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中トロ②

まっさんにこれまでのMTRの中身を曝け出している時に中トロの活動を思い出してきた。中トロの誕生は高校時代だが、本格化したのは大学時代だった。
当時、BUCK-TICKへの扉を開き始めたこともあり、中トロではBUCK-TICKをコピーしようと言うことになった。中トロの活動を一言で言うと「まっさんがBUCK-TICKのオケを耳コピで全パートを1週間程度で作成し、3ミーが歌う」というものだった。今なら暴動モノだし、報酬がない分、「王様より上(たかし談)」という待遇だった。
アルバムの発表順に一曲を選ぶ→翌週に訪問する→歌う。確か1曲目はハリアップモード、2曲目はセクシャル、3曲目はセブンスヘブンみたいな並びだったと思う。
まっさんは様々な発想を駆使し、BUCK-TICKトラックの再現を試みていた。中でも「君のバニラ」は曲冒頭の話し声みたいなSEも自分の声で再現していた。「キラメキの中で…」の間奏ではドラムが入るタイミングを僕が担当するなどスリリングな出来事もあった。
この時期にボーカル以外の1パートでも担当していれば、また違った人生だったろうに、と思うワタクシだった。
それにしても感嘆すべきはまっさんの作業量とスピードだ。スコアがないものが殆どだから、耳コピから始めるわけで、まずドラムの耳コピ、ベースの耳コピ、そして難解な(笑)今井さんのギターフレーズの耳コピ…、まさに気が遠くなる作業だ。それをまっさんはほぼ週一のペースで取り組んでいたわけで、あんまり気軽に「まっさん凄いなぁ」とは言えない気がしてきた…。プラス、自分のオリジナルやシコーズなどバンド活動にも取り組んでいたわけで…、や、プラスではないな。中トロがプラスやな。プラス部分の負荷がキツいわけで、メインではないからな。
環境が人を育てる、存在が意識を規定する、てな言葉もあるが、私3ミーという「王様以上の何か」という存在がまっさんの音楽的成長に寄与したのは間違いない。全く、私3ミーに爪の垢でも煎じて飲ませるべきなのであった。

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