げなかったんですが、やっぱり音声広告にはニッチな商品が向いてる、というのはちゃんと数字でも出てました。
宣伝する商品の、大きなカテゴリーに入らない「その他」の部類に分類される商品をポッドキャストで、というのが一番多いみたいですね。
ニッチに刺さる。
この番組ポッドキャストアンバサダーも、ニッチもニッチなのですが、そこに刺さって聴いてくださっている方がいらっしゃって、本当に嬉しいです。
今後も、毎月第1週目は、こうした音声業界の注目の話題や、最新のリサーチ情報などをご紹介していきたいと思います。
さて、次回第2週目は
ぜひお楽しみに。