今、思いつくこと
90年代最初の八尾にはバンドブームが溢れていた、ように思う。道行く人、チャリ行く人がギターを抱え、西武百貨店あたりを彷徨く。今と違って新譜が出ればバンドスコアが必ず出版されていた。
今から考えると悪の華、ハリアップモードが近い間隔で発売され、BUCK-TICKの数年間での進化を目の当たりにしていた頃だ。そこから狂った太陽、殺シノ調ベ、そしてdarker than darkness…、小学校低学年だった僕には理解しがたいものもあったけど、BOØWYとともに僕の音楽生活の初期から彩ってくれた。今でも八尾の楽器屋にはバンドスコアがとんでもない品揃えで売っている。そんな気がするのだ。
次は20歳になった頃だ。すでに大御所となっていたBUCK-TICKは精力的に新作を出していた。
音楽をしていた僕にとっては、本当に憧れの存在だった。不安定な青の時代を支えてくれた最高のグループだ。もちろん単なる1ファンに過ぎないが、僕の人生のどでかい部分をBUCK-TICKは占めている。
僕にとっての八尾における夕暮れも、岡山に向かう道中も、ファミレスで過ごした時間も、みんな引き連れて櫻井さんは旅立っていったように思う。僕は思い出の籠の中で、過ごすしかなくなった。
櫻井さん、ご冥福をお祈りします。
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