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2023年、ポッドキャストはどうなるか?:Podcast News

ポッドキャストが好きになる番組、ポッドキャストアンバサダー。
この番組は、Podcast ディレクターである新井里菜が、奥深い音声の世界をご案内していきます。
(こちらの内容は、ポッドキャストでも配信しております)

毎月最初は

Podcast News
音声業界の注目の話題や、最新のリサーチ情報などをご紹介していきます

さて、2023年となって1ヶ月が経ちました。
早速ですが、「今年ポッドキャストはどうなるのか?」というテーマでお話していきたいと思います。

ポッドキャスト、日本でもどんどん盛り上がってきている(様に配信者としても)感じる今日この頃です。
Japan Podcast Awardsも今年で4年目。またあるデータによりますと世界のリスナー数は4億人を超えるそうです。

そこで、今日はポッドキャストの先進国と言われるアメリカで、今年どんな事が起こりそうか?ある面白い記事をもとに、業界の動きを踏まえながらお伝えしてたいと思います。

それでは本編を早速お楽しみください。

1.生き残りをかけた再編成

さて、今回はズバリ、2023年ポッドキャストはどうなるのか?という話です。
今回は、ポッドキャストの先進国とも言われるアメリカでどうなるのか?といった予測を、ある評論家の記事をもとに2つの予想、ご紹介していきたいと思います。

こちらは、アメリカのニューヨークマガジンVulture(ヴァルチャー)のポッドキャスト評論家の記事をもとにしています。

まず1つ目は、
2023年に既に起こり始めていることです。それが人員削減と効率化です。

ちょっとビジネスっぽい話になるんですが、
その背景として、ポッドキャストを制作する会社という視点ではなく、ポッドキャストを配信するプラットフォーマーに視線を向けた話です。

昨年の秋から、テック企業の人員削減が続いています。
唯一まだ発表していないのがAppleですが、今年に入ってSpotifyも、全スタッフの6%近くの人員削減を発表しています。
他にも音声事業の拡大を進めてきたGoogleやMeta、Twitterなども同様です。

こうした動きの中で、少なからず各社の音声事業も影響をうけるのではないか?というのが一つ目の背景です。

そんな中で、実際に再生数だったり、フォロワー数、リテンションというようなデータを今まで以上に精査される時にきている。言い換えると、ポッドキャストの成績表が厳しく見られる時なるだろうと考えられています。

そこから起こりそうな事といえば、生き残りをかけた再編成。
例えば、番組レベルだと、人気のないものは終了をする、大手の制作会社だと1本に絞って配信を続ける、なんて再編成も多く行われる可能性もあります。

また、アメリカにはポッドキャストなどの音声番組の制作会社がいろいろありますが、そういった制作会社も生き残りをかけてレーベルが合併、といった案件も出てくるかもしれません。

これまで、音声媒体に先行投資!的な雰囲気も多かったかと思いますが、今年は、既に発表されている人員削減やそもそもの経済環境によって、残されたリソースをどこに、効率的に振り分けるのか?といったさまざまな再編成の動きが、ポッドキャスト界にもやってくるのではないか?と言われています。

2.短編シリーズものは少なくなるかも

では続いて、今年ポッドキャスト界で起こりそうなこと2つ目です。
これは、短編シリーズものが少なくなるかもしれない、と言うことです。

ここの背景にあるのは、ポッドキャストのマネタイズ方法です。

これまで、ポッドキャストのマネタイズ方法のメインの一つ、スポンサー収入でした。これはいわゆる番組が始まる前や途中に入るCMのことです。

再生回数などによって、制作会社にお金が入る、と言う様な仕組みが一般的かと思いますが、実はこのマネタイズ方法ではなかなかお金になりにくい、番組の作り方、というのがあるんです。

それが、短編シリーズもの。
これ、どういうものかと言いますと、例えば全8話で完結するシリーズものです。最終回がわかっている作品です。
逆に毎週配信され続ける番組や、例えばニュース番組の様に毎日配信ものなどは違います。

じゃあ、短編シリーズもののどこかお金になりにくいのか?というと、
例えばリスナーが八話全話聞いたら、おそらくもうこの番組を聞かない、ということ。

例えば、ニュース番組なんかであれば、リスナーさんのルーティーンにハマると毎日ずっと聞いてもらえる可能性があります。
仮に、平日配信だけだとしても、1ヶ月で20回以上、そこに入るスポンサー広告、CMも毎回聞いてもらえる可能性があるわけです。

一方で、全8話のドキュメンタリー。
どれだけ面白くても、8話聞いたら終わり。
要はCMも再生してもらえる数が一人当たり最高8回と、圧倒的に限られてしまう、というのが大きな違いです。

なので、こういった番組の作り方では長期的な収入に繋がらない、と言うことで、こういった短編シリーズものは少なくなるのでは?という予測です。

これはもちろん、最初に話した人員削減と効率化の話、こういったことも背景にあってのことだと思います。
どうやって効率的に、ビジネスとして長続きさせていくか?そういった時期に、今アメリカのポッドキャスト界は直面しているようです。

3.では、日本市場はどうなるか?

さて、ここまで主にアメリカのポッドキャスト界でどんな事が起こるのか?をお伝えしてきました。

2023年、ポッドキャストはどうなるか?
①生き残りをかけた再編成
②短編シリーズものは少なくなるかも

では、そんな動きがじゃあ日本市場にはどうなるのか?
ここを、Podcastディレクター視点で考えてみました。

まず、1つ目の再編成。
これ自体はアメリカでも大手の制作会社で起こりそうなことかと思いますが、日本では今そこまでポッドキャストの制作会社が乱立しているという状況でもなく、環境が違うかなと思います。

ただ、配信者としては少なからず影響が出る可能性があるのが、こうした人員削減を行ったプラットフォームからの影響です。
例えば、Spotify。どの部門の人員削減かはわかりませんが、例えばこれまでリリースされてきた機能の変更、効率化などがもしかしたら進むかもしれません。

また、ポッドキャスト関連の機能も、国によってリリース日が異なりる事が多くありますが、日本市場で使える環境も、もしかしたらこれまで以上に長くかかるかも?ということはありえると思います。

そして、2つ目の短編シリーズもののあり方。
これも、日本ではこういったシリーズものがここ数年で認知度が上がってきた、というフェーズだと思うので、すぐに同様の流れがくるかというとそうではないかなと。

逆に、短編シリーズものの方が、例えば今後増えていくだろう会社が発信する企業ポッドキャストは投資がしやすいので、どんどん増えるのでは?と個人的には考えています。

会社の公式SNSに追加してポッドキャストを、というような流れがあった時に、際限なく予算をもらうことは難しいはず。逆に限定で始める、というやり方でハードルを低くすることで、自分の会社が音声でメッセージを伝えることにあっているかどうか?そういったテストとしても使えそうな気がします。

ということで、最後は個人的な予想ではありますが、アメリカ市場の動きから、では日本市場に置き換えでどんな事が起こりそうか?逆にどんな可能性がありそうか?
そんな視点で考えてみました。

4.エンディング

さて、今回はシーズン3第1話は、Podcast Newsといことで「今年ポッドキャストはどうなるのか?」というテーマでお話をしてきました。

2023年、ポッドキャストはどうなるか?
①生き残りをかけた再編成
②短編シリーズものは少なくなるかも

アメリカ市場ではどうなのか?そこから最後は日本市場ではどんな影響をうけそうか?そんな視点で2023年のポッドキャストについて考えました。

ただ私もPodcastディレクターでもありつつ、一配信者でもあり、一リスナーです。
そういったさまざまな目線で、今後も気になる話題を取り上げていきたいと思います。
今後も、毎月第1週目は、こうした音声業界の注目の話題や、最新のリサーチ情報などを今後もご紹介していきたいと思います。

さて、次回第2週目は

Podcaster
配信者目線で気になるトピックをお届けします

ぜひお楽しみに。

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最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この番組はPodcast ディレクターの新井里菜がお送りしました。
それでは、次回のエピソードで。


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