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12週以降の死産で受けられる給付・権利

前回の記事でお話したとおり、今回は12週以降の死産で受けられる給付等をまとめてみたいと思います。

※専門家ではありませんので、あくまでご参考までにご覧いただきますようお願いいたします。

受けられるもの

私が把握しているだけで、下記のものがあります。

1.産後休暇
2.出産育児一時金
3.出産手当金
4.社会保険料免除
5.傷病手当金
6.出産・子育て応援給付金(出産応援ギフト)
7.生命保険(入院、通院)
8.医療費控除(確定申告)

1.産後休暇

出産日(流死産)翌日から8週の産後休暇取得が義務付けられています。
これは義務であり選択ではないので、会社は必ず使用者に対して8週の産後休暇を与えなければなりません。違反すると罰金。
※ただし、6週経過後は、女性側が請求しかつ医師が認めた場合のみ就業させることは可能。
出産日当日は産前に含まれるため、出産日翌日から8週が産後休暇となります。(土日含む)

協会けんぽのHPに、産前産後期間一覧表がありました。
自分の出産した日からいつまでが産後休暇の期間か一目でわかります。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/migration/g3/cat315/2013020

根拠も示しておきます↓

労働基準法第65条 第2項 
使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

出産の範囲 (昭23.12.23基発第1885号)
「出産は妊娠4カ月以上(1ヵ月は28日として計算する。したがって4カ月以上というのは85日以上のことである)の分娩とし、出産のみならず死産をも含むものとする」

※ちなみに基発というのは、労働基準局長名で発する通達で、法律では定められていませんが、一般的にこのように解釈されると考えて大丈夫です。

2.出産育児一時金

出産費用として、子供一人につき50万円もらえる制度です。
(加入している健康保険組合によって、週数により金額が異なることもあるようですのでその点はご自身でご確認お願いします)
受取方法については、
①自分で支払ってから50万円を請求する方法と②分娩にかかった費用から50万円を差し引いた金額の差額を窓口で支払う方法(直接支払制度)があります。

この一時金については病院からも案内があると思うので適用されている方が多いと思いますが、②の直接支払制度を利用した場合に、1つ大事なポイントがあります。
分娩費用が50万円に満たなかった場合、その差額を請求すれば受け取れる』という点です。

例えば、分娩費用が45万円であったときは、窓口の支払いが0円です。
そして、本来受け取れる額50万円-45万円=5万円を加入している健康保険組合に請求すれば受け取ることができます。

↓協会けんぽでもそのような説明があります。

申請書に会社の証明はいらないので、ご自身で直接組合に申請して受け取り可能です。

私は今回の分娩費用が一時金の金額を下回っていました。
直接支払制度を利用して窓口への支払いは0円でしたが、50万円に満たない分は実際費用としてかかっていないのだからもらえるはずがないと思っていました。
行われた処置や週数の関係で実際にかかる費用は人それぞれ異なるのかもしれませんが、ご自身でかかった分娩費用について確認していただくと良いと思います。

3.出産手当金

 産後休暇中、会社からお給料がもらえない場合に健康組合から支給されるものです。
直近1年間の給与の約67%くらいがもらえます。
細かい計算は、前述の協会けんぽのリンクに記載があります。
医師の証明のほか、会社の証明が必要なので、会社に申請したい旨伝えて準備してもらうと良いと思います。

4.社会保険料免除

 産後休暇中は、社会保険料が免除になります。
手続は会社が行います。
免除期間は『産後休業開始月から終了日の翌日の属する月の前月(産後休業終了日が月の末日の場合は産後休業終了月)まで』です。
2か月分は免除されると考えていいと思います。この期間分はもちろん給与から天引きされることはありません。

日本年金機構:従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が産前産後休業を取得したときの手続き
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/sankyu-menjo/20140509-02.html

5.傷病手当金

業務外の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して4日以上仕事に就けなかった場合に、4日目以降から支給されます。
これは、出産の前後関係ありません。
例えば、産後休暇期間終了後、私のように回復状態があまりよくなく通院、手術のために休んだ場合や、心療内科を受診されてお休みを延長されている場合なども、仕事に就くことができないことの証明ができれば支給の対象となります。

【支給条件】
次の①~④すべてに該当した場合に支給されます。
①業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
②仕事に就くことができないこと
③連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
④休業した期間について給与の支払いがないこと

協会けんぽHP
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/

6.出産・子育て応援給付金(出産応援ギフト)

妊婦1人あたり5万円の給付が自治体から受けられます。
流産や死産をした場合でも対象になる旨、各自治体のHPに記載があります。

7.生命保険(入院、通院)

医療保険に加入されている場合、保険金が下りるようです。
私も加入している生命保険があり、どういう内容で申請するんだろうと思ったのですが、
「原因→病気、病名→子宮内胎児死亡」という項目で申請できました。
おそらく入院時に病院から「入院診療計画書」というものを渡されると思うのですが、そこに記載のある「病名」で申請するようです。
加入されている保険会社に問い合わせするのが一番早いと思います。

8.医療費控除(確定申告)

1年間にかかった医療費が10万円以上あった場合、確定申告をすることで所得税が戻ってくる可能性があります。
この医療費には、分娩費用や不妊治療費用も含まれます。
(※一時金や生命保険金で補てんした分は差し引いた後の金額です)
自分だけでなく、一緒に暮らしている配偶者や親族の医療費も合わせることができます。自分で確定申告しても、配偶者の方が確定申告してもどちらでも大丈夫です。

長くなってしまいましたが、
以上が、私が2023年12月6日現在認識している内容です。

ちなみに、『家族埋葬料』5万円はもらえません。
健康保険法において、被扶養者となっていないからとのことでした。
出産後数時間で亡くなった場合は支給されるようです。

おわりに

私自身、死産で受けられる給付・権利がこれだけあることを今回初めて知りました。
私の場合は、13週での稽留流産でまだ赤ちゃんたちも小さかったので、
「12週以降はお産と同じです。火葬の必要がありますよ。」
と言われた時はとても驚きましたし、何をどうしたらいいのかわかりませんでした。
入院、そこからしばらくお休みとなれば、仕事も調整しなければならない。
出産したら火葬が必要だから火葬業者を探さないといけない。
この子たちはどうやって送り出したらいいの?
突然のお別れでどん底の悲しみと動揺の中、限られた時間でやらなければならないことはたくさんあります。

とりあえず産後2か月は休めるし、出産費用もお休みの間の手当金も出る。
休暇以外のお金の申請は、落ち着いてきてから少しずつ書類を整理すればいいと思います。
まずは、心身の回復と赤ちゃんを想う時間を大切にできますように。
このまとめが誰かのお役に立てたら幸いです。




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