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スカートを購入した話

私があきやさん、自問自答ファッションに出会ってもう1年が経つのだけど、とても印象に残っている写真がある。

この画像にある、スカートがとてもかわいいと思った。
もともと柄物や刺繍が好きで、若い頃はペイズリー柄や花柄の鮮やかなスカートを履いていたこともある。
こんなかわいい素敵なスカートがあるのだと久しぶりにわくわくした。この服をまとうあきやさんの雰囲気もとても素敵で、私が自問自答ファッションの世界に足を踏み入れたきっかけの一つかもしれない。

でもそのスカートを買う、ということは考えられなかった。
CABaN…あのブランドはCABaNと言うんだなと初めて千尋の名を知った釜爺のようにしみじみとし、値段を見て私には無理と首を振る。
年代も年代だし、その頃の私の妄想クローゼットにはカジュアルきれいめファッションとクラシカルなコーデ、アイテムが詰められていた。ナチュラルコーデを卒業し、自分の「きれい」「かわいい」「かっこいい」や「なりたい」「好き」な姿を模索していた。

紆余曲折あり、ようやく今の制服があるわけだけれど、最近少しずつ違和感を覚えるようにもなっていた。
いいんだけど、何か違う。
何だろうな…と考え、コンセプトを練り直したりいろんなコーデを見たり自分の直感を信じたりしてワンピースを買ってみたり。

でも違った。
ちらちらするのはあきやさんが履いていたあのスカート。

JJGになった頃も私は花柄スカートを履きたいツイートをしていて、JJGの相互さんが教えてくれたのはやはりCABaNのスカートだったことを思い出す。

でもな、私には可愛すぎるんだ。とてもかわいいけど私もう50代だし、痛々しいおばちゃんになってしまうよ。
そう思って憧れは憧れとしてしまい込む。
何よりサイズが合わない。一番の理由だった。あきらめるには十分だった。それに私は黒地に花柄が好きで、その商品には黒はなかったし白は汚してしまいそうで履く勇気がない。理由はどんどこ出てくる。

それでもふとすると花柄スカートを探している。
近場にはイオンしかないのでゾゾや楽天などの通販で花柄スカートを検索すれば手ごろな値段のプリントスカートがたくさん出てくる。
でもどれもハマらなかった。いいなと思うと生地が好みでなかったり、丈が短かったりする。
そして花柄スカートで普通に検索すると、あのスカートが現れた。そしてみると少し違う雰囲気のスカートも現れた。ん?と思いクリックするとCABaNの別のスカート。こちらには私が探している黒があった。でもまたこれもはけないんだろうなあと思いながら、「試着してみる」という言葉につられて数値を入れてみた。すると「あなたにフィットします」との文言。
えっ…えっ…?
履ける…?(若干タイトだけれど)
いやいやそれでも値段よ値段。きつい汚い給料安いの介護職。ポンと出せる金額ではない。いや出せるけど、そんなお金を自分の服に使えない。
(注:この人は昔、スピ沼にハマってよくわからないエネルギーワークやセミナーにポンポン大金費やしてました)
サイトをそっ閉じする。
そんなことを数回繰り返し、別件でメンタル不調だった私はカッコいいデザインの黒ワンピースを購入して撃沈した。サイズが合わなかったのと、カッコよすぎて人を寄せ付けない魔法使いになってしまいそうだった。
私は再度考えた。
私はどう在りたいんだろう。
そして、コンセプトが新しくなった。

本と香りの森に暮らすクラシカルで凛としていて軽やかな夢幻の魔法使い

あのワンピースはほんとに素敵だけれど、軽やかではなかったし、そのワンピースを着て精油を選んでいる私は迫力がありお客さんに圧をかける人だった。
そうじゃない。私は軽やかでいたいのだ。明日吹く風のような、どこかつかみどころのない軽やかさ。
そしてまた花柄スカート探しの旅が始まる。でもやっぱりなかなか見つからない。帯に短したすきに長し。

さすがに悲しくなってきて、これもまた昔好きだった刺繡の入ったスカートを検索し始めた。
中華風の刺繍が施されたかわいいロングスカートが見つかる。
少し凝ったデザインで値段も手ごろ。個性があってかわいい。
ポチろうと思ったがいやいや待て待てと自分に言い聞かせる。
通販大手が扱っているけど、海外発送と書いてある。時間がかかるだろう。自分の手持ちの服も考える。トップスは新たに加えるにしても、あのコートにこの服が合うか、答えはノーだった。

私は観念して、あのサイトを開いた。
そのスカートの商品説明にこうあるのを見つけた。見つけてしまった。

動きの中で風をはらんで揺れ動くドレープの美しい一着です。

トゥモローランドオンラインストアより抜粋

風を…はらむ…!!
ああ…そうか…そうなんだな…。
しかしここまで来ても私は意地を張った。試着ができない。そうだ、何より自己紹介バッグもないじゃないか。そうだそうだ。だから…。

でもだからと言って手ごろな値段で妥協したスカートを何着も買って無駄にしてたら、結局はあのスカートと同じ値段になるのでは…?
でも試着…試着できないよ…?返品できるとはいえさ…いいの…?

そんな私の背中をJJGがポン、とひと押しする。
不良ガールズ笑
おそらく私も不良ガールズです。



意を決してポチる。
しかし悲しいかな、欲しい色である黒は売り切れていた。再入荷お知らせメールの登録をする。しかし確実に入荷するかはわからない。
もっと早く見ておけばよかった…何なら名古屋のタカシマヤにポップアップストアが来ていたそうじゃないか。試着できなくても見ることぐらいできたろうに…。
悔いながらも何度もそのスカートを見る。ほしいのはブラックだったけど、他の色もかわいい。柄が好きだからかどの色もよく見える。そしてほとんどの色が売り切れだった。残っているのはオレンジと黄色。
オレンジも残りわずかだった。
どうしよう…。娘に聞いてみる。オレンジは合わせにくいのではという。そうか…やっぱりこんなブランドのスカート、私には縁がないってことだよな…あ、でも黄色…かわいいな。
黒のブーツに黄色の方が合うだろうな。

ぱっと光が挿したようだった。
黄色なら、きっとオールシーズン着られる。
春の菜の花、夏の太陽、秋の紅葉、冬の夜に彩を添える華やかさを思わせるその色。

私は黄色のスカートをカートに入れていた。
ツイッターでもつぶやいたが、黒のブーツに合わせるつもりでいたので黒×黒は秋冬は良くても春には重そうだと思ったのと、やっぱり柄が好きだった。適度にちりばめられた花。大きさもよかった。こんな柄はCABaNのプリントスカートでしか見つけられなかった。
そんな話をかなり前にJJGともしていた。
でも、その時の私は教えてくれてありがとうと言いながら目をそらし諦めていた。

酸っぱい葡萄だった。
あれ着たいけど、手が届かないからいらないふりをした。やなやつやなやつやなやつ!と雫ちゃんがぷりぷりしていた。
あきやさんが着てるブランドを自分も着るなんておこがましいと思った。
あきやさんが履いてたよねと思われるのが嫌だった。あきやさんが嫌なんじゃなくて、似合わないのに真似をしてみたと思われるんじゃないかと怖かった。

そして不意に思い浮かぶ。



ああ、この黄色。
娘が買ってきてくれた、湯婆婆の指輪のガラスと同じ色だ。
高価な品ではないけれど、大きくてガラスがキラキラしているあの指輪と。
きっと合うに違いない。
私は観念した。
着てみたら合わないかもしれない。でもせめて試着をしよう。
やるだけやったのだと、胸を張れる。

そして私の購入報告を見たJJGたちがきっと似合うとお祝いしてくれた。

あきやさんがまとっていたあのスカートを観た時から、あのスカートを履いてみたいという気持ちを見ないふりをしてきたけど、とうとう日の目を見てしまった。
このスカートを履いて、お気に入りの指輪たちをはめて私は精油を選ぶんだろう、必要とする誰かのために。
試着もしてないスカートを思いながらそんな想像もする。

と、ここまで書いたけれどまだ品は手元にない。
明日届く予定だ。
似合わなかったらこのnoteは期間限定公開でお蔵入りになるかもしれない。
その前に、想いを綴っておきたかった。
あきやさんとJJGたちに感謝しています。ほんとにありがとう。

…明日、楽しみだけど怖いなー😂

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