ドラム…いる?~私のバンド履歴書③

 これでギター2人とベースとなった我々は、次はボーカルかドラムだなと話し合っていた。程なくでてきた疑問が「ドラム…いる?」というものだった。その時点で、楽器を持っていたのは僕だけだったが、何となく「まっさん家で練習するんだろうな」と思っていた。となると、ドラムも置いて皆で練習とは現実的でない。

 しかし、若さとはえらいもんである。勢いとは凄いもんである。まっさんはドラムも買ってしまった(皆が楽器を手に入れていく話はまた後日)。とは言っても外国人の子どもが笑顔で叩いているおもちゃみたいなもんだが。それでも凄いな~。まぁ、まっさんが「ドラムいる!」となっていたことが素晴らしいじゃないか。

 そこで、誰にしようか?と相談した結果「タカブー」が良いんじゃないかとなった。タカブーとは小学生の頃に太っていたことと苗字が重なって皆にそう呼ばれていた。バイオリンを幼少のころからやっていたが、何となくおっさん臭い、良い奴だった。中学に入って身長が伸びて、スラッとしたのだが、皆は「何となく」タカブーと呼び続けていた。その時、皆が共通認識として持っていたドラムへのイメージとは「何となくおっさん臭い」というものだったので、何となく彼の名が出たのだろう。まさか数年後自分がやることになるとは…。それはまた別の機会に。

 呼び出されたタカブーは高専に通うことになっており、吹奏楽部に入ると言っていた。「そこの吹奏楽部はむちゃくちゃ忙しいねん。だからたまにしか来られへん」とのことだった。彼は本当にたまにしか見なかった。

 次はいよいよボーカルだ。

(もりもり続く)

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