惜別

職場の先輩が亡くなった。まだ50代だった。日曜日の夜に体調不良を訴え、自分で救急車を呼び、午前3時に病院に搬送され30分後には亡くなっていたそうだ。
2週間前には目の調子が悪いということで相談があり、馴染みの眼科を紹介していたところだった。先週の金曜日も普通に出勤していたそうで、まだ信じられないというのが正直な気持ちだった。
通夜に参加し、顔を見ることができた。目はつぶっているが、何か考え事をしているようで、フッと喋りだしそうな。
奥さんの挨拶も聞けて、参加できて良かったと思えた。

15年近く同じ事務所で働いていたが、昨年の大きなイベントで同じチームになってから喋る機会が増えた。前評判では「楽したがる」と聞いていたが、いざ企画会議が始まるとしっかりと仕切ってくれるし、経験から出る発言は説得力があった。

笑顔が印象的な人だった。お洒落な帽子を被ってスラッとした出で立ちで、スタスタと出勤している姿を思い出す。挨拶すると鼻から抜けた声で「おはよー」と明るく返してくれる。
見送れて良かったな、と思う。合唱。

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