スイクラ 感想

⚠️キャラやルートに対して全肯定ではありません。苦手な方はブラバしてください。文量にめちゃくちゃ差があります。


SWEET CLOWN〜午前3時のオカシな道化師〜 をやりました。普段は「スイクラ」と呼んでいたので特に何も思っていませんでしたが、こうして文字にして見るとタイトルがシンプルにヤバい。厨二すぎる。

プレイしたきっかけは実姉からの勧めです。姉に勧められた際の言葉は「この作品、お前の好きな近親あるよ」でした。近親が好きです。良い近親があればぜひ教えてください。切実に求めています。よろしくお願いします。

ちなみに攻略順は推奨の通りです。というか絶対に守らなきゃ駄目ですねこれは。1周目で古橋√とかやったら本当に悲惨なことになる。


【密原誠丞】

・キャラ感想
人気投票が1位から6位に転落し、中の人に「嫌い」と言われたことで有名な密原。私も好きではないですね…
や、まあ彼はとても人間らしかったんですけどね。この境遇なら誰か(柘榴)を犠牲にして外に出たいって思うのは人間として当たり前の思考だと思うし。でも乙女ゲームでこういう男を攻略したいかと言われるとそうではないというか………私の好みではなかったです。

弟コンプはね〜〜まあシンプルに親が悪いですよこれは。密原の出来が悪いからって水子に思いを馳せるな。目の前の息子を大切にしろ。道化師の介入がなく、密原兄弟が双子としてこの世に生を受けていたら彼は歪まなかったのかな〜〜などと考えました。


・密原√感想
蜜原√が好きだった方には申し訳ないんですけど、密原√の序盤で辞めたオタクもいたんじゃないかな…と思ってしまった。
私はあらゆる作品において"驚き"は必要不可欠なアクセントだと思ってるんですけど、密原√にはそれがなかったから若干の飽きがあった…かもしれない。
最初から密原が性格悪い雰囲気出しすぎなんですよね。もうちょっと上手く隠してくれてたらな…と。承の部分の上辺のお付き合いがかなり長くて、早く転の部分が欲しいな…と思いつつ進めてました。

本性を知ってからは精神不安定男にグイグイアプローチをする柘榴ちゃんと、ありのままの自分を受け入れてくれる柘榴ちゃんに徐々に絆されていく密原。このルートの柘榴ちゃんの恋愛感情がちょっと理解出来なかったな……。あの発狂で恋は…始まらんだろ…!
なので私は密原ルートを「ヤバ男とヤバ女によるヤバ恋愛」だと思ってしまっている節があります。ごめん。
私は密原のことを好きになっていないのに柘榴ちゃんは密原のことを好きになって物語が進んでいくので、飼い犬が突然走り出したことにより引きずられる飼い主の気持ちでした。俺を置いていくな……


【久瀬蒼馬】

・キャラ感想
で、出た〜〜〜〜‼️‼️自称弟‼️‼️‼️‼️‼️
面白すぎるだろ。自称弟って何? 知らない人です…
「俺がお前の弟になってやる」👈キュン……てならんて。
とんでもなくおもしれ〜男だな…が第一印象だったんですけど、この久瀬蒼馬という男、マジでめちゃくちゃ良い子だった。最初から最後までずっと優しくしてくれるし、何があってもお前の味方だって言ってくれる。悪いとこが1個も見つからない。完全に"善"なので、スイクラで1番幸せになるべき人だと思います。


・久瀬√感想
久瀬√は、久瀬が自分の存在理由と向き合い、あがくルートでした。自分の意思は道化師によって作られたものではなく、久瀬自身による意思だと証明するために柘榴ちゃんをここから出そうとします。そうして「共に生きたい」という願望に抗おうとする姿勢自体が既に久瀬自身の意思なんですよね。

久瀬は自分の命を犠牲にして家族を救ったことに誇りを抱いていましたが、その結果密原の歪みが生まれ、命を救われた側の密原は弟を憎んでいる………最悪か?何一つ良いことがない。本当に趣味が悪いね、道化師。
生きている密原を羨ましく、そして自分が人でないことを悔しく思いながら、しかもその命を救った密原はめちゃくちゃクズで。それでも後悔していないと言う久瀬、心が美しすぎる。私は久瀬がこの世に生を受けるべきだったと思うよ(小声)
真実を知った2人は兄弟喧嘩をし、親愛グッドエンドでは密原との確執もなくなりました。え?なんかこのエンドの密原、親からの愛も取り戻すしめっちゃ得してない?ハッピーエンドじゃん!ここで終わろう(終わらん)

好きなエンドは歪愛BADです。柘榴ちゃんの寝顔が好きな理由の変遷が特に好きでした。最初は柘榴ちゃんが穏やかな顔をしているから好きだった。恋心が芽生えてからは、可愛いから好きだった。そして歪愛BADでは、自分が生かしている証だから好き。真っ直ぐな男の狂い、健康に良い~~~!ありがとう!


【日之世武尊】

・キャラ感想
エッチな柿原だ!!!!!!!!(最悪な第一印象)
あと笑い方がヤバい。「イヒヒ」て。そんな笑い方する攻略対象いる?????いるんだなあ。しかも人気投票1位だった。それは……なんかあるやんけ❗️(雑オタク予感)

日之世は妹のことにより自己犠牲を何よりも嫌っているので、柘榴ちゃんが自己犠牲という楽な道に逃げようとする度に冷たい言葉を投げ掛けます。そのため言葉だけを見ると厳しくて冷たい印象を受けがちですが、その裏にあるのは優しさなんですよね。日之世、趣向と笑い方がヤバいだけで実はシンプル良い人。「僕は情熱的な人間ですよ」という言葉、最初は「なんか言ってるわ笑」て思ってましたけど、確かにそうでしたね。なんだかんだで日之世√が1番乙女ゲームしてたし。
他ルートだと「悪い方向へ誘導することに生き甲斐を感じる奴」や「しりとりでもします?」あたりが好きでした。おもしれ〜男。


・日之世√感想
面倒な人間と面倒な人間の恋愛、面倒じゃないわけがないんだなあ………(小並感)
傍から見てればどう考えても両想いなのに、欲を高めるために嫌いになって!とか、彼の想いは自喰によるものだから…とか、回りくどいことしてるなあ……と思いました。でもこれが必要だったんですよね、この2人には。
しかも日之世の言い回しはいつも遠回しだし、本心を全然掴ませてくれない。だからこそ日之世視点がめちゃくちゃ良かった~~~。柘榴ちゃんに"生きたい"という欲を持たせるための行動だったことが分かった時には、オイオイオイ日之世武尊〜〜〜!!!☝️てなりました。う〜〜ん、好き。身をもってゲインロス効果を感じました。オタク、日之世の手のひらの上で転がされてる。

歪愛グッドエンド、スイクラの中でかなり好きなエンドです。欲に目が眩んだ柘榴ちゃんと、柘榴ちゃんの愛を信じ、共に悪魔になることを選んだ日之世。彼らは自分たちの迎えた結末がハッピーエンドではないことから目を背け、2人きりの世界の居心地の良さに甘んじます。あたかもハッピーエンドであるかのように。あれだけ墓に閉じ込められることも水も嫌いだった日之世が自分からスイクラ城という墓で人魚になるの、皮肉すぎる。柘榴ちゃんと一緒ならお墓でも水中でもいいってことなんですかね。日之世→柘榴の感情は確かに愛だと思うけど、歪愛グッドエンドの柘榴→日之世の感情は……。

ちょっとモヤついたのは深愛グッドエンドへの持っていき方。結局"愛の力"って何???そんな強引なハッピーエンドある????それまでずっとこねくり回してたのに突然「愛の力で万事解決!」になったからちょっとびっくりした。いいのか?これで。まあ幸せならOKか☝️
それにしてもこのエンド、スケベ匂わせがすごくなかったですか?これはヤっただろ!って感じのセリフを言ったかと思えば否定のセリフが入る。"やったのかい?やってないのかい?どっちなんだい!"って心の中のきんにくんも言ってた。教えてエロい人〜〜〜〜!!!!!!


【古橋旺一郎】

・キャラ感想
メインヒーローなだけあってまっすぐで優しい人でした。最初は積極的に関わろうとしないものの、1度受け入れたら他人ではいられなくなる性なんだろうな。なんだかんだ面倒見がいい。目の前で困っていれば助けてくれるし。スイクラは個性的なキャラばかりですが、唯一普通に近い人だと思いました。とはいえその人が事の発端でありメインヒーローなので……ね。
柘榴ちゃんも古橋さんも自己犠牲精神がありましたが、
柘榴ちゃんは逃げの自己犠牲なのに対して古橋さんは贖罪の自己犠牲だと思いました。


・古橋√感想
まとめ方が上手かった〜!弟に関係すること以外の伏線を綺麗に回収してくれた。
全ての始まりは王になりたくないロッサのために、王になるため匣に頼ったグラナダでした。そこにあったのは確かに兄弟愛だったのに、あらゆる人を不幸にしてしまった。そして、こんな身体にした兄を憎みながらも、1人になるのが寂しくてグラナダを殺せない道化師。この兄弟、どこまでも切なく悲しい。憎みきれない。

エンドは全部王道でしたね。ハッピーエンドの深愛グッド、自己犠牲の深愛バッド、終わらないスイートクラウンの歪愛グッド、全員お菓子化の歪愛バッド。
それはそうとて深愛グッドエンド、なに今更もだもだしてるんですか?????あまりにも"普通の恋愛"しててびっくりしちゃった。メインヒーローの深愛エンド、これが1番のハッピーエンドなんですけど、その後に真相エンドを突きつけてくるのがスイクラくんなんですよね。人の心がなさすぎる。「幸せになれると思った?思った?なれませ〜〜ん!!!」って制作陣の声が聞こえてきた。後味悪くて大ウケしちゃったね。好きだけど。

歪愛グッドエンドは、贖罪を望んでいた古橋さんにとって最悪のバッドエンドなんですよね。グロいよ〜〜!これは"柘榴ちゃんにとっての"グッドエンドでしたね。古橋さん的には歪愛バッドエンドの方がグッドエンドなんだろうな。


【真井知己 / 真相√感想】

たすけて〜〜〜〜〜〜‼️‼️‼️‼️推しです。スイクラに対する感情の9割を持っていった。グッドエンド、許せねえよ。何がグッドエンド???拓洋様、グッドの意味を調べてきてもろていいですか????
や、まあちゃんとグッドエンドなんですけどね。密原兄弟も、グラナダとロッサも、日之世兄妹も、真井さんも、ケイファとガートも、「幸せ」を得ていました。日之世が密原兄弟と仲良しなのは「そこなんだ!?」て感じしてちょっと面白かったけど。

これまで一貫して「仕合わせ」と表記されていましたが、真相グッドエンドでようやく「幸せ」と表記されました。柘榴ちゃんが真井さんの幸せを心から願ったあの瞬間だけは自己愛から解放されたということなのかな。
しかし、そうして叶えた願い「"真井知己"さんが幸せになれる世界」で柘榴ちゃんに訪れた結末は、1人スイクラ城でお人形遊び(クララズに柘榴と知己と名付ける)です。
結局のところ真井さんは柘榴ちゃんを忘れている方が幸せだったってことなんですよね。そして、誰にも傷付けられることなくまやかしの穏やかな日々を1人で送る柘榴ちゃん。うーん、皮肉すぎる。そんな中一緒にいてくれるクララズ、愛です。

や〜〜でも真井さんと生きていくエンドも欲しかったな〜〜〜!?!?!?!このスイクラ城での記憶を持った真井さんと共に生きて、血が繋がっているという事実は誰にも明かさず葬り去り、真井知己さんと近親背徳結婚がしたかった………性癖なので…………


感想に戻るんですけど、真井知己さんさすがに甘やかしが上手すぎる。ず〜〜っとメロってました。優しい年上に甘やかされるの、居心地が良すぎる。柘榴ちゃんも序盤からピンブローチ赤くしてるし。(まあそれは知也に引き寄せられていたっていうのも一因としてあるのですが。でも恋が始まってたのだって事実だもんね。)
もうこのまま真井さんと恋愛して終わっちゃ駄目!?!駄目です。そんな甘々キュンキュン日々は懐中時計によって終わりを迎えてしまいました。
で、「君の気が済むまで俺を知也だと思っていいよ」です。あーあ。柘榴ちゃんのことが好きなのに擬似的に弟になるってもうこれ一種の自傷行為ですよね。真相グッドエンドでもそうでしたが、真井さんは柘榴ちゃんのために自分を犠牲にすることに躊躇いがないです。自己犠牲に逃げがちなのは樫野家の血筋ですか?????(チクチク言葉)

そして自分から言い出した姉弟ごっこに苦しむ真井さん。「真井知己」は必要がないとか言わないでくれ〜〜〜俺は真井さんのことが好きなので近親でもなんでもいいです、むしろ性癖なので近親がいいです。(倫理観最悪オタク⁉️)
一方自己愛モンスターの柘榴ちゃんは、「真井さんが知也でないなら自分は結局1人きりだ」という考えに至り、自喰によって真井さんに知也としての記憶を思い出させます。もうね〜〜ほんとこの辺ひどいんだよな。真井さんを知也として扱うことや、自喰で知也としての記憶を思い出させることは、真井知己としての5年間を完全否定しているということなんですよね。最初は真井さんと知也を重ねることは失礼だって分かってたけど、徐々にスイクラに近づきつつある柘榴ちゃんはそのことに気付けなくなっていく。真井さんがそれでいいと言ったとしても、柘榴ちゃんは否定しなきゃ駄目なんですよね。"真井知己"が好きならば。知也の記憶を思い出して"真井知己"としての自分を押し殺す真井さんと、思い出してくれたことを喜ぶ柘榴ちゃん。地獄の始まりすぎるよ~!

その後、知也の危険性に気付き、柘榴ちゃんをスイクラにしては駄目だと考える真井さん。そのためには柘榴ちゃんの欲を高めてはいけないと分かっているはずなのに、真井さんは柘榴ちゃんを悦ばせ続けているんですよね。これは真井さんがスイクラとして目先の欲に目が眩んでいるからなんでしょうか。好きな女の子甘やかしたいんだ……最高男すぎるね……結婚してくれ…………

知也に侵食されていく真井さんに危機を感じ、柘榴ちゃんが「知也でいようとしなくていい」と言うも、もう手遅れで。真井さんの「君が必要としてくれるなら"知也"で構わなかった」という最悪自己犠牲発言を境に、完全に知也の精神が表出することになります。この時って真井さんの精神はどうなってるんですかね。見えてるし聞こえてるのに言葉を発しても届かない状態?

その後、真井さんの精神が戻るのが真相グッドエンド。
いつ真井さんが戻ってきたかについては色々な意見があると思うのですが、私は「廃忘する半身の憂い」の初めから戻ってきてると思ってます。
「まだ、そんなことを言ってるの?」も「君は僕より真井さんが大切なんだね?」も、柘榴ちゃんにとって"真井知己"がどういう存在であるかを図るための真井さんの演技かな〜と。
そもそも、「大体、僕はこの躰で君のオフレンダ達を手にかけた」という言葉は、知也であれば言わないはずなんですよね。彼はこれに対して罪悪感を1ミリも覚えない人間だから。真井さんは自分の意思による行動でなくても、"自分の躰"が行った行動に罪悪感を抱く人です。

「だったら、"僕と同じ躰"の彼の手も汚れているに等しいと思わない?」と"真井知己"を悪く言うのは、それを柘榴ちゃんに否定して欲しい想いと、知也に身体を乗っ取られ、柘榴ちゃんの心を傷つけたことへの自己嫌悪から、それを柘榴ちゃんに肯定してもらい、自身の罪を裁いて欲しいという想いの狭間で揺れているからかなと。

「君はさ、真井さんのことをどう思ってたの?」「僕と"真井さん"は、どっちの方が君にとって大事?」と知也の振りをして本心を聞くあたり、真井さんがただの良い人ではないということが剥き出しになっていて好きです。同じくらい大事だと返されて、「良かった」と出てくるところがア~~真井さん…(しんど…)て感じなんですけど………。

真井さんが自死の覚悟を決めたのは知也に精神を乗っ取られていた間…なんですかね。自分が戻った時に、スイートクラウンや知也と共に死ぬことで全てを終わらせ、柘榴ちゃんを外の世界へ出そうと思っていたのでしょう。
柘榴ちゃんは「ごめんね……一緒にいてあげることが、出来なくなっちゃった」「……君のことが好きだった」で目の前の人が真井さんであることに気付くんですけど、さすがに気づくの遅すぎないか!?まあスイクラに近づくにつれて判断力とか低下してるし仕方ないか…

⚠︎一応ここで補足をしておくんですけど、私は柘榴ちゃんのことが嫌いって訳では無いです!むしろこのヤバ自己愛の最悪なところが魅力だと思ってます。


そして「"真井知己"さんが幸せになれる世界」であの結末が訪れるわけですが、真相グッドエンドで真井さんが懐中時計を持っていたのはなんででしょうかね。真井さんは柘榴ちゃんに「君に持っててもらいたいんだ」と言って自分の懐中時計を手渡したはずなんですよ。なのに目が覚めた真井さんは何故か懐中時計を握りしめていて。この懐中時計は半身が半身である以上手離せない物だということなんでしょうか。
最愛の人、そして大切な半身のことを忘れ、幸せに生きる真井さんの懐中時計はオルゴールだけが動き、記憶をなくして城でスイートクラウンとして生きる柘榴ちゃんの懐中時計は時計もオルゴールも止まったまま。
彼らが"他人"として出会い、全ての時計とオルゴールが動き出す。そんな物語がこの先に続いていることを願っています。


【樫野知也】

小林裕介さん、本当にありがとうございます。元々小林さんのお声が好きなので真井さんの時からメロメロだったんですけど、知也の時の豹変具合があまりにも最高すぎた。もっとなじってほしい。ヒールで踏んで欲しい。そういうシチュCD出してもらえませんか???RejetでデートDV男やってみませんか????(リジェ男への偏見)

⚠︎身体は同じですが精神が別れているので、真井さんと知也は"別の人間"として話をします。

知也が出てくるまでに私が真井さんにメロメロにされて完堕ちしてたので推しにはなりませんでしたが、私は知也のこともかなり好きです。なんてたって近親だし、さらに知也は私のために全てを壊してくれる男なので。要素としては完全に性癖男なんですよね。でも、私(柘榴)に酷いこと言ってくるのがね……正論パンチ痛いよ~~まあそれは柘榴ちゃんが悪いんですけど。

「全てを敵に回しても私だけを愛するクソデカ感情男」という私の性癖の話になるんですけど、私が壊して欲しいのは「私に危害を加える全てのもの」なので、この場合クララズやその他のオフレンダのことは傷付けないで欲しいんですよね。知也がクララズやその他のオフレンダを菓子に変えず、ドロドロに甘やかして全肯定して何も考えられないように重い愛で思考を絡め取ってくれる男だったら推しでした。もうそれは知也じゃないけど…

柘榴ちゃんは「あんなの知也じゃない!」や「スノードームを割った知也は怖かった」なんて思ってましたけど、そもそも知也が歪んだ愛を持つようになった原因は柘榴ちゃんなんですよね。その証拠に、知也の精神が身体から抜かれているとはいえ、柘榴ちゃんを知らず育った"知己"の性格は"人畜無害"です。そして、柘榴ちゃんと出会った"知己"は姉弟であることを理解しながらも恋から抜け出せず、その感情は歪み始める。それはつまり柘榴ちゃんがいなければ彼は歪まないということであり、樫野知也という人間の本質は、真井知己寄りなんですよね。

そして自己愛モンスターの柘榴ちゃんは「私には知也がいる、知也には私がいる」と言って自分に全ての感情を向けるように知也を縛り、そのくせ都合の悪いことは忘れたり"改訂"したり。自己犠牲の振りをして、実際は自分の触れられたくない部分に触れられないように、ただ楽な道に逃げて生きてきました。というか自分を守るための記憶捏造とはいえ知也のこと美化しすぎだろ。
彼女が真井知己さんと幸せになれなかったのは、自分の過去の行いが回り回って返ってきたからです。柘榴ちゃんが知也を歪めなければ、この双子には違うエンドが待っていたのかもしれない。全てはスイクラ様のみぞ知る。

さて、彼が明確に柘榴ちゃんの前に現れるのが贄拝堂での真井さんの最悪自己犠牲発言の時ですね。真相バッドエンドではここから真井さんの精神は1度も戻ってきません。えーん………真井さん………………
そして行われるかくれんぼという名の一方的な蹂躙。あまりにも怖すぎるんですけど本当にスイクラの力使ってないんですか????でも、その後の菓子化したオフレンダを食べさせられるくだりは興奮しちゃった、ごめん。こういうなじり、本当に大歓迎です。
床に落ちるラムレーズンのアイスに日之世のプライドを感じて良かったです。一方、ぐちゃぐちゃにされるガトーショコラには古橋さんの贖罪を望む面が現れているのかな…と思ったり。

知也は腐った水のスノードーム、すなわち柘榴から解放される自由を望んでいました。しかしそれは1度柘榴に歪められた時点で叶わぬ願いとなっており、樫野知也はどう足掻いても樫野柘榴から逃げ出せない。しかし受け入れてもらえるわけでもないので、歪んだ想いを鳥籠に詰めることしかできない。その想いは肥大し、鳥籠は壊れ、歪みは想いだけではなく知也自身にまで及んでいく。
自分のしてきたことを全て知った柘榴ちゃんはようやく知也と向き合うわけですが、それでも結局知也のことを受け入れられないんですよね。そのくせ上辺だけの優しさで手を差し伸べようとする。知也から殺されることを受け入れようとするあたり、真相バッドエンドの柘榴ちゃんは何一つ変われてないんですよね。だってここで"知也に殺される"と自分が楽になれるから。それを「最後くらいは受け入れよう」とするのは自己愛の表れで。柘榴ちゃんは知也の気持ちを何一つ受け入れていないのに、自分は「知也を受け入れた」という事実を得ようとしているんですよ。

その結果、彼ら"双子"に訪れた結末がこの真相バッドエンド。彼のエンドとされる真相バッドエンドでは真井さんの精神は戻らず、知也は自死を選びました。
この時「君がスイートクラウンになるなら僕を1番にお菓子にして喰べて」という知也に対して言う言葉が「お願い一人にしないで」なの、まあまあヤバいなと思いました。
弟の最後の願いの時にすら自分のことしか考えられていないんですよね。
樫野柘榴、本当に凄まじい女だな(褒め言葉)

そして知也が自分のものになったことで完全にスイクラになった柘榴ちゃんはイマジナリー知也と楽しい日々を送って閉幕。知也から柘榴への、愛憎復讐は成功を収めます。知也は「柘榴に一生自分のことを引きずって欲しい」という願いを自分の死をもって"半分"叶えました。この「半分」は柘榴ちゃんが狂ってしまった分です。柘榴ちゃんは知也のことだけを考えているようになりましたが、引きずっているかと言われればそうではないんですよね。だって柘榴ちゃんの中では知也は"生きている"から。
メリバ厨なので、普段なら「やった~~!!!最高のエンド!!!!」って両手を上げて喜ぶところなんですけど、真井さんのことを考えるとそうもいかず………でも性癖には抗えない。互いに互いを狂わせる双子、シンプルに性癖でした。ありがとうございます。


【総括】

スイクラは元々歪愛エンドしか予定されておらず、追加という形で深愛エンドが作られたとのことです。つまりスイクラの各ルートの正史は歪愛エンドなんですね。
私は、歪愛グッドエンドは"「私と一緒に不幸になってくれますか?」「貴方と一緒にいられたらそれだけで幸せです」という、彼らによる「月が綺麗ですね」のやり取り"だと解釈しています。
ペルセポネの冥界行きのお話の、「柘榴を食べた人間は現し世に戻れない」ということ。これは、スイクラでは「樫野柘榴を愛した人は元の日々には戻れない」ということなのでしょう。

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